藤沢事業所内に自動車用接合技術ショールームをオープン

自動車軽量化を促進させる多様な接合技術をご紹介

2018年7月9日

株式会社神戸製鋼所

当社の技術開発本部 自動車ソリューションセンターは、本日より神奈川県にある藤沢事業所内に、車体軽量化に寄与する接合技術の展示と実演、顧客との対話促進によるイノベーション活動の活性化を目的として「自動車用接合技術ショールーム」をオープンしました。

藤沢事業所は、溶接材料において国内でトップシェアを誇る溶接事業部門の研究開発拠点として57年の歴史を持ち、最も首都圏に近い事業所です。このたび、ここに「自動車用接合技術ショールーム」をオープンさせることで、気軽に自動車メーカー様あるいは部品メーカー様に足を運んで頂ける環境を整えたものです。

1.展示設備(※2018年7月現在)

  • 異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法(EASW)」用ロボットシステム
  • スキャナ付きレーザ溶接システム
  • 抵抗スポット溶接システム
  • 大型摩擦撹拌接合(FSW)システム
  • 各種接合技術の紹介パネルとサンプル
  • 欧州製マルチマテリアル車体の分解調査実物

2.背景

現在、世界の自動車メーカーでは車体軽量化の技術開発とその実用化のニーズが高まっています。その理由は、地球環境保護対策として燃費規制が各国で益々厳しく強化されているためです。一方で、自動車事故に対する安全強化、自動運転技術に必要なコンピュータや多数のセンサーの搭載、動力の電動化に必要な電池の搭載などにより、むしろ車重が重くなるという相反性の環境に置かれており、これらの課題を両立するための策として位置づけられていることによります。

軽量化の実現策は、素材の置換がメインとなります。従来の軟鋼主体から、ハイテン・超ハイテン鋼へ、さらにアルミ合金やCFRPといった非鉄素材も使う、いわゆるマルチマテリアル化が進行中です。当社は、こうした超ハイテン鋼やアルミニウム合金を一社で製造販売する世界的にも類をみない企業として、中期経営計画でも自動車軽量化に関する取り組みを、3本柱の事業成長戦略の中の一つとして位置付けています。

しかしながら、これらの新素材は溶接性が従来の軟鋼と比べて劣り、マルチマテリアル化に伴って異種金属接合の課題も増える事から、接合技術がこれまで以上に重要になっています。そこで、当社では昨年設立された自動車ソリューションセンターに専門部署であるマルチマテリアル接合研究室を設置し、同材・異材に関わらず新たな接合技術を研究開発しています。成果の一例として、本年4月には当社独自の超ハイテン鋼板対応の高強度異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法(EASW)」用ロボットシステムの試作機を共同開発パートナーのファナック(株)様と共同発表しました。

今後、本施設を活用する事で当社技術は勿論の事、接合技術全般を網羅して検討頂ける機会を増やし、共創によるイノベーション活動の活発化を目指します。

自動車用接合技術ショールーム(藤沢事業所内)概要

  • 住所:
    〒251-8551 神奈川県藤沢市宮前100-1

ショールーム

ショールーム

異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法(EASW)」用ロボットシステム

異種金属接合技術「エレメントアークスポット溶接法(EASW)」用ロボットシステム

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