1999年9月29日

   サウジアラビアにおける化学プラントの受注について
  ~ 苛性ソーダおよび同国内初のエピクロロヒドリン製造プラントを受注 ~

 当社はこのたび、サウジアラビアのアラビアン・インダストリアル・ディベロップメン
ト社(通称:NAMA)から、苛性ソーダ製造プラントとエピクロロヒドリン(エポキシ
樹脂の原料、以下 ECH)の製造プラントの受注を内定しました。受注金額は約180
億円で、最終調印は10月中の予定です。
 本件は、同国内で初めてのECH製造プラント案件となります。
 概要は以下の通りです。

 1.契約相手:アラビアン・インダストリアル・ディベロップメント社(NAMA)
 2.建設場所:サウジアラビア ペルシャ湾岸のアルジュベール工業地域
            (ダーランより北西へ100km)
 3.内  容:旭化成工業のプロセスによる苛性ソーダプラント及びエポキシ樹脂の
          原料となるECHの製造プラントの納入設備の
          *設計/調達/建設/試運転を含むフルターンキー
         (生産能力:苛性ソーダ・・・・・・年産7万トン、ECH・・・・・・年産3万トン)
 4.受注金額:約180億円(約160百万ドル)
 5.納  期:26ヶ月
 6.アラビアン・インダストリアル・ディベロップメント社の概要
  1)設   立:1992年5月
  2)資 本 金:約80億円
  3)代 表 者:
Khalid Abdullah Al ZamilChairman
  
4)本社所在地:サウジアラビア アルコバール市
  5)事業内容 :石油化学工業分野の事業化
  6)本件操業 :NAMAの子会社であるジュベール・ケミカル・インダストリーズ社
          (通称:JANA)が操業会社として担当

 アラビアン・インダストリアル・ディベロップメント社では、一貫したエポキシ樹脂の
生産体制の確立を進めており、下工程のエポキシ樹脂プラントについては、今夏、既に稼
動開始しました。
 当社が今回受注内定したECHプラントでは、エポキシ樹脂の主原料であり、現在輸入
調達で賄っているECHを生産します。さらに、ECHの生産に必要な塩素や塩酸につい
ては、今回同時に受注内定した苛性ソーダプラントから生産される副生成物を原料として
使用します。これらの原料の内作化によって、さらにコスト競争力のある製品供給体制が
整います。
 なお、苛性ソーダプラントには、同分野で世界シェア約30%を占めるトップライセン
サーである旭化成工業のイオン交換膜法を採用しております。
 また、現地建設工事については、韓国大手建設メーカーの信和建設が請け負います。

 苛性ソーダは、合成繊維、香料、医薬品、石鹸、紙及びパルプなどの原料として、また、
エポキシ樹脂は、塗料、接着剤、電気絶縁材料などの原料として様々な用途があり、NA
MAで生産される苛性ソーダおよびエポキシ樹脂は、主に同国内向けに販売されます。

 当社の海外化学プラントのエンジニアリングビジネスは歴史も古く、1958年にバング
ラディッシュ向け肥料プラントを建設して以来、40年間以上に亙り、東南アジア・中近東
を中心に多くの実績があります。
 ここ数年、海外の化学プラント分野では、競争力のあるメニューに限定した受注活動を
展開してきましたが、今回は、旭化成の苛性ソーダプロセスの優位性と、当社の苛性ソー
ダプラント及びECHプラントでの豊富な実績及び信頼性のある技術力が高く評価された
ものと考えています。

 当社は、還元鉄プラント、セメントプラントと同様に、今後も海外化学プラント分野に
おいて、苛性ソーダなどの競争力のあるメニューで着実な受注活動を展開していきます。

 

<エポキシ樹脂 製造フロー>

 

                                         以上


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