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北米における自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備営業運転開始について

2013年5月14日

株式会社神戸製鋼所

(株)神戸製鋼所(以下神戸製鋼)と米国United States Steel Corporation(以下USS社)との合弁事業である北米での自動車用冷延ハイテンの製造拠点「プロテックコーティング社(PRO-TEC Coating Company)」(オハイオ州リープシック市、以下プロテック社)は、年産50万ショートトンの能力を有する自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備(CAL:Continuous Annealing Line)の建設工事が完了し、この程営業運転を開始、現地時間5月13日にその竣工式を開催しました。

竣工式には、神戸製鋼から川崎博也社長が、またUSS社からJohn P. Surma会長が、プロテック社からByran P.Vaughn社長が、それぞれ出席しました。またデトロイト3や日系の自動車メーカー各社を始め、金融関係、州政府や地元関係者などの招待者も含めると合計で約300名が出席し営業運転開始を祝いました。

北米における自動車販売は、リーマンショック後に一時約1,000万台水準まで落ち込んだものの、2010年以降は順調に回復、2012年には約1,450万台まで回復してきています。更に足下は年率換算約1,500万台水準となるなど引き続き増加が見込まれます。
更に、北米市場では、CAFE*1による燃費規制が今後大幅に強化されることで自動車の軽量化ニーズは特に高まっており、衝突安全性向上の観点からも、自動車用ハイテンの需要は益々拡大していくことが期待されます。

このような中、神戸製鋼とUSS社のイコールパートナーシップの北米拠点として1993年に操業を開始したプロテック社は、現在自動車メーカー各社に自動車用溶融亜鉛めっきハイテンを供給し、車体下部を中心とした車体軽量化に貢献しており、年間100万ショートトンの自動車用高級鋼板を生産する世界最大級の供給拠点となっております。

今回新たに営業運転を開始した連続焼鈍設備はウォータークエンチ(WQ,水焼入れ)装置に加え、超高速ガスジェット(GJ)冷却装置も併設した最新鋭の連続焼鈍設備で、自動車分野で採用されている多様な冷延ハイテンが製造出来るだけでなく、加工性を飛躍的に向上させた次世代製品についても対応可能となっており、引張強度590Mpa以上のハイテンを中心に製造していきます。
今後は780MPaや980Mpa以上の超ハイテンの生産も視野にいれており、燃費向上やCO2 削減に繋がる自動車部品の高強度化・軽量化に貢献していきます。

連続焼鈍設備の概要

総投資額:
約4億米ドル
生産能力:
年間約50万ショートトン
主要製品:
自動車用冷延ハイテン(引張強度590MPa以上)
原板供給:
USSの各製鉄所より

(ご参考)

USS社の概要

会社名:
United States Steel Corporation
会長兼CEO:
ジョン P. サーマ(John P. Surma)
本社所在地:
米国ペンシルベニア州ピッツバーグ市
粗鋼生産能力:
約2,930万ショートトン(2012年12月時点)
設立:
1901年
従業員数:
約39,000人(2012年12月時点)
主要拠点:
ゲーリー製鉄所、グレートレイクス製鉄所、グラナイトシティ製鉄所、
モンバレー製鉄所、USS Kosice (Slovakia)、
US Steel Canada (旧ステルコ)

プロテック社の概要

会社名:
PRO-TEC Coating Company
社長:
ブライアン・P・ヴォーン (Bryan P. Vaughn)
所在地:
米国オハイオ州リープシック市
資本比率:
神戸製鋼50%、USS社50%
生産能力:
150万ショートトン/年
設立:
1990年3月
従業員数:
約310名(2012年12月時点)
主要製品:
溶融亜鉛めっき鋼板(純亜鉛)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
(自動車用外板、自動車用ハイテン等)、自動車用冷延ハイテン
生産開始:
1993年 5月(第1溶融亜鉛めっきライン)
1998年11月(第2溶融亜鉛めっきライン)
2013年 5月(連続焼鈍ライン)
主要顧客:
日系自動車メーカー・米国デトロイト3など北米に存在する完成車メーカー
*1:

CAFEとは、「Corporate Average Fuel Economy:企業平均燃費」の略で、米国内で実際に販売されたクルマ全体で平均燃費を算出し、それに規制を掛けるというもので、基準を達成できなければ罰金が科せられる。現在の乗用車の基準値は1ガロン当たり27.5マイル(1ℓあたり約11.7km)です。

 

営業運転を開始した連続焼鈍設備(CAL)外観

連続焼鈍設備(CAL)外観

竣工式の様子 ※左が当社/川崎社長、中央がUSS社/Surma会長。

竣工式の様子