フライホイール式小型蓄電装置の販売に関するBeacon社との提携について　（1999年1月11日）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1999年１月１１日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　株式会社神戸製鋼所

　　　　　フライホイール式小型蓄電装置の販売に関する
　　　　　　　　　Beacon社との提携について

　当社はこのほどBeacon Power Corporation（米）（以降Beacon社）より同
社の開発したフライホイール式小型蓄電装置に関し、日本国内での独占販売権を取
得し、実証試験機としての国内供給を開始しました。今後、当社の神戸総合技
術研究所に試験機を設置し、性能評価試験を行っていく予定です。また、国内
大手通信会社の研究所へ実験設備用として、今春、国内１号機を納入予定です。
　将来主要市場として大きな需要が期待できる国内通信、ケーブルTV、携帯電
話等の業界に対し展開を図っていく計画であり、更に、実証試験と並行して、
日本およびアジアへの商用機供給体制の構築を今後Beacon社と協力して検討し
てまいります。

　Beacon社製フライホイール式小型蓄電装置は、１kWの電力を２時間連続し
て供給できる能力を持つ画期的な蓄電装置です。所定の能力を達成するために、
複合材料製のフライホイールを真空容器の中で３万回転／分という高速で回転
させることで、常時エネルギーを蓄積しており、不測の停電時などにはフライ
ホイールの回転慣性エネルギーによって発電します。磁気軸受による非接触回
転が低エネルギー損失かつ長期メンテナンスフリーを実現しています。

　一般的に、電気を必要とする機械や設備が停電・瞬時電圧低下などの障害に
より正常運転が不可能になるのを事前に防止するための補助電源設備は「無停電
電源装置」と呼ばれており、従来、無停電電源装置内部に組み込まれている蓄電
装置としては主にバッテリーが使用されています。
　Beacon社製フライホイール式小型蓄電装置は、補助電源設備のバッテリーの
代わりに簡単につなぎ込める形になっております。バッテリーと比較すると、

① 一般的には鉛バッテリーの場合、２５℃程度に管理された室内に設置す
る必要があるが、フライホイールは外気温度の影響を受けにくい。
② バッテリーの点検・交換などのメンテナンスが不要。
③ 回転数の計測によって、遠隔地からでも常時モニターを通して、正確な
蓄電量が把握できる。
④ 電解液などの有害廃棄物が出ない環境に優しい製品である。

という優れた特徴があり、将来的には、バッテリーに比べ、総合的な経済性を
実現する可能性をもった設計思想になっています。

本装置は、現在既に米国において、Bell Atlantic社他の通信会社およびケーブル
TV会社でフィールドテストが始まっています。また、昨年１０月にサンフラン
シスコにて開催された（注記）INTELEC*98（国際電子通信エネルギー会議）に出展
された本装置は、多くのユーザーから高い評価と関心が寄せられており、米国
内での採用検討が一気に進むものと思われます。

当社は昨年よりPiller社（独）製フライホイール式大型無停電電源装置の販売
を開始していますが、本小型蓄電装置を新たにメニューに加えることで、更な
る事業の拡大発展を目指します。

（注記）INTELEC*98（国際電子通信エネルギー会議）
　　：IEEE（電気電子学会）主催にて毎年開催される通信用電力技術に関する
　　　今回で20回目の国際会議で、メーカーや大学から約1000名参加。

＜Beacon社　概要＞
・会　社　名　：Beacon Power Corporation
　　　　　　（ビーコン　パワー　コーポレーション）
・設　　立　　：1997年　5月
・所　在　地　：米国　マサチューセッツ州
・社　　長　　：William Stanton
（ウイリアム　スタントン）
・事業概要　　：フライホイール蓄電設備の製造販売

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フライホイール式小型蓄電装置の販売に関するBeacon社との提携について （1999年1月11日）

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