橋梁用ロングライフ塗装用鋼板「エコビュー®」が NETISで活用効果評価済み技術「VR」の認定を取得

橋梁用厚鋼板としては初

2017年1月17日

株式会社神戸製鋼所

当社の橋梁用鋼板のひとつである、ロングライフ塗装用鋼板(商品名:エコビュー®)が、平成28年12月6日付けで橋梁用厚鋼板としては初めて国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)の「VR」技術認定を受けました。「エコビュー®」は、鋼橋の塗装の塗り替え周期延長を可能とするとともに耐久性向上にもつながる厚鋼板で、約40橋の実績があります。これは、「エコビュー®」が複数の国土交通省直轄工事で採用され、国土交通省が直接、「エコビュー®」の優れた耐食性能を評価、確認した技術であることが証明されたことを示すものです。さらに、NETIS登録期間も5年延長され、登録番号は「KK-120027-VR」に更新されました。

「エコビュー®」は「VR」技術となったことで、更新前の「A」技術(国土交通省未評価技術)と比較して、需要家が設計および施工段階においてより容易に採用できるようになることから、今後、更なる採用拡大に向けた利用技術提案活動を積極的に推進し拡販を図っていきます。

近年、公共工事において構造物の維持管理にライフサイクルコストを考慮し、適切な時期に維持補修を行って耐用年数を延ばすなど、計画的な維持管理の推進が課題となっており、鋼製橋梁の設計段階においてもライフサイクルコスト最小化のため、長寿命化やミニマムメンテナンスなどの概念が指向されています。そのような中、鋼製橋梁の架け替えの大きな原因の一つである鋼材の腐食が懸念事項となっています。

鋼製橋梁の腐食を抑制する方法として耐候性鋼材の使用がありますが、架設環境条件、周辺環境との調和を考慮して耐候性鋼材が適用できない場合は、塗装による防食が選定されます。現状では、塗装を施した橋梁が約7割を占めています。そこで、当社では、塗装橋梁のライフサイクルコスト低減に寄与する「エコビュー®」を業界に先駆けて2001年に商品化、2012年にNETIS登録し、ライフサイクルコスト最小化に向けた提案活動を実施してきました。

さらに当社は、海上橋の神戸新交通空港連絡橋(ゲルバー橋部)をはじめ、「エコビュー®」の採用地域での実橋暴露試験(10年間)を通して想定通りの性能が発揮できていることを確認してきました。今後も、鋼橋の長寿命化ニーズに向けた取り組みを実施し、これらの商品を通じて、国土強靭化に資する多様な技術ニーズに応えてまいります。

エコビュー<sup>&reg;</sup>」を適用した橋梁

エコビューを適用した橋梁

「エコビュー®」とは

塗装を施した橋梁については、一般的な溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106;SM材)が使用されていますが、錆に対する効果的な腐食抑制機能を有していないため、塗膜欠陥部を起点に錆が進行しやすく、定期的な塗り替えが必要となります。

「エコビュー®」は、これらの弱点部をカバーすべく、従来の溶接構造用圧延鋼材の該当JIS規格をすべて満足した上で、鋼材にTi、Ni、Cuを適量添加することにより、塗膜下腐食の進行抑制機能を付加した鋼材であり、塗膜劣化部からのさびの進行を抑制する鋼材です。「エコビュー®」を鋼橋に適用することにより従来鋼に比べて塗装塗り替え周期が1.5倍に長期化し、当社試算の一例では、橋梁の耐用年数を100年とした場合、約15%のライフサイクルコスト低減に寄与します。利用技術提案の一例として、橋梁構造の中でも腐食環境の厳しい部位に「エコビュー®」を部分適用することで、塗装欠陥部からの急激な腐食進行を抑制し、効率的な維持管理を図ることも考えています。「エコビュー®」は橋梁の架設環境、部位別腐食環境等を考慮して、適材適所で採用することで、鋼橋の長寿命化と耐久性向上に寄与する鋼材です。

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