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水産養殖関連設備(ふ化場・養殖場)における新抗菌技術について
薬事法改正で使用禁止となるミズカビ防止剤(マラカイトグリーン)の代替として抗菌めっき技術『KENI FINE(ケニファイン)』の有効性を確認
2005年7月27日
株式会社神戸製鋼所
静岡県水産試験場富士養鱒場


静岡県水産試験場富士養鱒場では、ニジマスを始めとするサケ科魚類養殖において 受精卵の歩留まりを低下させるミズカビの発生を抑制する新技術を研究してきました。 その一環として(株)神戸製鋼所(以下、神戸製鋼)と共同で、 神戸製鋼が独自開発した抗菌めっき技術『KENI FINE(ケニファイン)』の有効性について 検証し、当技術がミズカビ寄生を抑制することを確認しました。

全国の種卵を管理する水産養殖関連施設では、受精卵に寄生してふ化率を 低下させるミズカビの発生に頭を悩ませています。 ミズカビの防除にはマラカイトグリーン(染色剤の一種)が有効とされ、 我が国でも1950年頃からその水溶液による薬浴が用いられてきました。 現在では、マラカイトグリーン浴が一般的な対策技術として定着しています。

ところが、1970年代半ばからマラカイトグリーンに対して発ガン性が指摘されるようになり、 1981年には米国で、2002年にはEU加盟国やノルウェーでも食品関連への使用が禁止されました。日本でも2003年7月の薬事法改正により、ふ化場や養殖現場での使用が原則出来なくなりましたが、陸上の種苗生産施設で管理・育成されている卵および1g未満の稚魚については、本年7月末までの“猶予期間”が設けられていました。

マラカイトグリーン使用に替わる対策としては、複数の方法が検討されており、 新たな医薬品が承認され、近日中に発売できる目途が立っています。 他方、消費者の関心の高まりに伴い、養殖魚においても医薬品に依存しない、 あるいは医薬品を使用する場合もその使用量を最小限にとどめるため、 様々な検討・努力もなされています。この点においても医薬品ではない技術により、 投薬量を減らすことができれば消費者が求める安全・安心に配慮した技術であると 評価されるのではないかと期待されます。

今回、静岡県水産試験場富士養鱒場において、ミズカビが抗菌めっき技術により 抑止されるとともに、受精卵への悪影響のないことが確認できました。 今後、この技術を養殖現場に取り入れていくためには、 事業規模での現場検証試験を経るなどいくつかの段階を踏む必要がありますが、 その動向には全国の養殖場から注目される可能性があるものと考えています。

尚、『KENI FINE(ケニファイン)』はニッケル系の合金めっき技術であり、 淡水への耐食性が高く、従来の抗菌技術(抗菌塗装、抗菌ステンレスなど)よりも、 抗菌や防かびや防藻、抗ウイルスにも有効であることが実証され、急性経口毒性試験など、 抗菌製品技術協議会が定める各種安全性試験にも合格しています。 また、神戸製鋼では、本技術についてライセンス事業を行っており、 開発が完了した2001年に最初の技術供与先が決まり、2002年より量産を開始しました。 その後、めっき技術の改良(耐変色処理や粉末化技術の開発、樹脂への適用化など)を行ない、 現在11社(内、本契約6社、トライアル契約5社)にライセンス供与しています。


 
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