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橋梁用ロングライフ塗装用鋼板「エコビュー®」の国土交通省/新技術情報提供システム(NETIS)登録のお知らせ

2012年11月29日

株式会社神戸製鋼所

当社の橋梁用鋼板の製品メニューのひとつである塗装の塗り替え周期の延長を可能とするロングライフ塗装用鋼板(商品名:エコビュー®)がこの度国土交通省の新技術情報提供システムに登録されました。登録番号は「KK-120027-A」です。
鋼橋のライフサイクルコスト低減に向けて「エコビュー®」が新技術としてNETIS登録されたことで、需要家が設計および施工段階において容易に採用できるようになったため、今後採用拡大に向けた利用技術提案活動を積極的に推進し拡販を図っていきます。

近年、公共工事において構造物の維持管理にライフサイクルコストを考慮し、適切な時期に構造物の維持補修を行って耐用年数を延ばすなど、計画的な維持管理の推進が課題となっています。そこでライフサイクルコスト最小化のため、鋼橋においても、設計段階において、長寿命化やミニマムメンテナンスなどの概念が指向されている中、鋼橋の架け替えの大きな原因の一つとして、鋼材の腐食が懸念されています。

鋼橋の腐食を抑制する方法として耐候性鋼材の使用がありますが、架設環境条件、周辺環境との調和を考慮して耐候性鋼材が適用できない場合は、塗装による防食が選定されます。現状では、鋼橋において塗装を施した橋梁が約7割を占めています。そこで、当社では、塗装橋梁のライフサイクルコスト低減に寄与する「エコビュー®」を開発、商品化し、さらに、専用のボルトと溶接材料とをセットで提供することで、これまでに10橋、約2,500トンの実績があります。
「エコビュー®」の更なる橋梁への積極活用を推進するために、NETISへの登録を目指し、これまで曝露試験、追跡調査を通した防食性能データ収集を実施し、これらの性能が国土交通省に評価され10月25日付でNETIS登録されたものです。

「エコビュー®」とは

塗装を施した橋梁については、一般的な溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106;SM材)が使用されていますが、錆に対する効果的な腐食抑制機能を有していないため、塗膜欠陥部を起点に錆が進行しやすく、定期的な塗り替えが必要となります。

「エコビュー®」は、これらの弱点部をカバーすべく、従来の溶接構造用圧延鋼材の該当JIS規格をすべて満足した上で、鋼材にTi,Ni,Cuを適量添加することにより、塗膜下腐食の進行抑制機能を付加した鋼材であり、塗膜劣化部からのさびの進行を抑制する鋼材です。「エコビュー®」を鋼橋に適用することにより従来鋼に比べて塗装塗り替え周期が1.5倍に長期化し、当社試算の一例では、橋梁の耐用年数を100年とした場合、約15%のライフサイクルコスト低減に寄与します。利用技術提案の一例として、橋梁構造の中でも腐食環境の厳しい部位に「エコビュー®」を部分適用することで、塗装欠陥部からの急激な腐食進行を抑制し、効率的な維持管理を図ることも考えています。「エコビュー®」は橋梁の架設環境、部位別腐食環境等を考慮して、適材適所で採用することで、鋼橋の長寿命化と耐久性向上に寄与する鋼材です。

ご参考:ライフサイクルコストのイメージ

ライフサイクルコストのイメージ