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トピックス
2004年

*トピックスの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
新型高速タイヤ試験機(高速タイヤユニフォミティマシン)の開発
〜自動車の更なるパフォーマンス向上をサポートする世界最速レベルのタイヤ試験機〜
2004年12月9日
株式会社神戸製鋼所


当社は、このほど、最大時速200km(2,300回転/分)で走行しているタイヤと同じ状態で、タイヤの不均一性(寸法や剛性の不均一、及び重量アンバランス)を正確に測定することができる世界最速レベルの新型高速タイヤ試験機「100D26−LH」(高速タイヤユニフォミティマシン)を開発しました。

近年、自動車は、高性能化、高機能化に加えて、快適な空間を目指し、安心感のある操縦性、走行安定性、及び静粛性が求められるようになっています。路面と接するタイヤは、ゴムや化学繊維、スチールコードなど各種材料を積層して作られているため、不均一性が存在すると、走行時に周期的な振動として車体に伝わり、操縦性や乗り心地に影響を及ぼすことが判っています。そのため、自動車メーカーやタイヤメーカーでは、こうした不均一性を無くす為の多種多様な研究開発を行っており、研究開発に必要な解析用データを、より正確に検出できる高性能な高速タイヤ試験機への要望が高まっていました。

タイヤ試験機は、固定側のタイヤスピンドル部に装着した試験タイヤに、ドラムを押し付けて目標測定速度まで回転させ、ドラム側に伝わるタイヤの径方向、幅方向、接線方向の3方向での反力の変動により、形状の不均一性を検出する装置です(添付図参照)。反力の変動は、回転速度が増すごとに大きくなることが知られていますが、これまではJISで規定された時速8km程度(60回転/分)という低速で測定されていたため、高速走行時に発生する不均一性は正確に予測することが困難でした。そのため、自動車メーカーでは、独自に更なる高速領域での試験を行っていましたが、当社従来機(最高時速120kmまで試験可能)では、測定装置の固有振動数とタイヤの回転による振動が一致して大きな揺れを生じさせてしまう共振現象(資料参照)により、高速領域の試験で要求される高次成分※の正しいデータ検出ができないという問題点が出てきました。

新製品の特長は、〔1〕横型にして装置の重心を低くし、〔2〕部材の強度を高めるなどの設計工夫により、装置とタイヤの共振現象を完全に排除した点にあります(新製品の固有振動数は、従来機の2倍にあたる350Hz以上を達成)。これにより、従来機以上の高速回転測定が可能で、その上、より正確で高次(注)までの不均一性を測定することができる高速タイヤ試験機が誕生しました。

※注)タイヤが一回転するごとに測定される振動で、周波数の高いもの(4次〜8次)。1次成分は、一般的な乗用車用タイヤ(直径60〜63cm程度)が時速60kmで回転する際に、毎秒9回(9Hz)発生します。次数が高くなるほど、自動車の騒音や乗り心地に影響を及ぼします。

尚、本製品は、実験研究用途のほか、タイヤメーカーでの生産ラインに組み込めるタイプ (100D26−PH)も同時に開発しており、品質管理などに活用いただけます。実験研究用、生産ライン用ともに、国内のみならず、北米・欧州・アジアでの販売活動を展開し、年間で4〜5台の販売を見込んでいます。
本製品により、高速時におけるタイヤの性能、振動解析が進み、タイヤはもとより、自動車の更なる性能向上の一助になれればと考えています。

新型高速タイヤ試験機 Model:100D26-LH

新型高速タイヤ試験機(高速タイヤユニフォミティマシン)説明資料
 
機械事業 タイヤ・ゴム機械
 
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