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トピックス
2004年

*トピックスの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
特長ある製品比率向上に向けた神戸・加古川両製鉄所の生産体制強化について
〜 神戸/連続鋳造設備の新設と第3高炉の改修、加古川/第2高炉の改修 〜
2004年9月9日
株式会社神戸製鋼所


【概要】

 当社はこのほど、高級特殊鋼の生産比率向上によって神戸製鉄所の競争力を強化するため、ブルーム連続鋳造機(No.5連続鋳造機)の新設を決定しました。年産能力は約72万t(設備単体能力)、2006年9月に稼働の予定で、設備投資額は建屋改造などの周辺工事を含めて約85億円の計画です。
 加えて、No.5連続鋳造機完成後の2007年度の稼働に向けて、現在稼働中の第3高炉を改修する方向で詳細検討を始めました。
 また、加古川製鉄所では現在休止中の第2高炉を、2007年3月建設完了に向けて炉容積約5,400mに改修し、第1高炉とスイッチすることを決定しました。設備投資額は旧第2高炉の解体工事や付帯設備などの周辺工事を含めて約400億円の計画です。尚、稼働時期は、1988年1月から稼働している第1高炉の状況により判断していきます。

詳細】

<神戸製鉄所 生産体制について>

 神戸製鉄所を主力製造拠点とする線材・条鋼製品分野は、当社鉄鋼部門の中核分野の一つです。
中でも高級特殊鋼は、主に自動車用各種ボルト・ナット・シャフト類、エンジン用弁ばね・サスペンション用懸架ばねなどのほか、各種ギア類・ベアリング類といった重要保安部品用の素材として、一品一様の要求特性に対して厳格で均一な製品供給が求められることから、高度な製造技術力が必要とされます。
 自動車の国内完成車生産、及び組立部品として輸出されるノックダウンセット生産の順調な伸びに支えられ、高級特殊鋼への需要は現在堅調に推移しています。また、今後とも中国を中心としたアジア地域の自動車生産台数の拡大に伴い、アジア市場を網羅する高級特殊鋼供給拠点として、神戸製鉄所の存在は高まっていくものと考えています。
 そうした要求に対応するため、既に神戸製鉄所では1999年に下工程にあたる第7線材工場のリフレッシュ工事を完了しました。圧延時の寸法制御、温度管理による制御圧延、更には他社にはない長さ90mの冷却コンベアによる制御冷却により、需要家から高い評価を得ています。

 このたびの新連続鋳造機は、ロール間隔を狭め、均一で緩やかなミストスプレー冷却により、凝固過程における歪を最小化し高速鋳造下で世界トップレベルの表面・内部品質を持つ高級特殊鋼用中間製品を製造出来ます。尚、新連続鋳造機の稼働と同時に、同製鉄所で現在稼働している2つの連続鋳造機の内、No.4連続鋳造機は休止する予定です。

 また、稼働21年を経過した第3高炉を、新連続鋳造機稼働後の2007年度に巻き替えるべく、高炉改修検討チームを設置し、改修案の検討に着手しました。高炉改修後には、高炉から新連続鋳造機、第7線材工場と上工程から下工程までリフレッシュされた、『線材・条鋼の神戸』の名に相応しい「特殊鋼の高炉一貫製鉄所」としての新生神戸製鉄所が完成します。

<加古川製鉄所 生産体制について>

 加古川製鉄所は、薄板・厚板・線材製品分野で幅広く多くの特長ある製品・高級鋼を製造する主力製鉄所です。薄板製品分野では自動車軽量化・安全性の向上に寄与する高張力鋼板や、耐指紋性鋼板・放熱性鋼板といった表面に特殊な皮膜を施すことで新たな機能を付加した特殊化成処理鋼板がその代表です。厚板製品分野ではガスによる切断加工や溶接時など大量に熱を加えたことによる変形を最小限に留め、厳しい工作精度に対応出来る高張力ヒズミレス厚板、更に線材製品分野では最終的に直径0.2mm程度にまで引き伸ばされることから不純物を徹底的に排除した超清浄度鋼のスチールコード用線材などが挙げられます。

 この加古川製鉄所では現在稼働中の第1高炉が1988年1月の稼働から16.5年を経過していることから、現在休止中の第2高炉を改修してスイッチするための工事に着手しました。第1高炉の炉容積が4,550mに対して、新第2高炉は5,400m3程度に拡大する計画です。
 炉容積の拡大に合わせて炉体形状を最適化し高炉の安定操業を確保すると共に、当社の持つ世界一の高PC(微粉炭)比操業技術を更に発展させ、低廉原料の一層の使用拡大によるコストダウンを図ります。
 これまでに蓄積した操業ノウハウと、炉底への高熱伝導性カーボンレンガの採用、炉体冷却装置に銅ステーブを採用することなどにより、新高炉の炉寿命は25年を目指します。

【まとめ】

 当社は2003〜2005年度連結中期経営計画において、鋼材における特長ある製品・高級鋼比率を2002年度の30%から2005年度に40%へ向上させることを目標としています。このたびの神戸・加古川両製鉄所の生産体制強化策は、今中期経営計画以降の実施案件ではありますが、特長ある製品・高級鋼の供給体制の強化による事業収益力の向上に加え、約20年に一度の高炉更新の機会を捉えた中長期的なコスト競争力強化に資する戦略投資と考えています。今後も特長ある製品・高級鋼による事業収益力強化・フローの強化に結びつく戦略投資を着実に実行して行きます。

以上

<ご参考>

 

 


神戸製鉄所 第3高炉


 
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