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プレスリリース

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圧縮機事業における「国内最大の大型試運転設備」の本格稼動について

~大型ターボ圧縮機市場に参入し、世界シェア向上へ~

2010年2月17日

株式会社神戸製鋼所

当社が2008年4月より進めてきた、機械関連事業の主力製品である非汎用圧縮機の「大型試運転設備(圧縮機が所定の性能を満たしていることを確認するための設備)」の設置工事が完了し、高砂製作所(兵庫県高砂市)内の回転機工場(回転機は大型の非汎用圧縮機の別称)にて稼動しました。投資額は約40億円で、プロセスガス圧縮機(*1)を中心とした大型機の試運転が可能な定格20,000kW仕様の可変速モ−タを使用した、国内では最大の試運転設備です。また、試運転能力は増設前(既存の試運転設備)と比べ出力・処理能力ともに倍増しています。

 
大型ターボ圧縮機 試運転据付風景   大型ターボ圧縮機 試運転風景
大型ターボ圧縮機 試運転据付風景   大型ターボ圧縮機 試運転風景

当社は1915年に国産初の往復動式(レシプロ)圧縮機を製造して以降、スクリュ式やターボ式など圧縮方式の多様化や、冷凍機やヒートポンプ向けなどの用途拡大、技術改良を進めてきました。その結果、現在では出力1.5kWの小型から数万kWの大型までの幅広いメニューを有する、世界でも数少ない存在となり、国内では総合圧縮機メーカーとして最大手の地位を確立しています。

特に、プロセスガス用途では「スクリュ圧縮機」「ターボ圧縮機」「レシプロ圧縮機」の主要3機種で、個々に業界トップレベルの評価を得ており、石油化学・石油精製プラント用のプロセスガス、石油・ガス掘削用の随伴ガス、天然ガスや発電用の燃料ガス、製鉄所の高炉副生ガスなど幅広い分野で使われています。また、プラントの省エネやCO2削減システムへの新用途対応として、個々の機種での世界トップ級の高性能化と大流量化・高圧化などを進めています。

今回の大型試運転設備の本格稼動により、米国、欧州、中国、中近東をはじめとしたグロ−バル市場への展開を進めつつ、今後多数のプロジェクトが見込まれている「増速機内蔵型(*2)大型ターボ圧縮機市場」に本格参入し、現状の世界シェア10%(当社推定)を2012年度を目処に20%程度までに高めていく予定です。また、「スクリュ式」「レシプロ式」についても大型機器を中心にシェアの拡大を図っていきます。

当社の圧縮機事業は2009年度に過去最高の740億円の売上を見込んでおり、来年度以降も堅調な伸びが期待できます。今後は、汎用圧縮機分野での省エネ化・地球温暖化分野の用途開拓、プロセスガスや大型分野でのメニュー強化や生産体制強化を進めることで、4〜5年以内には1,000億円規模へと事業拡大を図っていきます。
圧縮方式と主要プロセスガス用途
  シェア 圧縮方式 主要用途
スクリュ 世界40%
(1位)
2つのスクリュ型の回転体の溝を利用し圧縮を行う。 石油、ガス掘削用随伴ガス圧送、発電設備等(発電用燃料のガス圧送を行う)
ターボ 世界10%
(増速機内蔵型) 
羽根車による遠心力または翼の揚力を利用して圧縮を行う。 プラント等の空気源、空気分離用途等(酸素と窒素の分離、製造等を行う)
レシプロ 世界10% ピストンの往復運動によるシリンダーの容積変化を利用して圧縮を行う。 石油精製、LNG基地用途等(石油製品の製造や天然ガスの供給等を行う)

(*1) プロセスガス圧縮機とは:石油化学、石油精製等の各種プラントの製品製造過程の中で用いるガスの圧送、反応用に使用する圧縮機
(*2) 増速機内臓型圧縮機とは:圧縮機と増速機が一体構造となっているもので効率、省スペース性が高い。