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*トピックスの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。 |
磁気特性と切削加工性に優れた“環境対応・省エネ型”線材・棒鋼の商品化について |
〜今秋発売するHonda『Newレジェンド』『NewアキュラRL』の電磁クラッチに採用〜 |
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2004年10月7日
株式会社神戸製鋼所
当社が開発した、磁気特性と切削加工性に優れた“環境対応・省エネ型”線材・棒鋼『ELCH2S』が、今秋発売予定のHonda『Newレジェンド』、『NewアキュラRL(レジェンドの米国仕様車)』の電磁クラッチに採用されました。同電磁クラッチはHonda殿が開発した世界初の四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD(*1)」(電磁力によって高精度の駆動力無段階制御を可能にした画期的なシステム)の中核を担う部品です。磁気特性に優れた『ELCH2S』を電磁クラッチのソレノイド部品(*2)に使用することで電磁力の制御機能が高まるだけでなく、部品の小型軽量化およびバッテリーの消費電力の削減が可能となります。また、切削加工性に優れることから部品の生産性向上にも大きく寄与することになります。 自動車用ソレノイド部品など電磁力制御を行う部品には、システムの応答性向上と消費電力の低減を目的に磁気特性と冷間鍛造性に優れる純鉄系材料(炭素含有量が0.02%程度迄で、その他の不純物元素も少ない鉄:特殊鋼ではなく普通鋼に分類される)が使われてきました。しかしながら、純鉄系材料は切削加工時の切屑処理性が悪く自動運転等の作業効率化の支障となるうえ、複雑な形状への加工が難しいことから、殆どの場合、その対策として少量の鉛を添加していました。鉛は環境負荷物質として、その使用量を低減させていく傾向にあります。従い、鉛を使用せずに切削加工性を高めることが課題とされてきました。 当社は得意とする特殊鋼製造のノウハウを活かして、鉛以外の元素を最適な条件でベースとなる鋼に分散添加させることで切削加工性を維持しつつ、(磁気特性に)悪影響を及ぼす元素を制御することで、従来材対比で磁気特性をも向上させることに成功しました。環境負荷物質である鉛を使用せず切削加工性を改善し、自動車の燃費向上(小型軽量化、省電力)にも寄与していることから、まさに環境対応・省エネ型の新商品ということができます。 電装部品の制御システムは、年々複雑、高度化する傾向にあることから、部品機能を高める為には、材質特性のみならず、部品形状や適用環境にも配慮が必要となります。当社はこういったニーズに応え、独自の電磁界シミュレーション技術を適用した最適設計で需要家の使い勝手を重視したソリューション提案を、より一層強化して参ります。
以上
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