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トピックス
2005年

*トピックスの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
世界初、リアルタイム・高精度で、聞きたい音だけを抽出出来る音源分離技術を確立
共同研究による『独自の音源分離アルゴリズム*注1)』の開発と高性能信号処理プロセッサを用いることで世界最小の装置を製作
2005年10月24日
株式会社神戸製鋼所


当社はこのたび、国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 音情報処理学講座 猿渡洋(さるわたり ひろし)助教授と共同で、複数の音声や各種環境音が混ざった日常生活において、目的とする音源信号のみを、世界で初めてリアルタイム・高精度に抽出出来る技術を確立しました。同時に、世界最小の手のひらサイズの装置とすることに成功しました。性能を発揮するために最低限必要なプロセッサや基板、電源などだけで製作すると、更に小型化が可能です。
クリアな音声入力を必要とするカーナビや屋外の喧騒下で使用する携帯電話、あるいは工場の機械装置などの異常音の聞き分け、更には近未来の人間型ロボット社会における音声認識用など、目的とする音だけを確実に抽出することが必要とされる多様な用途への活用が期待されます。

複数の音源が混ざった信号の中から、目的とする音源を抽出する技術は音源分離技術として、これまでにも多くの研究開発が行われてきました。マイクを複数個(最低2個有れば可。)用いて得られた音源信号を解析すると同時に、マイクごとの情報を絡まった紐を解くように独立な音源ごとに信号を分離します。予めスピーカーやヘッドホンなどの出力装置を接続しておくと、目的とする音源信号だけを聞くことが出来、分離の結果を確認出来ます。
こうした音源分離に関しては、入って来た音源信号の解析や独立な音源成分を抽出するためのアルゴリズムが、既にいくつか学会などで公表されています。しかし、いずれも膨大な演算処理が必要なことから、パソコンレベルのプロセッサを用いても、他の音が混ざり実環境で十分な分離性能までには至っていません。特に十分なリアルタイム性能が得られませんでした。

当社と奈良先端科学技術大学院大学では、音源信号の解析や独立な音源成分を抽出する『独自の音源分離アルゴリズム』を開発し、高性能信号処理プロセッサを用いて『演算処理の高速化』を実現したことで、実環境下での分離性能の格段の向上と分離処理のリアルタイム化を両立することに成功しました。
また、電池駆動可能な世界最小装置を製作し、手軽に目的とする音源をリアルタイムで抽出出来るようになりました。市販のマイクや汎用品の高性能信号処理プロセッサを用いることで比較的安価に製作が出来ます。音源分離に最低限必要な部品だけを用いて更なる小型化も可能です。

当社では,本技術を含めた音声信号処理技術をベースに音声・音響関連ソリューションの提供を進めて行きます。

*注1) 物事を行う時の「手順・やり方」。


技術説明資料 「リアルタイム&高性能 ポケットサイズ音源分離モジュールポケットサイズ音源分離モジュール」
 
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