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プレスリリース

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神戸製鋼のチタン合金 JAXAの宇宙輸送機に採用

2008年9月10日

株式会社神戸製鋼所

JAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)が国際宇宙ステーション(ISS : International Space Station)への物資輸送手段として開発中のHTV(H-II Transfer Vehicle)に当社のチタン合金製品が採用されることになりました。

HTVは、H-IIBロケットにて2009年夏に初回打ち上げが予定されている無人の軌道間輸送機で、ISSへの生活物資や実験器具の輸送を担います。全長10.0m、最大径4.4mの円筒形状をしており、最大6トンの物資を運ぶことが可能で、今後年間1〜2機の打ち上げが計画されています。同機は推進モジュール内にメインエンジンの燃料を収める球形推進薬タンクが4個装備されており、そのタンク用素材として軽量かつ高強度で耐食性に優れる当社のチタン合金が採用されました。

この推進薬タンクは直径約1mで、当社は熱間鍛造にて半球形を製造して株式会社IHIエアロスペース殿に納入し、同社で加工・溶接をして球形の推進薬タンクを製作します。難加工材であるチタン合金の製造には高度な鍛造技術、加工技術が必要とされますが、当社は航空宇宙用途のチタン合金鍛造製品の豊富な経験と鍛造解析技術により、宇宙での過酷な使用条件に耐えうる最高レベルの品質・信頼性をクリアすることができました。

神戸製鋼は1949年に国内で初めてチタンの研究開発に着手したパイオニアであり、わが国で唯一溶解から製品までを手掛ける総合一貫メーカーです。航空宇宙用途の鍛造製品では、 1959年に国内で初めてジェットエンジン用の素材の供給を開始して以来、多数の実績を誇り、国内外の機体メーカー・エンジンメーカーのサプライヤー認定を保有しています。また、航空宇宙産業の品質マネジメントシステムであるJIS Q 9100の認証を取得しており、万全の品質管理体制のもと、製造を行なっております。

神戸製鋼は今後も高品質のチタン製品を世界の空に、宇宙に提供して参ります。
ご参考
【株式会社 IHIエアロスペース】
所在地 : 東京都江東区豊洲3-1-1 豊洲IHIビル
資本金 : 50億円
従業員数: 約1000名
事業内容: 宇宙機器・防衛機器等の設計、製造及び販売など

【HTVプロジェクト概要・・・JAXAホームページより】
国際宇宙ステーション(ISS : International Space Station)には運用期間中、水・食料・衣類等の生活物資や新しい実験装置、実験用サンプルなどの研究資材、バッテリーなどの定期交換機器を継続的に運んでいく必要があります。これらのISS運用に必要な物資の輸送は、 ISSに参加する各国が分担して行うことになっています。
日本ではH-IIBロケットで打ち上げる宇宙ステーション補給機HTV(H-II Transfer Vehicle)を現在開発中です。技術検証された後に2009年に初号機の打ち上げを計画しています。 2010年に運用が終了する米スペースシャトルの後を担うISSへの主要輸送手段として期待されています。
主要諸元
全長 10.0m
最大直径 4.4m
打ち上げ時質量 約16.5トン
搭載補給品質量 約6トン
輸送目標軌道
(宇宙ステーション軌道)
高度350km〜460km