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真岡製造所内における地下水調査結果及び今後の対応等に関する報告について

2007年5月10日

株式会社神戸製鋼所

当社はこのほど、真岡製造所(栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 高橋 徹所長)敷地内において六価クロムの地下水への流出状況について自主的な調査を行いました。
その結果、事業所内の一部の地下水に六価クロムの流出が認められましたが、敷地境界外への流出は認められませんでした。なお、調査結果及び今後の対応等について、本日までに、栃木県・真岡市等の関係当局にご報告致しました。

1.調査内容について(調査の詳細結果は別紙[2]をご参照下さい)

本年1月〜3月にかけて、事業所敷地内地下水の六価クロム値を測定調査するため観測井戸全16箇所(36本)で水質調査を実施しました。その結果、3箇所(4本)で環境基準を超える値(最大で環境基準の約1.7倍)が検出されました。
なお、本件に関しては、既に敷地内のバリア井戸(*1)による外部流出防止策を実施済みで、今回の調査でも地下水流の下流にあたる敷地境界の観測井戸における、六価クロムの環境基準超過は認められておりません。

(*1)バリア井戸:汚染された地下水の流出を防止する目的で、揚水処理を行うための井戸

<調査概要>
期間: 2007年1月〜3月
箇所: 16箇所(36本)
項目: 六価クロム
結果: 環境基準超過箇所=3箇所(4本)環境基準超過濃度=最大で0.086mg/L(地下水の環境基準の約1.7倍)【地下水の環境基準=0.05mg/L以下】


2.原因およびこれまでの対策について

今回の原因は、1970年代からアルミニウム板を塗装する際の下地処理として実施していた、六価クロム溶液を用いたリン酸クロメート処理設備からの漏洩と推定しています。当該ラインは、1976年にコンクリート腐食対策を施した構造に改造していることから、漏洩はそれ以前に発生したものと推定されます。
当社ではこれまで、当該ラインが設置されていた場所を中心に以下の対策を実施しており、敷地境界の観測井戸における六価クロムの数値は、環境基準以下にて安定しております。また、バリア井戸による地下水の揚水処理については現在も継続中です。

・観測井戸の設置  :16箇所(36本)
・バリア井戸の設置 : 4箇所( 7本)

なお、当該設備は既に撤去廃却されており、汚染源と推定している場所は、全域が建物のコンクリート製床面に覆われていることから、汚染拡大の心配はありません。


3.今後の対応について

バリア井戸による地下水の揚水処理を通じた外部流出防止策を継続することに加えて、将来に渡り汚染拡大の可能性を無くすという観点から、汚染源と推定される土壌上にある機械設備を移設した上で、汚染が確認された土壌を掘削除去し、無害化処理を行うことを決定しました。


(ご参考)これまでの経緯

1997年3月、「地下水の水質汚濁に係る環境基準制定」が定められたのを契機に地下水を調査したところ、工場境界に位置する井戸で環境基準を若干上回りました(環境基準の約1.2倍)。その後直ぐに環境基準以下となり、年間平均では地下水に関する環境基準を満たす状態で推移しました。
 
2001年5月に同じ井戸で再び環境基準を超える値(環境基準の約1.2倍、但し年間平均では環境基準内)を検出したことから、同年9月に観測体制を強化するため観測井戸9箇所(22本)を新設しました。また、2002年7月にはバリア井戸4箇所(7本)を設置して、地下水の揚水処理による所外流出防止対策を開始しました。なお、バリア井戸による地下水の揚水処理は現在も継続中です。
 
2007年1月、昨今の環境問題に対する社会的ニーズの高まり等を踏まえ、より徹底した安全対策を検討すべく観測井戸7箇所(14本)を追加した上で調査を実施し、このたび関係当局にご報告しました。