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石炭ガスを利用したミドレックス社の還元鉄プラント(インド向け)の受注について

2009年12月21日

株式会社神戸製鋼所

当社の100%出資子会社である『Midrex Technologies, Inc.(以下:ミドレックス社、本社:米国ノースカロライナ州シャーロット市)』はこのほど、インドの鉄鋼メーカー『Jindal Steel & Power Limited(以下:ジンダル社)』から、直接還元製鉄法としては世界最大級となる年産能力180万トンのMIDREX法による直接還元製鉄プラントを受注しました。ミドレックスプラントの受注は新設案件としては約2年半振りとなります。なお、ミドレックス社は、技術ライセンス供与(プラント設計、主要機器の供給)を請け負います。

ミドレックス社の直接還元製鉄法は、通常、天然ガスを還元剤として利用しますが、ジンダル社より受注したプラントは石炭ガス化設備(*1)で製造する合成ガス(syngas)(*2)を還元剤として利用します。石炭ガス化技術とミドレックス法を組み合わせた還元鉄プラントの建設は世界で初めてとなり、インドの高灰分の石炭を活用することが可能になります。また、生産した還元鉄は、ホットトランスポートコンベヤで、熱いまま隣地の電気炉に供給し、電気炉の生産性を約15〜20%向上させることが可能になります。

世界の還元鉄生産量は2008年に過去最大の68百万トンに達しています。2009年は若干停滞気味でしたが、今回の2年半振りの受注が示すように、還元鉄への需要は再び増加に転じることが期待されます。当社及びミドレックス社は今後も、ミドレックス法や第三世代の製鉄法『ITmk3(アイティ・マークスリー)』の採用拡大を図ることで、清浄鉄源の安定供給に貢献して参ります。
受注の概要
納入先: Jindal Steel & Power Limited(ジンダル・スチール&パワー社)
本社:

インド ニューデリー市

受注内容: 年産能力180万トンのMIDREX直接還元鉄プラントの技術供与(プラントの設計、主要設備の供給)
製品:

Hot/Cold DRI (還元鉄)

サイト: インド オリッサ州アングル地区(Angul, Orissa)
契約調印: 2009年12月12日
受注金額: 非公開
完成・稼動: 2011年末(予定)
プラント建設:       ジンダル社が実施
注釈
*1)石炭ガス化設備(技術)とは
固体である石炭を気体に転換する手法。
石炭を化学反応プロセスによりガス化する技術。石炭は大量に産するが石油天然ガス資源には乏しい国々(ドイツ、南アフリカなど)において、人造天然ガスを製造する目的で発達した技術である。
化学反応による石炭のガス化は、ガス化炉内におかれた石炭に水蒸気、空気、酸素、水素などを接触させて、水素と一酸化炭素の混合物、あるいはメタンを主体とする燃料用、または化学原料用ガスを製造するもので、いくつかの方式があり、石炭の種類などにより最適の方式が選定される。
*2)合成ガスとは
合成ガス(シンガス、syngas)とは一酸化炭素と水素の混合ガスのことである。合成ガスは石炭や天然ガス、重質油、石油排ガス、オイルシェールやバイオマスなどから作られる。