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プレスリリース

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電磁波シールド対策に効果的な高機能鋼板の開発・商品化について

〜電磁波を吸収し、漏洩電磁波を低減する鋼板 『コーベデンジシールド®』〜

2008年4月2日

株式会社神戸製鋼所

当社はこのほど、家電製品における機器誤作動等の原因となる各種電子機器からの漏洩電磁波対策として、高導電性によるシールド効果に加え、電磁波そのものを吸収し、漏洩電磁波を低減させる高機能鋼板『コーベデンジシールド®』を開発・商品化しました。
『コーベデンジシールド®』を薄型テレビ、HDD、カーナビ、複写機等各種電子機器の筐体等に使用することにより、一般の電気めっき鋼板や塗装鋼板に比し、漏洩電磁波を電力値で1/4〜1/9程度に低減することが可能になります。

近年、電子機器(薄型テレビ、HDD、カーナビ、複写機等)の高機能・高性能化により機器から発生する妨害波(電磁波)が増加する傾向にあります。この妨害波は、テレビ・ラジオ等の受信機や、他の電子機器に障害を与えることがあるため、この妨害波を低減するシールド技術に対するニーズが高まってきています。また、これら電子機器は電磁波シールド対策に加え、機器内部の温度上昇を抑制するための熱対策も重要課題となっています。

弊社では電子機器における重要課題の一つである熱対策ニーズに応えるべく、2002年に放熱性に優れた薄鋼板『コーベホーネツ®』を商品化し、HDD筐体やカーナビ筐体等に供給してきました。この度、商品化しました『コーベデンジシールド®』は、電子機器におけるもう一つの重要課題である電磁波シールド対策ニーズに応える商品であり、電磁波シールド効果を徹底追求した『高導電タイプ』と、電磁波シールド効果と放熱効果を両立させた『放熱タイプ』の2種類のラインナップを揃えており、用途に応じて選定していただけるようにしております。『放熱タイプ』では密閉構造の筐体において内部温度を5〜8℃低減させることが可能です。

『コーベデンジシールド®』は従来より電磁波シールド対策の主流であった鋼板の導電性向上に加え、新たな観点として鋼板の表面処理により電磁波を吸収させる新技術の研究開発を進めてきました。
その結果、耐指紋性鋼板や『コーベホーネツ®』などで長年培った表面処理技術を活かし、特殊な添加剤を適正配合することにより電磁波を吸収・減衰させることに成功し、商品化するに至りました。

『コーベデンジシールド®』は一般的な電磁波対策部品での対応が難しいといわれている高周波数領域でも漏洩電磁波低減効果が確認できており、 (1)CPUの高速化、(2)複合機能化、(3)ガスケット・フェライトコア等の電磁波対策部品の省略、等の効果が見込まれ、装置設計の自由度が増すとともに、高速化・高機能化への対応が可能となります。
『コーベデンジシールド®』は特に電磁波シールド対策要望の強いAV機器、PC周辺機やOA機器用途での採用を想定しており、お客様でのテストを経て今夏より販売を開始致します。