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プレスリリース

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アミューズメント用メダルに高機能抗菌めっき「ケニファイン」を採用

2008年9月16日

株式会社神戸製鋼所

遊技用品の専門商社で最大手の(株)光新星殿(大阪府大東市、以下:光新星) の製造・販売するアミューズメント用メダルに、当社の高機能抗菌めっき技術「ケニファイン」が採用されました。

採用されたのは、複数の人の手が触れるアミューズメント用メダル(パチスロ用、ゲームセンター用など)で、業界で初となります。光新星はアミューズメント用メダルのトップクラスのメーカーであり、年間約1億9000万枚(2007年実績)を製造・販売していますが、今回は初回ロットとして年間1000万枚に導入し、年内にも一部の遊技場で使用される予定です。さらに今後、月間500万枚を目標に使用枚数を増やしていく方針です。

昨今のアミューズメント業界は、若い世代や女性に主要ターゲットを移しており、“清潔感”が一つのキーワードとなっています。また、衛生や健康に対する社会的ニーズの高まりに伴い不特定多数の方が集まる施設の衛生管理が課題になっています。さらに、ゲームセンターでは幼児がメダルに触れた手を口にする事態も予想され、より抗菌の重要性が高まっています。そうした背景から、光新星は高機能抗菌めっきによる高付加価値化によって他社との差別化を図り、拡販を目指す方針です。

ケニファインは2001年に神戸製鋼が開発したニッケル系の特殊合金めっき技術で、抗菌性・防かび性・防藻性といった機能を高いレベルで付与できます。従来の抗菌技術に比べ、滅菌速度が10倍以上と高く、防かび作用にいたっては50倍以上であり、これまで食品・飲料産業や医療関係、家電・エアコン部品、漁業用金網などの産業用途や、台所用品、グルーミンググッズなどの一般消費財といった様々な分野で採用されています。神戸製鋼は今後もアミューズメント分野などの民生用途を含め、様々な分野の抗菌ニーズに対応して、ケニファインの普及を進めていきます。
ご参考
【株式会社 光新星】
所在地: 大阪府大東市諸福5-13-12
創業: 1951(昭和26)年6月
代表者: 代表取締役社長 當山 隆則
年商: 591億円(2007年度、単体)
従業員: 419名(2007年11月時点、単体)
事業内容: 遊技場関連部備品、各種省力機器、自動販売機、レジャー用品販売、店舗設計・施工ほか、遊技球・ダイヤボール(精密球)、普通ボール、 アミューズメントゲームマシーン用メダルの製造・販売
KENI FINE(ケニファイン)とは
神戸製鋼が独自開発したニッケル系合金めっき技術で、当社が得意とする各種合金開発技術の一つです。 当社はライセンスビジネス(めっき業者もしくは自社にめっきラインを有するメーカーに技術を供与)を実施しています。
従来の抗菌技術(抗菌塗装、抗菌ステンレスなど)に対して10倍以上の滅菌スピードとその後の菌の増殖を抑制する効果があります。 かびの生育を抑制する作用は、銀系抗菌剤の50倍以上です。ウイルスや防藻にも有効です。
開発が完了した2001年に最初の技術供与先が決まり、2002年より量産を開始しました。その後、めっき技術の改良(耐変色処理や粉末化技術の開発、樹脂への適用化など)を行ない、現在11社(本契約6社、トライアル契約5社)にライセンス供与しています。
1996年7月、大阪府堺市で発生した病原性大腸菌O157による大規模集団食中毒事件を機に、その対策技術として、当社技術開発本部の中の材料研究所と(当時の)生物研究所が共同で開発をスタートさせたのがきっかけです。
ケニファイン採用例
産業用途 食品・厨房関係 飲食品機械部品
搬送ライン部品
食品棚部品
計量機器部品
医療・福祉関係 ドアハンドル
菌培養器部品
家電関係 浴室暖房乾燥機部品
空気清浄機部品
エアコン部品
掃除機部品
淡水魚養魚場 孵化盆ネット用抗菌金網
機械設備全般 各種アクセサリ部品(ノブ、ネジ、ボルト、ハンドルなど)
民生用途 台所用品 流し台三角コーナー
ごみポケット
ぬめり防止プレート
一般消費財
(グルーミンググッズ)
爪切り
耳かき
毛抜き
一般消費財(その他) プルカッター
健康用具 エキスパンダー
注記:以上は、抗菌めっきとしての採用例。他に、抗菌めっき技術を応用して開発された抗菌粉末については、抗菌防かび防藻用スプレーコートなどに採用されている。