当社はこのほど、日本の鉄鋼メーカーでは初めて、電気亜鉛めっき鋼板(以下:EG鋼板)のクロメート処理を全廃することに決定致しました。従来型のクロメート処理を施したEG鋼板は本年度末(2005年3月末)迄に生産を中止し、クロメートフリー製品に統一致します。
クロメート処理は、鋼板の耐食性や塗膜の密着性を高めることを目的に、過去50年以上に渡って、EG鋼板を中心に幅広く適用されてきました。しかし、世界的に環境意識が高まる中、多くの産業分野において環境負荷物質使用量の低減活動(グリーン調達活動)が進められており、EG鋼板においてもクロメートフリー化が大きな課題となっていました。
当社では、このような地球環境対応が注目され始めた1998年に、業界で初めて従来のクロメート処理材と同等以上の性能を有するクロメートフリーの耐指紋性EG鋼板『グリーンコートGX処理』の製品化に成功しました。その後、積極的にクロメートフリー製品への置き換えを進め、現在では全EG鋼板生産量の約80%がクロメートフリー製品となっています。
当社は、この機会にEG鋼板のクロメート処理製品の生産を中止するとともに、EG鋼板製造ラインからクロメート処理設備を撤去し、生産工程でのクロメート処理液混入の可能性を排除する事で、環境負荷物質の低減を徹底いたします。
家電・OA機器の高機能化・多機能化に伴い、使用されるEG鋼板の特性もさらに高度化していくことが求められています。このような需要家の要望に対応すべく、得意とする「特殊化成処理(亜鉛めっき後の表面コーティング)」を鋼板の表面に施すことで、耐食性のみならず、耐指紋性、潤滑性、放熱性などを付与した高付加価値製品を世に送り出してきました。このたびのクロメートフリー化は、環境負荷物質の排除を行いながら、従来製品と同等以上の性能をもったEG鋼板を提供することで、環境に対する社会のニーズにも同時に応えていくものです。
以 上