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受賞履歴

*受賞履歴の内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

秋の褒章 受章者について①

2015年11月11日

株式会社神戸製鋼所

受章者

氏名
小笠原 庄八
生年月日
1957年11月23日生まれ(57歳)
社歴
1976年4月 入社 高砂製作所鋳鍛鋼工場圧錬課(現在の鍛圧室)
1996年4月 鍛圧室 小型鍛錬班長
2000年9月 鍛圧室 小型鍛錬職長
2006年4月 鍛圧室 小型鍛鋼品係長
2010年4月 鍛圧室 小型鍛鋼品係長、精密鍛鋼品係長(兼務
2011年4月 鍛圧室 精密鍛鋼品係長
2012年4月 鍛圧室 小型鍛鋼品係長
2015年4月 鍛圧室 専門技能士

褒章・叙勲の種別

黄綬褒章

受章概要

1.組み立て型クランク軸用スローの歩留り、生産性向上に関する功績

組み立て型クランク軸に使用されるコの字型の断面を有する異形品であるスローの製造方法は幾つか考案されているが、当社が世界で唯一、採用している型入れ鍛造法において、当人の自由鍛造における豊富な経験と創造的な視点から、高歩留りと生産性を両立させる粗地素材形状の考案と実用化に取り組んだ結果、生産性と歩留りを向上させることに成功した。

2.船舶用軸材の鍛造パススケジュールの標準化に関する功績

自由鍛造プレスでは、オペレータが鍛造プレスと熱間物をハンドリングするための装置であるマニプレータの操作を一人で、両手両足を使用して多くの操作レバー、スイッチ類を素早く操作しなければならず、オペレータの習熟度合いによる作業時間の差を生じやすい。
当人は、適切な鍛造パススケジュールをガイダンス可能なシステムを試行錯誤の上、構築することに成功し、従来であれば、船舶用軸材の鍛造で高生産性を到達するために10年程度の経験年数を要していたものを、本システムを利用することで経験年数3年程度のオペレータが高い生産性を達成することが可能となった。また、本システムの導入によって、平均の鍛造時間や、鍛造時間のバラつき(標準偏差)を大幅に低減させることに成功した。

3.自油鍛造プレスのオペレータ育成に関する功績

オペレータの育成については、以下のような具体的な取り組みで成果をあげている。

  • A)

    作業毎の理解すべき要点を集約した、ポイント集を予め作成し実技指導前に教育資料として使用する。

  • B)

    各人毎に作業毎に細分化された技能評価を行い、年度の到達目標を共有する。

  • C)

    A,Bの取り組みを経て実技を行わせながら指導を実施する。

  • D)

    半年毎に技能評価を行い、各人毎の目標に対する到達度をフィードバックする。

このような活動は、若手のやる気を引き出すことに成功し、短期間で若手の技能習熟に対して効果をあげ、生産性向上に大きく寄与した。

本人の感想

1.受章の喜びの声

この度、「黄綬褒章」を賜り、身に余る光栄と感じております。今回の受章はこれまでご指導いただいた上司や諸先輩、職場の同僚、後輩など、共に汗を流した職場の方々を代表して頂いたものであると感じています。私は入社以来、一貫して鍛造品の自由鍛造工として、良い製品を如何に効率よく、確実に作り込むかということに腐心してきました。この受章を励みとし、さらなるものづくり力の向上を目指し、後輩への技術・技能の指導、育成に努めていく所存です。

2.今後の抱負

技術、技能を途切れることなく受け継いでいくには、後進となる若手作業者への技能伝承が必須です。これまでの取り組みにおいて、「良い製品をつくるためのポイント集」という標準類の整備や実地訓練を徹底して行ってきた結果、30代半ばで職場をまとめるリーダー層に関しては多く育成できたと思っています。今後はさらに、入社間もない20代の若手社員についても、仕事の面白みを感じられるような技能伝承を実施し、技能研鑽に努めてもらうことで、工場の技術・技能を次世代に受け継ぎ、当社が引き続き競争力を維持できるよう、力を尽くしていきたいと思っています。