京セラ株式会社(本社:京都市、社長:西口 泰夫(にしぐち やすお)、以下「京セラ」)と株式会社神戸製鋼所(本社:神戸市、社長:犬伏 泰夫(いぬぶし
やすお)、以下「神戸製鋼所」)は、2004年9月1日付で両社の医療材料事業を統合し、総合医療材料メーカーを目指す新会社を設立することで合意いたしました。
新会社名は「日本メディカルマテリアル株式会社(仮称)」、資本金は25億円、出資比率は京セラ77%、神戸製鋼所23%となります。
今後は、セラミックスとチタン合金という両社が得意とする材料及び加工技術と経営資源を融合することにより、これらを併せ持つ世界でも類を見ないメディカルマテリアルの専門会社として事業基盤を早期に確立し、日本国内はもとより、アジア全域、ひいてはグローバル展開へとワールドワイドに事業をおこなってまいります。とりわけ主力製品である人工関節分野において国内メーカー1位の京セラと2位の神戸製鋼所が事業統合することで、今後日本を代表する総合医療材料メーカーを目指してまいります。
現在、高齢者に多い変形性関節症や慢性関節リウマチ等の治療に用いられる人工関節分野における国内の市場規模は約735億円で、なかでも海外メーカーは欧米における豊富な臨床経験をもとに約40年前から日本市場に参入し、現在、同分野において過半のシェアを占めています。(2002年データ:矢野経済研究所)。一方、多くの国内医療機関からは、かねてより日本人の体形や生活様式にあった人工関節の開発要望があり、これまで京セラ、神戸製鋼所とも各々の材料特性や加工技術等を活かして供給してまいりました。
今後さらに本格化する高齢化社会を迎えるにあたって、益々拡大する市場のニーズを的確に捉え、より優れた製品を供給していくための事業基盤を早期に確立しなければなりません。
そのためには国内トップ2社の双方の強みである、京セラが有するセラミック材料と加工技術等、及び神戸製鋼所が有するチタン合金への知見とその加工技術等との融合と、開発・製造・営業部門の統合によるシナジー効果を発揮し、医療機関から期待される高品質なサービスの提供と事業の拡大、展開を図ることが重要と考えます。
そして3年後には人工関節の国内市場においてシェア20%を目指し、今後も世界中の人々の健康に貢献する製品およびサービスを提供し続け、人類社会の進歩発展に貢献してまいります。
■新会社の概要
会社名 |
: |
日本メディカルマテリアル株式会社(仮称) Japan Medical Materials
Corporation |
設立予定日 |
: |
2004年9月1日 *同日に事業開始いたします。 |
資本金 |
: |
25億円 |
出資比率 |
: |
京セラ 77%、神戸製鋼所 23% |
従業員数 |
: |
約400名 |
本社所在地 |
: |
大阪市を予定 |
事業内容 |
: |
人工関節、人工歯根をはじめとする医療材料・医療機器の開発、製造、販売。および総合医療材料メーカーとしてのその他の事業。 |
売上目標 |
: |
2007年度 約300億円を目指します。 (統合時 約150億円) |
備考 |
: |
なお、代表者・役員は現在のところ未定ですが、社長は京セラからを予定しています。 |
■ご参考
京セラ株式会社
設立 |
: |
1959年4月1日 |
本社所在地 |
: |
京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 |
代表取締役社長 |
: |
西口 泰夫 |
資本金 |
: |
1,157億3百万円 (2004年3月末現在) |
売上規模 |
: |
【連結】1兆1,408億円(2004年3月) |
主な事業内容 |
: |
ファインセラミック関連事業、電子デバイス関連事業、機器関連事業、他 |
会社概要 |
: |
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京セラグループは、現在全世界に170社余りを有しており、ファインセラミックスをはじめとした各種電子部品、携帯電話、太陽電池など、幅広い事業を展開しています。近年は「通信情報」「環境保全」「生活文化」の3つの産業分野を21世紀のターゲット市場と定め、これらの分野に経営資源を集中して参りました。生活文化産業は、人々の心や暮らしの豊かさが求められる時代の重要な分野と捉えており、なかでも医療材料事業は高齢化社会の到来で今後更に成長が期待できる分野です。京セラは、セラミックスが有する高い生体親和性を活かし、人工骨、人工関節、人工歯根など生体機能の回復に役立つ医療材料を開発し、30年にわたって提供しています。 |
株式会社神戸製鋼所
設立 |
: |
1905年9月1日 |
本社所在地 |
: |
兵庫県神戸市中央区脇浜2丁目10―26(神鋼ビル) |
代表取締役社長 |
: |
犬伏 泰夫 |
資本金 |
: |
2,181億円(2003年3月末現在) |
売上規模 |
: |
【連結】1兆2,047億円(2003年3月) |
主な事業内容 |
: |
鉄鋼・溶接、アルミ・銅、エンジニアリング、機械、不動産等の事業 |
会社概要 |
: |
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神戸製鋼および神戸製鋼グループ(子会社194社および関連会社70社)は「鉄鋼・溶接」「アルミ・銅」「都市環境・エジニアリング」「機械」「建設機械」「情報エレクトロニクス」「不動産」「各種サービス」等の広汎な分野で技術、ノウハウを駆使して多彩な事業活動を展開しています。 当社は、日本で一番早く金属チタンの研究開発を実施し、実用化に努力してきたチタンのパイオニアです。 当社が開発したK-MAX人工股関節シリーズは、永年にわたり蓄積されたチタンおよびチタン合金の材料技術、加工技術を活用し、生体工学に基づく設計・製造技術により完成しました。当社ではこの他、人工膝関節、およびヒップスクリュー等の関連製品を開発・製造しており、来るべき高齢化社会において予想される社会的ニーズに対応すべく活動を続けております。 |
以上