神鋼神戸発電所1号機の営業運転開始について(2002年4月1日)


2002年4月1日

神鋼神戸発電所1号機の営業運転開始について


 神戸製鋼は、電力卸供給事業(IPP:Independent Power Producer)の開始に向けて、1999年3月から当社神戸製鉄所敷地内に『神鋼神戸発電所』(発電規模140万kW:70万kW×2基)の建設工事を進めて参りましたが、本日(4月1日)午前零時より、予定通り1号機の営業運転を開始しましたのでご報告致します。

<発電所の概要>
名 称 神鋼神戸発電所
所在地 神戸市灘区灘浜東町2(神戸製鉄所内)
発電規模 70万kW× 2基 = 140万kW
発電方式 石炭火力発電
供給開始時期 1基目 2002年4月1日
2基目 2004年4月
総工費 約2,000億円(うち約1,650億円はプロジェクトファイナンスで調達)

 

 1995年4月の電気事業法改正(規制緩和)を受け、関西電力が実施した1996年、1997年の卸売電力の募集に対し、当社は、土地や岸壁など、製鉄所の既存インフラや石炭調達のノウハウなどを最大限に活用した新規事業として、発電規模 140万kW(70万kW×2基)の電力卸供給事業を計画・落札しました。これは国内最大規模の電力卸供給事業で、発電した電力は全量、関西電力に供給することになります。2基稼働時の発電量は、神戸市が夏場のピーク時に使用する電力の約8割が賄える規模で、神鋼神戸発電所の稼働によって神戸市の電力自給率は大幅に向上し、新たなライフラインが構築できることになります。

 神鋼神戸発電所は、環境アセスメントなど諸手続き終了後の1999年3月に着工しました。建設地は神戸製鉄所敷地(約107万m2)内の西側部約30万m2で、現在1号機の南側に隣接して2号機の建設工事を計画通り進めております。
 1号機については、2001年6月にボイラー、タービン、貯炭サイロ(9基)、石炭荷揚げ用アンローダー、環境機器などの据付工事をすべて終了し、2001年7月16日より試運転を開始し、2002年3月に最終試運転を無事完了致しました。
 一方、2号機は、2001年2月からタービン棟の基礎工事が始まり、現在、タービン棟とボイラーの建屋工事およびボイラー関連の機器据付工事を行っています。2003年7月には試運転を開始する予定です。

 当発電所は都市部立地のため、環境対策には細心の配慮をしています。最高水準の環境設備(排煙脱硝装置、排煙脱硫装置、電気式集塵装置など)の導入、既存の原料ヤードや焼結工場など一部設備の廃止、既存製鉄設備における重油から都市ガスへの燃料転換など、神戸製鉄所全体での総合的な環境保全対策により、周辺環境への影響を着工前よりも低減させる計画です。また、石炭の粉塵が飛散しないように密閉構造の貯炭サイロ・搬送コンベアを採用するなど様々な環境対策を講じています。これらの環境対策には、総工費(約2,000億円)の約3分の1を充てています。

 当事業を採算面からみると、1号機稼働中は300億円程度の売上高、2号機が運転開始となる2004年度以降は600億円程度の年間売上高を見込んでいます。売上高経常利益率も15年平均で20%以上を見込んでいます。


 当社は電力卸供給事業を推進する上で、「都市型発電所」「エネルギーの有効利用」「地域交流事業」をキーワードとして、"地域との共生"に取り組んでおります。
 本日の1号機営業運転開始に併せて、この4月からは、@近隣酒造会社への熱供給事業(4月1日事業開始)、A灘浜スポーツゾーン(4月1日改装オープン)、B温浴施設『灘浜ガーデンバーデン』(4月11日新規オープン)が一斉にスタートします。

 今後とも当社は、発電所の安定操業を通じて社会的責任を全うし、地域社会の一員として地元とともに歩んで参りたいと切に願っております。

以上


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