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日産「スカイライン」向けアルミ電磁成形ステイの採用について

2007年1月17日

株式会社神戸製鋼所

当社が世界で初めて開発量産化した、アルミ電磁成形ステイを組み込んだ「アルミバンパーシステム」が、日産自動車の「スカイライン」(図1参照)に採用されました。アルミ電磁成形ステイは、従来の鉄製ステイに比べ約1.3kg/セット程度(鉄製2kg⇒アルミ製0.7kg)の軽量化を実現した製品です。今後は、日産自動車の他車種や他自動車メーカーへの適用拡大により07年度には15,000セット/月レベルまで拡販していきたい考えです。(現在の生産量は7,000セット/月)

バンパーシステムは、車体の正面衝突から乗員を守るために、車体の前後端部に装着されるエネルギー吸収補強材で、衝突物を直接受けるレインフォース(バンパービーム)とそれを両端で支持するステイで構成されています。当社では、自動車の軽量化や安全性向上のニーズに対応し、従来からアルミ化されていたレインフォースに加えて、鉄製ステイ部分もアルミ電磁成形ステイ(図2参照)で製造することに世界で初めて成功しました。電磁成形工法とは、大容量・高電圧のコンデンサで発生させた放電電流をコイルに流すことで瞬間的に生じる磁場を応用した、高エネルギー・高速度加工の方法で、三次元での成形加工が可能となります。この工法の適用により、アルミパイプとフランジを一体成形・カシメ加工して溶接工程を削減、低コスト化を実現しました。
アルミ電磁成形ステイを組み込んだ「アルミバンパーシステム」の実用化は今回が世界初であり、当社では他部品への適用拡大も含めて拡販に注力していく考えです。

また、スカイラインには、当社製の「フード用パネル材」及び「サスペンション用アルミ鍛造品」も採用されています。特にサスペンション向けアルミ鍛造品は、フロントロアアームに使用されており、日産自動車と共同開発した世界最高強度の超高強度アルミ鍛造材(強度が従来比+40%以上)を使用しています。今回開発した新合金の採用により鉄製に比べ約4kg/本の軽量化を実現、クルマの応答性と走行 安定性を高め、快適な乗り心地にも寄与しています。


図1 日産自動車の「スカイライン」
 

図2 スカイラインに採用されたバンパーシステム