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2002年8月5日
曲げ加工時の変形ばらつきを大幅に低減できる世界初の厚鋼板 『スーパーヒズミレス』の開発・商品化について
当社はこのほど、残留応力及び材質のばらつきを大幅に低減することにより、加工性及び鋼構造物の安全性を大幅に向上出来る厚鋼板『スーパーヒズミレス』を商品化し、本格販売を開始致しました。 昨年、鋼板の残留応力を制御した厚鋼板「ヒズミレス」を商品化し、工作精度向上効果について、多くのファブリケータより高い評価を頂き、これまで 30,000トンの販売実績が有ります。 『スーパーヒズミレス』は、この「ヒズミレス」を更にグレード・アップさせた新商品であり、鋼板の残留応力を低減させるのみならず、材質のばらつきをも半減させた鋼板です。本鋼板を使用することで、船舶を建造する各種の工程や、タンク・パイプ等の加工工程において加工工数の低減および構造物の安全性が大幅に向上することが期待されます。 <開発ニーズ> 造船における船首・船尾の曲面ブロックの製造、タンク・反応容器などの鏡板の加工、ラインパイプの造管加工など鋼板の曲げ加工においては、製作工数を減らし生産性の向上を図ることが大きな課題です。すなわち、厚鋼板の降伏応力のばらつきや残留応力が大きいと、同一条件で加工しても曲がり量が安定しないため、加工工数が増大していました。 また、この様な鋼構造物の曲がり部分の鋼板の曲げ加工は、一般に高度な技能と経験を有する熟練作業者が鋼板のクセに応じて経験的な勘で行っています。しかし、熟練作業者の高齢化と減少に伴い、技術伝承が困難になりつつあり、加工精度の向上、曲がり変形の安定化、手直し作業の軽減などの点でも課題となっています。 <技術的特徴> 当社では、こういった課題を克服すべく、鋼板の残留応力を低減し、材質ばらつきを大幅に低減した『スーパーヒズミレス』を商品化致しました。スーパーヒズミレスの製造においては、 @「ヒズミレス」で培った鋼板の残留応力を低減する技術 A「プロメシステム」を活用した材質ばらつきを低減する新材質制御技術 を用いて実用化しました。 特に鋼板の残留応力は、世界最大級の矯正能力をもつ多機能レベラを主に活用して制御しております。またプロメシステムは、鋼板の化学成分ばらつきや製品サイズの差により生じる材質ばらつきを低減するため、材質予測技術から圧延のパススケジュールを設定し,かつオンラインで微調整するという製造条件の厳格管理によって『スーパーヒズミレス』を実用化するに至りました。 <効果> 『スーパーヒズミレス』の適用により、「ヒズミレス」により得られた工作精度安定効果に加えて、以下のような具体的な効果が期待されます。 1.プレス/ローラ/鏡加工等の曲げ加工工数削減 2.上記加工時の機械化/自動化と手直し工程低減 3.構造物の安全性の向上 4.熟練作業者の容易な技術伝承 『スーパーヒズミレス』の商品化にあたり、当社は需要家との共同研究を進め、現在までに数百トンの使用実績があり、効果を確認しております。一方、建築や橋梁の設計においても、降伏応力のばらつきを低減することによって、耐震性の向上、安全性の向上が期待されます。 当社では、本鋼板がファブリケータの生産性向上に大きく貢献するものとして、一部の造船所からも高い評価を得ており、今後積極的に営業活動を行ない、年間5,000トン以上の販売を目指します。 今後、造船分野のみならず、他の厳しい工作精度や安全性が要求される分野、例えば建築・橋梁・タンク・化工機・建設機械など厚板の各需要分野に向けて材質ばらつきが少なく、需要家の使い勝手を向上させた新商品の開発を本格的に推進して行く予定です。 当社は『スーパーヒズミレス』の上市を皮切りに、各厚板品種の高付加価値化、差別化をより積極的に進め、厚板分野の事業拡大を加速させて参ります。 以 上 (ご参考) 【ヒズミレス】 圧延・冷却時に生じる鋼板内の不均一な残留応力を低減した鋼板。@圧延・制御冷却技術、A冷却後の残留応力評価システム、B世界最大の多機能強力レベラー活用技術により製造される。
【プロメシステム】 厚鋼板を圧延する際、材質予測技術を駆使した圧延のパススケジュール設定や、オンラインでの各パス毎の微調整が可能となるシステム。これにより、材質(強度)のばらつきを従来材対比で半減させることが出来る。
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