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インドEssar(エサール)社との包括提携契約について

2008年12月1日

株式会社神戸製鋼所

株式会社神戸製鋼所(以下神戸製鋼)とインドの鉄鋼メーカーEssar Steel Limited(以下Essar社)は、両社がWin-Winの協業関係を構築し相互に便益を享受することを目的とした包括提携を結ぶことに合意し、11月29日インドにおいて契約調印を行いました。今後両社は、本契約の精神に基づく具体的な協業項目を協議し、案件ごとの個別契約を締結した上で実行していくこととなります。

現時点で検討を予定している協業項目は以下のとおりです。

1. 神戸製鋼からEssar社に対する技術支援等の検討
(1) 薄板・厚板製品の品質管理、製造管理にかかわる技術指導
(2) 製鉄所の設備と操業にかかわる技術指導
(3) 効率的な環境管理・エネルギー管理にかかわる技術指導
2. Essar社から神戸製鋼に対する原料・鉄源(スラブ他)の補完の検討
3. インド市場における両社での共同事業の検討

神戸製鋼とEssar社は、Essar社のHazira(ハジラ)製鉄所で神戸製鋼のMidrex(ミドレックス)方式による直接還元鉄プラント5基(年産能力510万トン)が稼動中で、現在6基目(年産能力150万トン)を建設中という関係にあります。さらに、本年2月に、神戸製鋼がEssar社に対し、自動車用鋼板の製造・品質管理に関する技術指導、設備診断を実施したという実績があります。今回、これらの関係を更に発展させることが重要との共通認識のもと、包括的な提携契約を結ぶに至りました。

いうまでもなく、インド経済は中長期的に高い成長が期待されており、鋼材需要も確実に拡大、高機能化が進展していくものと考えられます。本契約の実行を通して、Essar社はより高品質な製品を効率的に生産・供給するための操業技術を習得し、インド市場でのプレゼンス向上を狙っていきます。一方、神戸製鋼は、原料・鉄源の調達ソース拡大を図ると同時に将来のインド市場における高級鋼分野での事業機会を探っていきます。

尚、両社間での資本提携(相互出資)の計画・予定はありません。
補足資料
1 Essar Steel Lmitedの概要
1. 本社所在地: ムンバイ
2. 設立: 1976年
3. 資本金: 1,184.08千万ルピー(約250億円)
4. 経営陣: 会長 Shashi Ruia 、副会長 Ravi Ruia、CEO Dilip Oommen
5. 製鉄所: Hazira製鉄所(インド西部クジャラート州、ムンバイの北約250km)
6. 粗鋼生産能力: 年産460万トン(2008年3月末)
7. 主要設備: ペレットプラント、HBI(Midrexプロセス)、電炉、スラブ連鋳、熱延ミル、冷延ミル、溶融亜鉛メッキライン×2基、厚板ミル('09年初稼動予定)
8. 主要製品: 熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板
9. 売上高(2008年3月期): 11,926.87千万ルピー(約2,500億円)
10. 税引前利益(2008年3月期): 831.38 千万ルピー(約180億円)
11. その他 ・Essar Steelは、Essar グループの中核となる鉄鋼会社で、インド国内では、SAIL(国営)、タタスチール、イスパット に次いで第4位の粗鋼生産量。(2007年実績) ・現在、ペレットプラント(800万トン/年)、高炉(2,200m3、170万トン/年)、NO.6 Midrexプラント(150万トン/年)、厚板ミル(150万トン/年)等を建設中。
2 Essar グループの概要
1. グループ統括会社(Essar Global Ltd)が、鉄鋼事業のほかに海運事業、石油事業、発電事業、建設事業、通信事業などの持株会社を保有
2. 鉄鋼事業は、持ち株会社Essar Steel Holdings,Ltd のもとにEssar Steel Ltd(インド)のほか、カナダ、アメリカ、インドネシアに傘下企業を保有(合計4社)し、グループの粗鋼生産能力は年産約900万トン(2008年3月末)
3. Essarグループは、近年M&Aや積極投資を通じて鉄鋼事業の規模拡大、および鉄鋼以外への事業領域拡大を進めており、インド鉄鋼業界のみならず、同国経済全体への影響力も高めつつある。