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プレスリリース

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半導体リードフレーム用銅合金のライセンス供与について

2009年4月16日

株式会社神戸製鋼所

当社はドイツ国大手伸銅メーカーであるウィーランド社に、半導体リードフレーム用銅合金「スーパーKFCシリーズ」3品種の製造販売に関するライセンスを供与することを決定し、このほど同社とライセンス供与契約を締結しました。

「スーパーKFCシリーズ」は、主にIC向け半導体リードフレーム用の新合金として、次世代の世界標準の地位を確立すべく、当社が2006年に開発したオンリーワン製品です。
現在、IC向け半導体リードフレーム用銅合金は、鉄やニッケル、シリコンなどを相当量添加することによって強度を確保した品種(C19400やC70250など)が広く使用されています。しかし、これらの元素が表面に析出し、表面品質に悪影響を与えるため、リードフレームを製造する際のエッチングやめっき工程での特別な前処理や洗浄が必要になります。
「スーパーKFCシリーズ」は、当社が1970年代に開発した高導電率合金「KFC」をベースに開発した新合金です。この「KFC」は、現在ディスクリート向け分野で業界トップクラスの地位を確立しており、アジア地域では約30%(当社推定)のトップシェアを獲得しています。
「スーパーKFCシリーズ」は、独自の成分設計により、添加元素の量を「KFC」のオーダーに抑えながら高強度化を達成しているため、リードフレーム製造時のエッチングやめっき工程における前処理や洗浄などが大変容易になります。この結果、大幅なコストダウンに加え、製品の信頼性向上を実現しています。また、低ピンICやディスクリート向けといった比較的加工のしやすい分野においては、安定したボンディング性を確保するために施される銀などのめっきそのものも省略できるため、更なるコストダウンが可能となります。

今回のライセンス供与契約は、調達リスク低減のため、調達先を複数社とするいわゆる「調達マルチソース化」のユーザーニーズに対応するものです。
ウィーランド社は、欧州を代表する伸銅メーカーの一社であり、当社とは北米で銅管事業の製造販売会社「KobeWieland Copper Products, LLC」を合弁で経営しています。今回のライセンス供与契約はこのような関係の中で実現したもので、今後は両社で「スーパーKFCシリーズ」の世界標準化を目指して参ります。
ウィーランド社の概要
1.社名: Wieland-Werke AG
2.本社所在地: ドイツ ウルム(Ulm)市
3.設立: 1820年
4.資本金: 62百万ユーロ
5.生産拠点: 約30ケ所(欧州、中国、シンガポール、南アフリカ、米国)
6.社員数: 約6,500名
7.販売量: 521千トン/年
8.主要製品: 銅圧延品、銅管、銅押出・引抜品
9.売上高: 2,925百万ユーロ(2008年9月期)
<ご参考>
半導体リードフレーム用銅合金について
半導体製造工程
半導体製造工程


半導体の種類
半導体の種類
神戸製鋼グループ 伸銅事業の概要
長府製造所(山口県下関市)で伸銅板条を製造。半導体リードフレーム用及び自動車向けを中心とした端子・コネクタ用に特化しており、両分野共に国内トップレベルのシェアを確保している(当社推定)。伸銅板条の生産能力は6,400トン/月(2008年度)で、生産量の80%以上を自社開発合金が占める。また、半導体関連の製造拠点は、神鋼リードミック(株)(福岡県北九州市門司区)、Singapore Kobe Pte., Ltd(シンガポール)、蘇州神鋼電子材料有限公司(中国 江蘇省蘇州工業園区)、Kobe Electronics Material (Thailand) Co., Ltd(タイ アユタヤ県)など、グローバルに展開している。