株式会社神戸製鋼所(以下「神戸製鋼」という)およびコベルコ開発株式会社(以下「コベルコ開発」という)は、本日開催の両社取締役会において、2005年10月1日付けをもって、神戸製鋼の不動産部門を会社分割し、神戸製鋼100%子会社であるコベルコ開発に承継させることを決定し、両社の間で会社分割契約書を締結いたしましたのでお知らせいたします。
なお、本会社分割契約書は本年6月下旬に開催される予定の両社の定時株主総会にお諮りする予定になっております。
また、本分割を機にコベルコ開発は社名を「コベルコ開発株式会社」から「神鋼不動産株式会社(仮称)(英文名称:SHINKO REAL ESTATE
CO., LTD.)」へ改め、神戸製鋼グループにおける不動産関連ビジネスの中核を担う企業として更なる発展を目指してまいります。
1.会社分割の目的
神戸製鋼は、2002年3月に神鋼興産株式会社(当時、以下「神鋼興産」という)を吸収合併し、それまで神戸製鋼と神鋼興産とで有していた不動産事業にかかる事業ノウハウや経験・技術の統合により、事業強化・経営の効率化を図ってまいりました。
以降、共同分譲事業やビルマネジメント事業での大規模物件への参画を果たすと共に、これまで進めていた神戸市東部のHAT神戸地区や明石市大久保町のオーズタウンにおける大規模社有地開発も概ね終了する等、順調に事業を展開してきました。
現在神戸製鋼の一部門である不動産カンパニーでは、総合生活関連事業として、不動産開発、建設、分譲、賃貸、仲介、リフォーム、ビルマネジメント、マンション管理、保険代理等を一貫して手がけています。
大規模社有地開発の一巡に伴い、今後は一定規模の不動産分譲を着実に行う一方、不動産賃貸・ビルマネジメントを中心とする安定収益分野を拡大することが課題となっています。このためには、お客様に対するサービス力の強化、および迅速かつ的確な意思決定を行うこと等を通じて、市場競争力を更に強化していく必要があります。また、グループメリットを最大限追求していくという連結経営の観点から、神戸製鋼グループ各社に対して寮・社宅を中心とする不動産関連サービスを提供する機能を更に拡充・強化していくことが必要と認識しています。
加えて、近年連結経営が重要視される時代の中で、当社も個々の会社ではなくグループとして最適な事業運営体制の確立を目指しています。
こうした状況変化のもと、素材・機械系事業とは異なる、不動産事業を分社・独立し、事業特性にあった独自の経営判断を行い、事業運営の機動性・柔軟性を最大限に発揮していくことが最適であると判断いたしました。
したがって、明石市大久保町のオーズタウンにおける大規模商業施設運営等の賃貸事業を中心に事業を行っているコベルコ開発を承継会社として、不動産事業の会社分割を行うことといたしました。
2.新会社について
(1)会社概要
●社名 |
神鋼不動産株式会社(仮称)
(英文名称:SHINKO REAL ESTATE CO., LTD.) |
●本社 |
神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号 |
●資本金 |
30億円(予定) |
●社長 |
藤川泰延(現神戸製鋼不動産カンパニープレジデント) |
●従業員数 |
約200名 |
(2)事業計画
●ビジョン: |
神戸製鋼グループの総合生活関連の中核企業(関係会社も含む)として、不動産開発、建設、分譲、賃貸、仲介、リフォーム、ビルマネジメント、マンション管理、保険代理等の事業を有機的に結びつけ経営。
信頼性が高く安定性のあるサービス・商品を提供することにより、お客様に「快適かつ安心できる生活または職場」を確保。
神戸製鋼および神戸製鋼グループ会社に不動産を中心とする各種サービス・商品を積極的に提供。 |
数値目標: |
2008年度目標 |
|
●売上高 |
連結430億円(単体350億円) |
●経常利益 |
連結30億円(単体20億円) |
|
3.会社分割の要旨
(1)分割の日程
2005年 4月28日 |
会社分割契約書承認取締役会(神戸製鋼、コベルコ開発) |
2005年 4月28日 |
会社分割契約書調印(神戸製鋼、コベルコ開発) |
2005年 6月22日(予定) |
会社分割契約書承認株主総会(コベルコ開発) |
2005年 6月24日(予定) |
会社分割契約書承認株主総会(神戸製鋼) |
2005年10月 1日(予定) |
分割期日 |
2005年10月 3日(予定) |
分割登記 |
(2)分割方式
神戸製鋼を分割会社とし、コベルコ開発を承継会社とする分社型吸収分割を行います。
(3)株式の割当
コベルコ開発が本分割に際して発行する株式は普通株式50,000株であり、全数神戸製鋼に割り当てます。
(4)分割交付金
分割交付金の支払いはありません。
(5)承継会社が承継する権利・義務
コベルコ開発は、神戸製鋼の不動産カンパニーが行う事業及びこれに付帯関連する業務に係る権利義務及び契約上の地位を承継します。
(6)債務の履行の見込み
神戸製鋼は、分割財産に見合う株式を取得するため、株主資本に変動はなく、当該営業の分割後も債務の履行に問題はありません。一方、コベルコ開発については、承継する資産の価額が承継する負債の価額を上回る予定であり、本分割以降も充分な株主資本を持つこととなることから、本分割以降に弁済期が到来する債務に関してその履行に問題はありません。
(7)承継会社に新たに就任する役員
取締役 |
藤川 泰延(代表取締役就任予定)、和田 國雄、村中 悟、北山 淳一、奥村 英樹 合計5名 |
監査役 |
高橋 秋彦、飛岡 博明、宮川 丈彦 合計3名 |
4.分割当事会社の概要
(1)商号 |
株式会社神戸製鋼所
(分割会社)
(2005年3月31日時点) |
コベルコ開発株式会社
(承継会社)
(2005年3月31日時点) |
(2)事業内容 |
鉄鋼・溶接、アルミ・銅、機械エンジニアリング、不動産等の事業 |
不動産の売買・賃貸・仲介・管理及び商業施設、スポーツ施設等の経営ならびに管理 |
(3)設立年月日 |
1911年6月28日 |
1991年12月6日 |
(4)本店所在地 |
兵庫県神戸市中央区 |
兵庫県神戸市中央区 |
(5)代表者 |
取締役社長 犬伏泰夫 |
取締役社長 上山高司 |
(6)資本金 |
218,163百万円 |
370百万円 |
(7)発行済株式総数 |
2,976,070,294株 |
7,400株 |
(8)株主資本 |
373,777百万円 |
5,700百万円 |
(9)総資産 |
1,359,795百万円 |
16,130百万円 |
(10)決算期 |
3月31日 |
3月31日 |
(11)従業員数 |
8,425名 |
5名 |
(12)主要取引先 |
鋼材、溶接棒、アルミ・銅圧延品、各種プラント、機械類等を広く国内外の需要家に販売 |
マイカル、ナフコ、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ |
(13)大株主および持株比率 |
1.日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口) 6.19%
2.日本生命保険(相) 4.68%
3.日本マスタートラスト信託銀行(株)
(信託口) 4.53%
4.(株)みずほコーポレート銀行 2.36%
5.新日本製鐵(株) 1.80%
6.住友金属工業(株) 1.80% |
(株)神戸製鋼所 100% |
(14)主要取引金融機関 |
(株)みずほコーポレート銀行
(株)UFJ銀行
(株)三井住友銀行 |
日本生命保険(相)
兵庫県信用農業共同組合連合会
第一生命保険(相) |
(15)当事者の関係 |
資本関係:
神戸製鋼はコベルコ開発の発行済株式総数の100%を保有
人的関係:
神戸製鋼はコベルコ開発に役員、監査役を派遣 |
(2)最近3決算期の業績
|
株式会社神戸製鋼所
(分割会社) |
コベルコ開発株式会社
(承継会社) |
決算期 |
2003年3月期 |
2004年3月期 |
2005年3月期 |
2003年3月期 |
2004年3月期 |
2005年3月期 |
売上高
(百万円) |
807,231 |
801,118 |
899,731 |
6,407 |
3,775 |
1,490 |
営業損益
(百万円) |
52,258 |
61,305 |
105,740 |
1,036 |
669 |
527 |
経常損益
(百万円) |
20,263 |
25,251 |
67,849 |
860 |
576 |
488 |
当期純損益
(百万円) |
△4,859 |
15,884 |
31,027 |
533 |
312 |
281 |
1株当たり当期純損益(円) |
△1.67 |
5.34 |
10.43 |
72,050.25 |
42,209.11 |
38,058.24 |
1株当たり
配当金(円) |
− |
1.5 |
3(予定) |
− |
5,000 |
5,000
(予定) |
1株当たり
株主資本
(円) |
105.35 |
115.22 |
125.68 |
695,092.44 |
737,301.55 |
770,359.83 |
5.分割する事業部門の概要
(1)不動産事業の概要
分割する神戸製鋼の不動産事業は不動産分譲、賃貸、仲介、リフォーム、ビルマネジメント等であります。
(2)不動産事業の業績
2005年3月期における経営成績
|
不動産事業
(a) |
神戸製鋼
(b) |
比率(a/b) |
売上高 |
18,499百万円 |
899,731百万円 |
2.0% |
(3)承継する資産、負債の項目及び金額(予定)
資産 |
負債 |
項目 |
帳簿価額 |
項目 |
帳簿価額 |
流動資産 |
20,000百万円 |
流動負債 |
3,000百万円 |
固定資産 |
68,000百万円 |
固定負債 |
45,700百万円 |
合計 |
88,000百万円 |
合計 |
48,700百万円 |
6.分割後の神戸製鋼の状況
(1)商号、事業内容、本店所在地、代表者、資本金および決算期
いずれも分割による変更はありません。
(2)業績に与える影響
本分割に伴い、120億円程度の分割関連損失が発生する見込みです。なおこの損失は本日発表の05年度業績見通しに織り込んでおります。