兵庫県内の海域工事に鉄鋼スラグ製品を初納入

~環境優位性の高い鉄鋼スラグ製品の利用拡大~

2016年7月28日

株式会社神戸製鋼所

当社はこのほど、須磨地区潜堤築造工事(神戸市)において、鉄鋼スラグ製品である鉄鋼スラグ水和固化体※1を海域工事で初めて納入しました。これまでの海域実証試験で海藻付着性が良好であったことを漁業者さまから評価頂いた結果であり、県内の海域工事で初めて鉄鋼スラグ製品が適用されました。

近年、全国の沿岸海域で海藻が減少する「磯焼け」と呼ばれる現象が発生して問題となっています。兵庫県が面している瀬戸内海においても、水棲生物の生育環境の変化や漁業生産量の減少が進行しており、昨年10月には瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)の一部が改正されるなど環境改善や水産資源の回復への取り組みが行われています。

鉄鋼スラグは主にセメント原料や道路用路盤材等に利用されていますが、これまでの実証試験により、海洋環境の修復に効果があることが確認されています。
当社はこれまで、兵庫県家島諸島(2009年7月)、神戸空港島沖(2010年5月)、及び沖縄県与那原町(2010年5月)にて鉄鋼スラグ製品を用いた海域実証試験を行ってきました。さらに、兵庫県が設置した研究会(ひょうごエコタウン推進会議 鉄鋼スラグ利用拡大研究会)の協力の下、2014年5月に鉄鋼スラグ製品の使用量を約1,000tに拡大した試験潜堤を淡路市岩屋田之代海岸沖に設置しました。設置3ヵ月後にはホンダワラ科の海藻が繁茂し、ホンベラやスズメダイ等の魚の回遊も観察される等、順調な経過となっています。
当社のこれまでの海域実証試験を漁業者さまから評価頂いた結果、この度2016年3月、鉄鋼スラグ水和固化体が、県内の海域工事に初めて採用されました。今回、採用された須磨地区潜堤築造工事では、約1000tの鉄鋼スラグ水和固化体を潜堤構築材として、須磨海岸沖に設置しています。
当社は、今後も海域環境改善に向けた取り組みを継続するとともに、海域工事に用いられる天然石代替として環境優位性の高い鉄鋼スラグ製品の利用拡大を進めて参ります。

※1 鉄鋼スラグ水和固化体とは、鉄鋼スラグ製品の一種であり、製鋼スラグと主な結合材である高炉スラグ微粉末を混練・固化させた後、所定の大きさに破砕したものです。天然石代替材として適用されており、グリーン購入法の特定調達品目にも指定されています。

淡路島岩屋田之代海岸沖の実証試験(2014年5月設置)

設置現場(淡路島岩屋田之代海岸沖)

設置現場(淡路島岩屋田之代海岸沖)

設置現場(淡路島岩屋田之代海岸沖)

設置3ヵ月後

設置3ヵ月後

設置1年後

設置1年後

須磨地区潜堤築造工事(2016年3月設置)

潜堤構築材(中詰材:鉄鋼スラグ水和固化体)

潜堤構築材(中詰材:鉄鋼スラグ水和固化体)

設置現場(須磨海岸沖)

設置現場(須磨海岸沖)

関連リンク

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

ページトップへ