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「ぼくも考えたこと」 |
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五年 近藤 遼平
「メントールのにおいをかいでごらん」と赤い服のお姉さんがぼくたちのところに持ってきてくれた。スッとするにおいがぼくの鼻の中に入ってきた。これが左ききのメントールのにおいだそうだ。右ききと左ききのメントールでは、においも味も作用もちがうと聞いてぼくはびっくりした。
ノーベル賞は人類のために最もよい、役にたつ研究をした人に与えられるのだそうだ。「ノーベル賞をとるためにはいったいどうしたらよいのでしょうか。」という質問があった。野依先生は、ノーベル賞をとろうと思って研究したわけでなく、興味をもったことを研究した結果、人に役だつ仕事をして、それが認められてノーベル賞をもらったのだとおっしゃった。ノーベル賞は二百グラムの金メダルと一億円の賞金がもらえるのだそうだ。ぼくがもし、一人でノーベル賞をもらったら、九千万円は貯金して一千万円分ですきなゲームを買って遊んでくらしてしまうと思う。野依先生はもらった分はすべて大学に寄付されたのだそうだ。半分、もったいないなあと思ったけれど、半分はえらいなあと思った。
科学はすごいと思う。今まで気にもしていなかったのだけど、ぼくらの生活は科学にかこまれている。ぼくはケータイのメールをうつのが楽しい。けれど、どうしてメールが送れるのかは知らない。でも使っている。ぼくはテレビゲームが好きだ。ゲームキューブで大乱闘スマッシュブラザーズDXを家で兄とやっている。けれど、どういうしくみでゲームのキャラが動くのかしらない。クーラーなしの生活や冷ぞう庫のない生活は考えられない。でもたった五十年前にはなかったのだそうだ。ぼくらは便利な世界に生まれ、生きている。食べ物の心配もせず、便利があたりまえなのだ。これは科学者が十の内九失敗しながら、この五十年の間にものすごい努力をして作り上げた科学技術で、そんなすごい科学技術にかこまれてぼくらはふつうに生活しているのだと野依先生がおっしゃったのに、ぼくは少し感動した。
ぼくは水泳が得意だけれど、もっとうまい人はいっぱいいる。ぼくも、オリンピックの金メダルの選手のようなナンバーワンにはたぶんなれないと思う。でもしょう来はきっとなにかぼくだけのものをみつけられるのではないかと思っている。ぼくも科学者になりたいと思っている。科学者になるには人より元気が必要だと野依先生はおっしゃっていたが、ぼくは元気だけはだれにも敗けないと思う。そして、しょう来きっとオンリーワンのものがみつけられると思う。いつかぼくも大人になった時、地球上に生きている人たちに役立つことができたらいいなと野依先生の話を聞いて思った。
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