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プレスリリース

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当社の新交通システムの運行開始について

2006年3月6日

株式会社神戸製鋼所

当社の無人運転システムが採用されている(ゴムタイヤ式の)新交通システムが、相次いで運行を開始します。2月2日に開通した神戸空港とポートアイランドを結ぶ『ポートライナー』の延伸路線に続いて、3月27日には、東京臨海副都心の有明駅と地下鉄有楽町線豊洲駅を結ぶ『ゆりかもめ』の延伸路線が開通します。また新設案件としては、東京都荒川区と足立区を結ぶ『(仮称)新交通日暮里・舎人線(とねりせん):日暮里駅〜見沼代親水公園駅(みぬまだいしんすいこうえん)』向けに、当社のシステムを納入する予定(2008年)です。

当社は、製鉄所などの制御システムや各種プラントで培ったエンジニアリングのノウハウを活用した新規分野に進出すべく、1972年に米国ボーイング社とPRT(Personal Rapid Transit=個別輸送機関)システムに関して業務提携しました。それ以来、日本における新交通システムのパイオニアとして、30年以上にわたり無人運転システム(信号保安、自動運転、運行管理等のシステム)のエンジニアリングを一貫して手掛けて参りました。国内においては1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会にて、日本で初めての新交通システム『KRT(Kobe Rapid Transit)システム』を納入し、1981年に開通した国内初の商業路線『ポートライナー(神戸新交通ポートアイランド線)』にも当社のシステムが採用されるなど、全国の主要都市で大きな実績をあげてきました。また、2003年に開業した、台湾/中正国際空港のターミナル間輸送シャトル向けで、海外案件にも進出を果たしています。

≪新交通システムの定義≫
広義の新交通システムは「既存の鉄道とバスの中間の輸送力を持つ、線路等の軌道を走行するタイプの公共交通機関(中量輸送機関)」であると言われています。
当社が扱う新交通システムは「AGT (Automated Guide-way Transit)」とも呼ばれます。AGTとは高架等の専用軌道を小型軽量のゴムタイヤ付き車両がガイドに沿って走行するシステムで、自動運転システムによる無人運転が可能であるのが特長です。
≪新交通システムの特長≫
(1)
安全性・確実性
専用高架軌道を走るので交通事故や交通渋滞の心配がありません。
(2)
快適性・利便性
振動、騒音が少なく快適で需要にあわせた運転が可能です 。
(3)
低公害性
電気を動力としているので排気ガスがなく、ゴムタイヤの使用により振動、騒音などの公害がほとんどありません。
(4)
自動化
  コンピュータの高度利用によって運転及び駅務の自動・無人化を進め、省力化と需要に応じた柔軟で正確な運行を行います。当社の強みは"無人運転"です。国内の無人運転路線の大部分が当社のシステムを採用しています。
≪当社新交通システム事業の歴史≫
1972年 米国ボーイング社とPRTシステムに関して業務提携
1975年 沖縄海洋博覧会にKRTシステムが採用され、運行。
1981年 1981年 神戸新交通(株)ポートアイランド線(ポートライナー)開業
  大阪市南港ポートタウン線(ニュートラム)開業
1989年 横浜新都市交通(株) 金沢シーサイドライン開業
1990年 神戸新交通(株)六甲アイランド線(六甲ライナー)開業
1994年 広島高速交通(株)広島新交通1号線(アストラムライン)開業
1995年 (株) ゆりかもめ東京臨海新交通線開業
2001年 (株) ゆりかもめ新橋本駅開業
2002年 (株) ゆりかもめ汐留駅開業
2003年 台湾中正国際空港PMS開業
2006年 神戸新交通(株) ポートライナー延伸線開業
  (株) ゆりかもめ豊洲延伸開業(予定)
2008年 (仮称)新交通日暮里・舎人線にシステム納入(予定)
国内では、長期にわたる景気低迷の影響で公共投資を控えてきましたが、潜在的には、全国の自治体が公共交通網の改善を望んでおり、今後は景気回復に伴い案件が顕在化してくるものと思われます。また海外では、アジアや中東などの経済発展の目覚しい地域で、都市部の自動車渋滞やそれに伴う大気汚染が深刻化しています。当社の無人運転システムは、CO2を排出しない環境に優しい交通機関であり、都市部の過密化解消に有効な手段です。また、通常の鉄道や地下鉄よりも比較的安価で、空中のスペースを有効活用できる輸送手段として今後も需要が拡大していくものと見ています。当社は30年以上にわたって培ってきた技術、ノウハウを更に向上させ、今後は、アジア・中東を中心とする海外での受注にも注力し、当社製のシステムを世界各地で導入して頂くことで幅広く社会に貢献していきたいと考えています。
− 以 上 −