2016年度入社式について

2016年4月1日

株式会社神戸製鋼所

当社は本日、2016年度入社式を下記の通り実施しましたので、お知らせ致します。

入社式

日時:
2016年4月1日(金)10:00~10:20
場所:
神戸本社
式次第:
開会の辞、社長祝辞、役員紹介、閉会の辞

新入社員入社実績

(単位:人)
  2014年度 2015年度 2016年度
総合職 事務系 37 47 47
技術系 69 95 121
小計 106 142 168
基幹職 202 246 226
合計 308 388 394

*2016年度総合職事務系47名の内、3名はラグビー部採用。

当社はグローバル展開を進めており、新卒採用においても2016年度は外国人3名(いずれも海外大学出身者)を採用致しました。
また、女性総合職の採用においては、社内のダイバーシティを推し進める活動の一環として、「新卒総合職の女性採用比率、事務系30%・技術系10%」という目標を掲げ、積極的な活動を進めた結果、事務系12名・技術系10名の女性を採用致しました。

2016年度入社式 社長祝辞(要約)

本日、当社に394名の方が入社されました。今の新鮮で意欲に満ち溢れた気持ちを忘れることなく、企業人として、また社会人として、大きく成長されることを期待しております。

今年は、東日本大震災の発生から5年を数えますが、兵庫県・神戸市が地元である当社グループにとって、1995年の阪神・淡路大震災も、忘れてはなりません。甚大な被害から、会社存亡の危機ともいえる事態に直面しましたが、当社グループは復興への道筋を歩み続けました。この新本社ビルは、震災により全壊した神戸本社を創業の地に新たに完成させた、復興の象徴の一つです。新本社ビル完成の意義は、神戸地区において分散していた事業部門やグループ会社が再び一つに結集することで、グループ総合力を発揮しやすい環境が整った、ということです。当社の足跡として是非覚えておいてください。

次に足元の当社グループの経営状況です。2015年度の業績は、中国経済の減速や世界的な原油安等、事業環境への向かい風もあり、連結経常損益は当初予算の950億円に対して250億円と減少し、当期純損益も中国の建設機械関連事業で特別損失を計上したことから、3年ぶりに赤字になる見通しです。厳しい競争環境下で生き残りをかけ、各種施策を進めてきたものの、目指す「安定的に稼ぐ力」は未だ不十分と言わざるを得ず、力不足であることを今一度真摯に受け止める必要があります。

こうした中、当社グループは、2016~2020年度の5年間を見据えた新中期経営計画を鋭意策定しており、4月中に公表する予定です。本日は、そのスタートの日です。事業環境の好転は安易に見通せず、楽観視はできませんが、素材系事業、機械系事業、電力供給事業を経営の3本柱とする事業体の完成を最重要課題とし、「安定的に稼ぐ力」を身に付けることで、強靭な収益体質を有した企業体を目指します。本日からの5年間で得る成果が当社グループの将来を決する、といっても過言ではありません。従業員全員が目標への道筋を共有し、解決すべき課題に真正面から向き合い、乗り越えていくための「行動」を起こしていって欲しいと考えます。

先に述べた「行動」という言葉は、毎年入社式でお伝えしている、私が最も大切にしている言葉です。「行って相手を動かせ、行けば相手は動いてくれる」と私は解釈しています。会社では個人が力を発揮するのは当然のことながら、組織やグループの総合力で成果を出す必要があります。仕事で行き詰った時など、決して一人で悩み込まず、解らないことがあればすぐに先輩に聞きにいくといった「行動」を実践して下さい。
 
この「行動」という言葉に関連して、「冷暖自知(れいだんじち)」という禅の教えを紹介します。目の前の水が、冷たいか温かいかは自ら手を差し入れてみて初めて分かる、といった内容です。一見簡単なことですが、手を差し入れなければ水が冷たいか温かいかは永遠に分からず、「どちらなんだろう」と悩みだけが深まります。この手を差し入れる、といった一歩踏み出す行為が何より大切です。

また、人は「自分にしかできない」と錯覚に陥りがちです。独力でやれることには限界があり、成功へと至ることは稀です。周囲を巻き込み、協力を得ることが重要であり、ラグビーと同じく、「One for all、All for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神が欠かせません。このことを肝に銘じて「行動」を起こして欲しいと考えます。

次に、明治~昭和期の俳人である、高浜虚子の「深は新なり」という言葉を贈ります。一つのことを深く掘り下げていくことで、次の新しい何かが見えてくる。新しいものをむやみに追い求めるよりも、あるべき姿を突き詰めていくことで新しい金脈が見つかる、といったことを意味します。

本日より新中期経営計画がスタートします。当社の将来を決しかねない、重要な5ヶ年の始まりです。「安定収益力の向上」のためには、経営の3本柱に資する成長分野や技術領域を突き詰めることが不可欠です。輸送機の軽量化や水素ステーションなどのエネルギー・インフラ分野に注力していくことが、新たな金脈、即ち収益源を掘り当てると確信しています。

新入社員の皆さんも、臆することなく積極的な姿勢で業務に臨んで下さい。「若気の至り」といったフレーズは、一般的にネガティブに解釈されることが多いですが、私は寧ろ、皆さんの「若気の至り」に期待しています。多少の失敗は許されますし、失敗としてではなく今後の教訓として、積み重ねて得たものを糧として、より高いハードルへと挑戦して下さい。

新入社員研修中は、与えられたテーマに沿って学ぶことも大切ですが、是非、同期と交流する時間を大事にしてください。同期入社の仲間は、今後、困難な状況に陥った時に会社の中で最も身近な立場で意見を求め、知恵を借りることが出来る貴重な存在です。同期の繋がりを横に広げ、深く掘り下げ、お互いが切磋琢磨しながら、明日の神戸製鋼を築き上げていって欲しいと思います。

当社グループは、多岐にわたる事業を営んでおり、ビジネスのフィールドは世界中に及んでいます。つまり、多種多様な職場や業務が、皆さんを待っています。若さと活力に満ち溢れる皆さんのこれからの活躍を、大いに期待しています。

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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