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2000年3月22日
アルミドロスリサイクル技術に関するライセンス取得について
当社は、アルミの溶解工程で発生するアルミドロスと呼ばれる溶滓(かす)から金属
アルミ分を回収する技術のノウハウ及び特許使用に関し、*1ハイドロ・ケベック社
(Hydro-Quebec 本社:カナダ・ケベック州モントリオール市)よりライセンスを受け
ることで合意し、このほど契約を締結しました。契約期間はハイドロ・ケベック社の特
許権が満了となる2011年までの11年間です。
アルミ製品を製造する過程で、アルミの地金やスクラップを溶解した際に溶湯面上に
生成される不純物をアルミドロスといいます。溶解方法や原料の種類によって左右され
ますが、溶解原料量に対しておよそ2〜10%程度発生します。アルミドロスはそのまま
では使用できないため、溶解炉から取り除いていますが、この中には再利用できる金属
アルミ分が6割程度と多く含まれています。
アルミドロスは国内で年間35万トン程度発生しており、アルミ地金のほとんどを海
外に依存しているわが国では、金属アルミ分を高い効率で回収できる技術の確立が重要
な課題となっていました。しかし、バーナー式回転炉のような従来の処理方法では、処
理中の酸化反応によって金属アルミ分が減少するなどの理由により回収率は40〜60%が
限度でした。
また、アルミ分回収後に発生する年間約10万トンの残灰は、その大半が産業廃棄物
として管理型埋立地に処分されていますが、処分場の確保が困難になってきたことや廃
棄処分費用の高騰などが顕在化しているほか、残灰中に含まれる窒化物などが水と反応
して刺激臭を伴うアンモニアガスが発生するため、抜本的な再資源化対策が急務になっ
ています。
当社では、金属アルミ分の高い回収率が期待できる処理方法のなかからハイドロ・ケ
ベック社のアーク式回転炉を選定し、技術評価を1994年より進めてきました。この結
果、「炉内を不活性雰囲気にしてアルミの酸化や窒化などを防止できる」「排ガスの発生
量が極めて少なく、排ガス処理に要するコストを低減できる」「アルミドロスの細かい
ものも飛散させることなく処理ができる」「水冷の必要がなく炉の構造がシンプルで安
全」などの優位性が確認できました。
その間、東京電力株式会社との共同研究によりハイドロ・ケベック社の技術をベース
に改良を加え、回収率を80〜90%まで大幅に高めるとともに、残灰を安定化して有効活
用する技術を確立しました(1997年3月24日発表済み)。このプロセスは、アルミド
ロスを電極から放電する高温のアークにより回転炉内で急速加熱し、金属アルミ分を1
時間程度と短時間で回収し、残灰も同じ炉の中で加熱処理して窒化物や塩化物を分解除
去します。無害化された残灰はアルミナの代替品として耐火物やセメント原料などに利
用されます。
すでに当社ではアルミ圧延工場である真岡製造所において1999年3月よりアルミド
ロス処理プラントの*2商業炉1号機を稼動しており、現在建設中の2号機も本年5月
初めに稼動を開始する予定です。2機稼動後は、真岡製造所で発生する年間2万トン程
度のアルミドロスのほぼ全量が処理できることになり、原料コストと廃棄物の大幅な低
減が同時に実現することになります。真岡製造所は当社の工場のなかで「廃棄物ゼロ化」
を目指すモデル工場として位置付けておりますが、アルミドロス処理プラントを有効活
用することにより、この取り組みを一層強化する考えです。
なお、アルミドロスの処理プラントの販売は都市環境カンパニーがおこない、今後ア
ルミ圧延メーカーなどへの営業活動を本格化することで、来年度には外販1号機の受注
を目指します。
【*1ハイドロ・ケベック社の概要】
カナダのケベック州政府100%出資の電力会社。
【*2商業炉の概要】
1. 場 所:神戸製鋼所 真岡製造所(栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 第2工業団地)
2. 処理量:2000kg/バッチ×2系列
(1号機:1999年3月稼動開始、2号機:2000年5月稼働開始予定)
3. 型 式:アーク式回転炉
4. 出 力:2.4kW(共用)
5. サイズ:外径 3.3m、長さ 3.7m
以 上
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