橋脚耐震補強工事向け自動溶接機の開発・販売について
1996年1月24日
(株)神戸製鋼所
橋脚耐震補強工事向け自動溶接機の開発・販売について
当社はこのほど、耐震性向上の観点から阪神大震災後施工が急増している高速道路
や鉄道等の橋脚への鋼板巻付け工事用に、自動溶接機"PICOMAX-2ZH"、および溶接電源
“ES350ZH"を開発し販売を開始しました。
販売価格は 235万3千円(標準仕様/自動溶接機と溶接電源のセット価格)、販売
目標台数は年間 500台です。
現在、建設省や運輸省では、阪神大震災で高速道路の橋脚・新幹線・在来線・私鉄
の高架脚の耐震性が問題になったのを機に、橋脚の耐震性を高めるための補強工事を
進めています。
鋼板巻工事はこのような補強工事の一種で、道路や鉄道のコンクリ-ト製橋脚に厚
さ6~12mmの鋼板を巻き付け、橋脚と鋼板との間に樹脂又はモルタル等を充填する事
により耐震性を高めるものです。その工事量は今後増加することが見込まれ、道路橋
脚で約2万基(今後3年間)、鉄道高架橋柱で約5万基(今後5年間)と予想されて
います。
今回開発・発売した自動溶接機"PICOMAX-2ZH"、溶接電源“ES350ZH"は、これまで橋
梁・造船・タンク等の自動化溶接で多くの実績のある自動溶接機"PICOMAX" と溶接電
源“ES350"をすでに橋脚耐震補強鋼板工事に採用された御客様からの御要望に応え、
「現場溶接での使いやすさ」や「安全性」を考慮し橋脚耐震補強鋼板工事用に改良し
たものです。
具体的には、1)溶接電流・電圧が手元台車で調整可能、2)延長ケ-ブルにワンタッ
チコネクタ方式を採用し現場でのケ-ブル処理が楽に、3)レ-ルのマグネットを4個
→6個に増やし磁力がアップなどの特徴を持っています。また、当社のフラックス入
り溶接ワイヤ(DWZ100・DW100V)と組み合わせて使用する事により、安定した継手品質
が得られると同時に、作業効率向上、ビ-ド研削工数の低減が図れます。さらに、低
ヒュ-ムワイヤのため溶接後の塗装性に優れている等の特徴も持っています。
当社は、"PICOMAX-2ZH"+"ES350ZH"+"DWZ100、DW100V"(フラレックス入溶接ワイヤ)
の組み 合わせを鋼板巻溶接の推奨工法として、施工方法に関するオペレ-タ教育を
行なうなど今後、積極的に営業展開を図っていく考えです。
以上
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