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(株)コーアでの高機能抗菌めっき“ケニファイン”事業開始について

2015年10月8日

株式会社神戸製鋼所
株式会社コーア

(株)神戸製鋼所(以下、神戸製鋼)と(株)コーア(以下、コーア)は、青森県庁の支援を受けながら、高機能抗菌めっき技術「ケニファイン/KENIFINE®」のライセンス契約を9月28日に締結いたしました。青森県で初めてのケニファインライセンシーの誕生です。ケニファインは、従来にない新しい抗菌技術として神戸製鋼が独自に開発した技術です。抗菌加工製品の市場は今後、拡大が見込まれており、コーアは青森県下の企業と連携して、当技術を活用した製品の事業化に取り組んで参ります。

※「KENIFINE®」は、(株)神戸製鋼所の登録商標です。

(1)高機能抗菌めっき『KENIFINE®(ケニファイン)』について

  • ケニファインとは、神戸製鋼が独自開発した高機能ニッケル系合金めっき技術で、同社が得意とする各種合金開発技術の一つです。同社はケニファインをめっき業者もしくは自社にめっきラインを有するメーカーに技術移転(ライセンス)を進めています。
  • 従来の抗菌技術(抗菌塗装、抗菌ステンレスなど)に対して10倍以上の滅菌スピードとその後の菌の増殖を抑制する効果があります。かびの生育を抑制する作用は、銀系抗菌剤の50倍以上です。抗ウイルス(SARS系コロナウイルス、A型インフルエンザウイルスなど)や防藻、サケマス魚卵のミズカビ抑制などの効果も認められています。
  • 1996年7月、大阪府堺市で発生した病原性大腸菌O157による大規模集団食中毒事件を機に、その対策技術として、同社技術開発本部の中の材料研究所と(当時の)生物研究所と共同で開発をスタートさせたのがきっかけです。
  • 開発が完了した2001年に最初の技術供与先が決まり、2002年より量産を開始しました。その後、めっき技術の改良(耐変色処理や粉末化技術の開発、樹脂への適用化など)を行ない、コーアを加えて、現在12社にライセンス供与しています。
  • すでに、食品・飲食産業や医療関係、家電・エアコン部品、漁業用金網などの産業分野や、台所用品、グルーミンググッズなどの一般消費財、さらにはアミューズメント分野などの民生用途で採用されています。

(2)コーアでのケニファイン技術導入と青森県での展開について

  • コーアは、高精度の部品製造を行うメーカーであり、精密加工・めっき加工の技術を有すると共に、さまざまなチャンネルを有して地元企業と連携して活動しています。今般、大手企業の知的財産技術と青森県下の中小企業の技術を結びつける「知財ビジネスマッチング」を進めている青森県知的財産支援センターの紹介を受けて、ケニファイン技術の本格導入可否の検討を開始しました。その結果、同社の切削加工設備とめっき設備の活用によってケニファインめっき製品を量産製造できることなどを確認しました。
  • また、青森県では、津軽地区を中心に、ものづくり産業集積基地として産業用機械製造業をはじめ、住宅、医療、福祉、食品分野など多岐にわたる産業が営まれており、安心・安全のための抗菌技術が待望されています。特産品の長芋、ニンニクなどの根菜類やりんご栽培、魚養殖、また、高齢化社会が進む中で、一般の施設や病院、高齢化施設の設備、備品他にもこのケニファイン技術の活用余地があることがわかりました。
  • このため、コーアとしてもケニファイン技術の導入を決定、今般、契約に至ったものです。
    今後は、農業・漁業・医療など幅広い分野での拡販に努めて参ります。
  • 青森県庁では、大企業の知財先端技術の県内中小企業への初めての導入事例として本件を高く評価しています。さらに、これをきっかけに、大手企業の先端技術導入を同様に進め、県内の産業振興を促したい意向です。

今後、販売を検討している製品の一例

農業用:
剪定鋏、ビニールハウス用資材、水耕栽培用資材、等
漁業用:
浄化槽設備用資材、等
一般家庭用:
台所・洗面所・風呂場向け資材、等
業務用:
厨房設備用資材、等
医療・福祉用:
医療・獣医用機器、施設向け資材、等
事業内容:
野菜等の生産・生産指導、植物プラントの企画・設計・施工

(株)コーア 会社概要

代表取締役:
椎名 啓祐
創業:
1998年6月
資本金:
1,400万円
従業員数:
29名
本社:
青森県弘前市神田1-4-2
営業品目:
各種精密機械加工、表面処理加工
(高精度精密加工からめっきまでを一元加工できる工場体制をとり、量産品から多品種少量品まで対応可能)