耐候性に優れた無塗装用耐候性厚鋼板『スーパータイコールW』および塗装用厚鋼板『スーパータイコールP』の開発・販売について(1999年8月4日)


                                 1999年8月4日

 耐候性に優れた無塗装用耐候性厚鋼板『スーパータイコールW』および
    塗装用厚鋼板『スーパータイコールP』の開発・販売について


 当社はこのほど、沿岸地域の橋梁などの塩分が多くて厳しい腐食環境向けに、耐候性
に優れた無塗装用耐候性鋼板(海浜・海岸耐候性鋼板)『スーパータイコールW』を、
また、普通鋼に塗装を施す必要がある景観重視の都市部橋梁などの用途向けに、塗膜下の
腐食を抑制した塗装用鋼板『スーパータイコールP』をそれぞれ開発・商品化しました。

 従来の耐候性鋼板は、普通鋼に比べて耐食性に優れているため、無塗装での使用が可
能であり、維持管理コストが削減できる鋼材として用途が拡大してきています。しかし、
沿岸地域の橋梁など、塩分が多くて腐食しやすい環境下での使用については制限され
てきました。
 また、景観重視の都市部橋梁などには、通常、普通鋼の表面に塗装が施されますが、
塗膜欠損部からのさび発生処置などの理由で定期的な塗り替えが必要とされています。

 当社では、耐食性に関する研究の結果、従来から言われている「Ni、Cuによる生
成さびの緻密化が、腐食環境との遮断によって耐食性を向上させる」ことに加えて、
  (1)Crを全く添加しないことにより、塩素イオン存在下での耐食性が向上する
  (2)Tiを添加することにより、耐食性が向上する
 という2つの新たな知見を得ました。
 これらの知見から、クロムフリーのNi−Cu−Ti成分系である、無塗装用耐候性
鋼板『スーパータイコールW』および塗装用鋼板『スーパータイコールP』をそれぞれ
開発しました。それぞれの特長は以下のとおりです。

<無塗装用耐候性鋼板『スーパータイコールW』の特長>
 【化学成分】
   Crを無添加で、1.0%Ni−1.0%Cu−0.05%Tiを添加。
 【耐候性】
  ・曝露試験注)の結果、従来の耐候性鋼では層状剥離さびが発生したが、本鋼板
   には層状剥離さびが全く発生しない。
  ・腐食による板厚減少量は、従来の耐候性鋼の約半分に低減。
【適用効果】
   鋼材価格は、従来の耐候性鋼に比べて30%程度高くなるが、これまでに無塗装
  での使用が不可能であった沿岸地域などの厳しい腐食環境下の橋梁でも、無塗装で
  の使用が可能となり、普通鋼に重防食塗装を施す場合に比べてトータルの建設コ
  ストを低減できる。

<塗装用鋼板『スーパータイコールP』の特長>
 【化学成分】:
   Crを無添加で、Ni−Cu−Tiを添加。『スーパータイコールW』よりも
   Ni,Cuの添加量を低減している。
 【耐候性】
   曝露試験注)の結果、塗膜下(塗膜と地鉄の界面)腐食抑制効果は、普通鋼の約
  2倍に向上。
 【適用効果】
   鋼材価格は、普通鋼に比べて30%程度高くなるが、普通鋼使用の場合に比べて、
  塗装橋梁の塗り替え周期(通常10年程度)の延長、もしくは、中塗り省略などの
  塗装工程簡略化が可能となり、維持管理コスト、建設コストを低減できる。

 今回開発した「スーパータイコールW」、「スーパータイコールP」の機械的性質は、
いずれもJIS規格に準じて、従来品と同等の強度、伸び、衝撃特性を保証しています。
 また、溶接施工性にも配慮しており、予熱軽減(板厚50mmで25℃以下)と大入
熱溶接適用(板厚25mmへのエレクトロガス溶接適用など)が可能であり、最近適用
が拡大している現地溶接にも適した品質を有しています。

 スーパータイコールWの製造可能板厚は、強度クラスが400N/mm2級で板厚50mm、
490および570N/mm2級で板厚100mmまでを商品化しており、さらに490
N/mm2級では200mmまでを開発中です。また、スーパータイコールPでは、490、
570N/mm2級の2種類で、いずれも板厚100mmまでを商品化しています。
 なお、スーパータイコールWは、兵庫県内の全長108mの美嚢川(みのうがわ)大
橋向けに建設省で約150トンが初採用され、さらに99年7月には、静岡県内の橋梁
向けにも納入完了しております。
 また、これらの施工に適切な溶接材料や高力ボルトについても、当社グループ内で既
に開発しており、いづれも上記受注案件に採用されています。

 当社では、無塗装用耐候性鋼板および塗装用鋼板の商品化によって、最近注目されて
いる橋梁などの構造物におけるライフサイクルコスト削減のニーズに応えていきます。

<語句説明>
曝露試験:当社が今回行ったのは、本鋼板の耐食性の調査を目的として、毎週食塩水を散
   布する2年間の促進曝露試験。これは、従来の耐候性鋼の適用限界と言われている
塩分環境(0.05mdd(mg/dm2/day))の数倍から10数倍の環境(0.3〜0.8mdd)に
相当する。
    塗装用鋼板については、塗装面にクロスカットを入れ、曝露試験後のふくれ幅で評価。

* ** 本件に関するお問い合わせ先 ***
鉄鋼カンパニー)厚板・線材部 TEL03−5739−6261
秘書広報部 広報グループ   TEL03−5739−6010

                                   以上


   ホームへ

      一つ上のページへ


ご不明な点、お問い合わせがありましたら下記宛先までどうぞ
www-admin@kobelco.co.jp