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受賞履歴

*受賞履歴の内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

発明協会の全国発明表彰「発明賞」を受賞

2015年6月18日

株式会社神戸製鋼所

当社は、公益社団法人発明協会主催の平成27年度全国発明表彰において、「疲労特性に優れたばね用線材の発明」にて発明賞を受賞、昨日6月17日(水)にホテルオークラ東京にて表彰式が執り行われました。当社の受賞は平成16年度以来となります。

賞の概要

全国発明表彰は、大正8年に我が国科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まった伝統ある賞です。その中で、発明賞は「優秀」と認められる発明に贈られる賞です。

受賞概要

賞名:
発明賞
名称:
疲労特性に優れたばね用線材の発明
受賞者:
吉原 直(鉄鋼事業部門 線材条鋼商品技術部)

発明の内容

本発明は、高い信頼性と軽量性が要求される自動車用懸架ばねに必要不可欠な、ばね用鋼材の鋼材成分や製造方法に関する独創的な技術です。懸架ばねは、車体の支持や路面衝撃の役割があり、走行中の繰り返し荷重で早期折損しない高い大気疲労特性と、融雪剤などの塩害によりばね表面での鋼材腐食が生じても折損しない高い腐食疲労特性が要求されます。

新開発のばね用鋼材は、0.1%以下の微量添加で大幅に特性改善効果が期待出来るTi(チタン)を積極添加したTi添加型ばね用鋼材です。合金添加量を大幅に低減した省合金設計でありながら、大気環境及び腐食環境の両方で優れた疲労特性を発揮します。この特性の確保には、Ti系析出物の最適化とその制御が大きな役割を果たします。

本発明では、微細なTiCで腐食疲労破壊を生じやすくする水素をトラップし無害化するとともに、世界で初めて、TiN析出物の最適サイズ分布を実験的に検証、明確化し、そのサイズを最適制御する事に成功しました。

また、析出物サイズを制御出来る鋼材製造技術を確立し、安定的な工業生産を可能にしました。この新開発のばね用鋼材を用いた懸架ばねでは、大気疲労特性と腐食疲労特性を高い信頼性で確保し、ばね設計応力の高強度化やばね重量の軽量化を実現する事が可能となりました。

 

表彰式の様子

表彰式の様子