反射性・耐久性に優れた光ディスク用銀合金薄膜およびスパッタリングターゲット材の開発について(2002年2月21日)


2002年2月21日
株式会社神戸製鋼所
      株式会社コベルコ科研

反射性・耐久性に優れた光ディスク用 銀合金薄膜
およびスパッタリングターゲット材の開発について
〜高い反射率と優れた耐久性(耐食性、耐凝集性)を実現した「Ag-Nd系合金」の開発〜


 神戸製鋼はこのほど、反射性・耐久性(耐食性、耐凝集性)に優れた光ディスク用銀(Ag)合金薄膜およびスパッタリングターゲット材を開発しました。今回開発したAg合金の組成は、Agに少量のNd(ネオジム)を添加した合金をベースとする「Ag−Nd系合金」です。
 すでに株式会社コベルコ科研(神戸製鋼の100%出資子会社:以下 コベルコ科研)が、同組成のスパッタリングターゲット材を国内外の光ディスクメーカー10数社にサンプル出荷しており、現在、本格採用へ向けた評価が行われております。

 光ディスクは近年、大容量化・高密度化が進んでおり、現在、市場には、従来のCD(Compact Disc、容量 700MB)の数倍の記憶容量を有するDVD(Digital Versatile Disc、 4.7GB)も登場しております。さらに数年後の実用化に向け約20GBの光ディスクも開発が進められております。
 このような状況の中、光ディスクに用いられる反射膜材料は従来のアルミ(Al)合金から、より高反射率、高熱伝導率を有するAgへの展開が進められておりますが、一方でAgはAlに比べて、耐食性や耐凝集性(耐マイグレーション性)が低いという問題があり、一般的にはそのままでは使えないと認識されています。
 そこで、当社ではAgの特徴を生かしつつ、「耐食性・耐凝集性」に優れたAg合金の開発に取り組んで来ました。

 
今回開発した新合金ターゲット材の特長は以下の通りです。
1)反射性:
従来のAl合金よりも10%程度高い反射率を有する。
純Agとほぼ同等(1〜2%程度の低下)の高い反射率を有する。
2)耐食性:
環境試験(温度90℃、湿度90%)においても反射率の劣化がほとんどなく、高い耐食性を有する。
3)耐凝集性:
環境試験、熱処理後の凝集・粗面化・粒成長などの構造変化が少なく、耐凝集性に優れる。 
(凝集による膜の断裂、表面平滑性の劣化、粒成長による電気伝導率・熱伝導率の変化等が抑制されるため、反射膜の品質が安定する。)
4)膜厚の均一性:
(ターゲット材として)微細かつ均一な組織を有しており、膜厚の均一性等に優れる。
5)リサイクル性:
ベースに貴金属を含まないためにリサイクル等が比較的容易である。

 
 神戸製鋼グループにおけるターゲット事業については、神戸製鋼の技術開発本部がターゲット
材料の開発を行い、コベルコ科研がスパッタリングターゲットとしてこれを製造・販売しております。特にコベルコ科研は、液晶パネル用アルミ合金ターゲット材で80%以上の世界シェアを持ち、ユーザーから高い評価を頂いております。
 今後も神戸製鋼グループとしてのシナジー効果を発揮して、新規材料開発に取り組み、多様化するユーザーニーズに対応していきます。

以上

 


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