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プレスリリース

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クリーブランド・クリフス社とのアライアンス契約の締結について

〜共同で鉄鉱山立地ITmk3プロジェクトを推進〜

2007年6月20日

株式会社神戸製鋼所

当社は、米国の鉄鉱石鉱山会社 クリーブランド・クリフス社(CCI)との間で、当社が開発しました新製鉄法「ITmk3(アイティ・マークスリー)」のマーケティング活動を共同で行なう旨のアライアンス契約を6月19日(米国東部時間)に締結しました。

この契約は10年間にわたり、両社がITmk3プロセスの商業化を共同で行なうことを可能とするものです。当社はCCIにITmk3プロセスの使用に関するライセンスを非独占的に供与します。CCIは主に、米国、カナダ、ブラジル及びオーストラリアにおいてITmk3プロセスの導入プロジェクトを推進することが可能となります。当社はこれらのプロジェクトに技術的な支援を行ないます。

また、当社とCCIは戦略的パートナーとして合弁会社を設立し、CCIが米国に保有する鉱山の一つに年間生産能力50万トン規模のITmk3商業プラントを建設するプロジェクトを推進することで合意しました。両社は今後、事業化調査を実施すると共に、プラント建設予定地において、必要な環境許可の取得を行なう予定としております。プロジェクトの開始時期及び建設地については、環境許可取得の状況に応じて決定してまいります。


当社は、本アライアンスによって、ITmk3プロセスが世界の主要な鉄鉱石生産国に広がってゆくことを期待しております。ITmk3プロセスの導入により、生産能力の増強を計画している鉄鋼会社や、製品の多様化を狙う鉱山会社に対し、コスト競争力のある高品位鉄源の生産を可能にしてまいります。

尚、本アライアンス契約について、CCIのJoseph A. Carrabba会長/CEOは、「我々はITmk3技術について、Northshore工場に立地したデモンストレーション・プラントでプロセスの実証実験が成功して以来、関心を持ってきた。神戸製鋼とのアライアンス契約は、両社を革新的なITmk3プロセスの商業化の実現という共通の目標の実現に近づけるものである。」とコメントしています。

◆ITmk3プロセスについて
ITmk3プロセスは原料の品位に柔軟に対応できると共に、環境にやさしい革新的な粒鉄製造プロセスです。製品の粒鉄は、高炉銑鉄並みの純度(鉄分96〜97%、炭素 2.5〜3.0%)です。

○ 粉鉱石と粉砕された石炭を混合した上でペレット状にし、これを回転炉床炉に投入して1,300℃〜1,450℃に加熱すると、原料が還元されると共に溶解し、鉄分とスラグ分に分離する。
○ この過程には10分程度しかかからず、高炉法で8時間、直接還元製鉄法で6時間かかることと比べ、非常に短時間に反応が行なわれる。
○ 製品は粒状になった銑鉄(粒鉄という)である。粒鉄は製鋼工程の溶解炉に投入することが出来る。
○ ITmk3プロセスはエネルギー効率が良く、環境にやさしい。高炉法と比較して、ITmk3プロセスはCO2排出量が20%少ない。
○ 既存の製鉄法と比較して、設備投資額は約半分である。同じ生産量の設備を建設すると仮定とした場合、ITmk3プラントの設備投資額は高炉法(コークス炉や酸素装置といった付帯設備も含む)プラントの約半額である。

◆ITmk3プロセス模式図