半導体設計サービス会社の設立について


                            1998年12月11日
                        株式会社神戸製鋼所
                        メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社

          半導体設計サービス会社の設立について

 株式会社神戸製鋼所(以下 神鋼)は、電子・情報事業部半導体本部LSIセンター
の半導体設計事業を分離し、メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社(以下 MGJ)の協力を
得て、半導体の設計・サービスを行う新会社を1999年2月1日付で設立することを決
定しました。これにより神鋼のLSIセンターは、当面半導体の販売事業のみを行う
ことになります。新会社の概要は以下の通りです。

<新会社の概要>
 1.社 名:コベルコLSIデザイン株式会社
 2.代 表 者:中住 晃(神鋼から就任)
 3.設 立:1999年2月1日
 4.資 本 金:1億円
 5.出資比率:神鋼・・・80.1% MGJ・・・19.9%
 6.所 在 地:神戸市
 7.従 業 員:約25名からスタート
 8.事業概要:半導体設計事業、LSI組み込みソフト開発事業、IP事業(自社
       でのIP開発、メンターのIP販売)

 半導体の設計分野の動向としては、回路規模が増大し且つ複雑化する一方、最終製
品のライフサイクルが短くなるため、短期間のうちに大規模回路の半導体を設計しな
ければならなくなってきており、従来の設計から製造までの一貫した事業展開が難し
くなって専業化、分業化へと業態変化しています。即ち、半導体各社は1社単独で全
てを設計し、製造までを完結して行うという事業体制から、社外の設備・技術を有効
利用し、その一部を社外に委託していき、外部リソースを有効活用していく方向にあ
ります。そのため、半導体の設計・サービス事業、とりわけIPをベースとした設計
事業は今後ビジネスとして大きく成長していくと考えられます。

 神鋼としては、この将来性のあるデザインサービス事業に本格参入するため、ED
A業界の大手であり、IPの品揃えも豊富な米国メンター社の日本法人であるMGJ
と提携し、半導体のハード設計、携帯電話や各種オーディオ機器向けの半導体に組み
込まれる音声処理等のソフト開発、さらには今後半導体設計で急速に普及していくI
Pの開発販売を行う新会社の設立を決めたものです。新会社の売上高は、1999年度に
6億円、3年後には10億円を目標としており、IPを含むデザインサービス分野で日
本でのトップ企業になることを目指しています。


 MGJはシステムLSIに向けた先駆的存在として高く評価されており、特に同社
の豊富なIPのラインアップと設計の検証方法においてEDA業界のトップランナー
として注目されています。一方神鋼は、日本国内を中心として半導体の設計に豊富な
経験を持ち、さらに音声・通信という成長分野における組み込みソフト開発でも高く
評価されています。この様にIPの提供、IPを統合する設計技術、検証技術、そし
て組み込みソフト開発という4つの要素が今回のJ/Vに結集されることで、システ
ムLSIという成長分野において包括的なサービス体制が整うこととなります。今回
の新会社設立は、両社にとって以下のメリットが期待できます。

(A)IPの販売は顧客の要求に合わせた仕様作りなど、設計経験に根差した高度な技術
  サポートが要求されます。MGJにとって今後急速に需要の拡大が見込まれるIP
  販売において、神鋼の高い技術力を背景に強力な販売体制が整います。
(B)神鋼にとって、IPとEDAで高い認知度をもつMGJの包括的なバックアップ体
  制は、大きなメリットとなります。中でも、ハード設計からソフト開発までのMG
  Jの総合的な検証技術は、短納期で高品質な設計を期待する顧客に対し、魅力的な
  サービス事業の展開を可能にします。


ご参考
<メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社の概要>
 1.社 名:メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
 2.社 長:鬼澤 盛夫
 3.設 立:1983年3月16日
 4.資 本 金:4億8,000万円(Mentor Graphics Corporation(本社:米国オレ
        ゴン州)の100%出資)
 5.所 在 地:東京都品川区
 6.従 業 員:約150名
 7.売 上 高:4億5,000万ドル(1997年度米国本社売上高)

<語句説明>
 1.EDAツール:電子回路設計用のCAD
 2.IP:LSIを構成する回路ブロックのうち、規模が大きくあるまとまった機
      能を持つもので、しかも再利用可能な設計資源であるもの

                                   以 上


   ホームへ

      一つ上のページへ