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「第55回 田宮賞」の表彰について

2014年4月16日

株式会社神戸製鋼所

当社は、下記の案件を「第55回 田宮賞」の各賞受賞案件に選定し、昨日表彰式を執り行いました。
 「田宮賞」は、当社の第5代社長 田宮嘉右衛門(注1)の遺徳と事蹟を永く記念するため、当社およびグループ会員各社の中から会社の業績や社会的に大きく貢献したものについて、1960年以来表彰してきており、今年で55回目を迎えました。
今年は、当社およびグループ会員各社から7件(昨年は9件)の推薦があり、これらの候補案件について審査委員会での審査結果を3月3日開催の理事会(理事長 川崎博也社長)で審議の結果、それぞれ下記の賞に決定致しました。
当社は、田宮賞の表彰などを通じ、今後とも神鋼グループ一丸となって事業基盤の強化、社会への貢献を果たしていく所存です。

1. 金賞:
(株)神戸製鋼所 鉄鋼事業部門
「組立型クランク軸の鍛鋼化と競争力強化/オンリーワン製品への回帰」
組立型クランク軸において、疲労強度を大幅に向上する新鍛造技術(型入れ鍛造)の開発・実用化を基軸とした自動超音波探傷技術等の差別化技術の開発や熱処理工数削減等の大幅な製造コストダウンと、それらをベースにした高い品質信頼性や軽量化によるエコシップへの貢献等をPRするブランド化戦略を製販一体となって推進した。これによりオンリーワン製品への回帰と世界No.1の地位を確保した。
2. 銀賞:
(株)コベルコ科研
「酸化物半導体薄膜検査装置の開発とエレクトロニクス関連部門の連携による事業展開」
リーマンショック後、シリコン半導体検査装置事業が落ち込む一方、フラットパネル用の酸化物半導体が着目され始めた。LEO事業本部のライフタイム測定技術をベースに、従来比1万倍以上の感度の検出系や検査パラメータを神戸製鋼と共に開発し、大型パネル用酸化物半導体薄膜検査装置を実用化した。測定サービスや顧客対応でも他部門と連携することにより、シリコンサイクルに強い安定した経営基盤が築けた。
3-1. 銅賞:
シンフォニアテクノロジー(株)
「真空搬送システム事業の立上げ」
半導体製造装置向けに大気搬送システムを事業化してきたが、半導体業界の設備投資の頭打ち等により、売上や利益が減少傾向であった。そこで、新たな事業として真空搬送システムに取組み、真空環境下での振動抑制技術、2本のアーム構成による設置面積の低減等の特長を持つロボットを開発し、システムとして実用化した。2011年度より販売を開始し、大気搬送に加えて真空搬送システム事業を立ち上げた。
3-2. 銅賞:
コベルコクレーン(株)
「中小型クローラクレーンGシリーズ・Sシリーズの開発」
排ガス規制等の規制強化が進む規制地域と、東南アジア等の非規制地域の2極化が進む中、各地域に適合したGシリーズとSシリーズを開発した。機種間での機器コンポーネントのモジュール化による共通化を行い、また多機種同時開発のため、3D-CADによるフロントローディングや管理ツールを導入し効率化を進め、4年で29機種のモデルチェンジを完了させた。この結果、昨年からの世界的な受注増に速やかに対応でき、黒字化に多大な貢献をした。
3-3. 銅賞:
ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー(株)
「超電導事業の収益基盤の確立」
2002年設立時の業績は堅調であったが、その後著しく悪化した。2006年から事業再建に取組み、技術開発による品質トラブル撲滅、生産習熟によるコストダウン、製造工程の整流化による生産能力向上等の改革を実施。またリピート製品比率の向上に向け営業戦略を再構築し、四肢用MRIマグネットやITER用Nb3Sn線材等を新たに製品化し、2008年以降は安定した高収益を実現した。
4-1. 奨励賞:
(株)コベルコマテリアル銅管
「全員で「日本最強銅管メーカー」への挑戦!」
国内銅管市場の成熟や、海外エアコンの輸入増などにより、2009年まで3年連続赤字に転落した。この企業存続の危機に対し、全社意識改革の徹底、固定費・変動費の徹底削減、生産性向上、歩留りアップ、省エネ活動などにより体質強化を図るとともに、さらに営業・製造・技術が一体となったシェアアップ活動や、研究開発など、攻めの活動を行った。この結果、2013年度には事業損益が初めて10億円を超え、国内シェアも50%にまで大幅に伸長、「日本最強の銅管メーカー」の地位を確立した。
4-2. 奨励賞:
コベルコ建機(株)
「コベルコ建機におけるグローバルクオリティマネジメントの進化」
グローバル化の伸展・市場環境の急激な変化の中、他社との競合に勝ち抜くため生産拠点新設・増設など事業を急拡大させたが、品質面で追随出来ず綻び(工程保証、市場機対応等)が生じた。そのため、2006年に発足した新生品質保証部は「顧客重視・品質重視・スピード重視」の方針を掲げ、「感動を呼ぶ品質づくり」を目指した活動を展開した。ものづくりでは”MADE BY KOBELCO”の旗印の下、工程保証強化等、「グローバル品質」を追求し大幅に品質が向上した。サービス関連では、予防保全活動のビジネスモデル化など「対応の品質」を進化させた。これらの活動の結果、品質コストは、失敗コストから予防コスト及び評価コストにシフトすると共に、顧客満足度が向上しシェアを拡大、更に整備事業収益増等により増益に貢献した。

注1)田宮嘉右衛門(明治8年生~昭和34年没)について
神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社し、同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に(株)神戸製鋼所が発足した時、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた当社育ての親である。