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2001年5月29日
抗菌性に優れた特殊合金めっき処理技術「KENI FINE」の開発および販売について
〜ステンレス、チタン、アルミニウムなどの金属製品において
優れた抗菌・防かび・防藻性を発揮する新コーティング技術〜
神戸製鋼は、ステンレス、チタン、アルミニウムなどの各種金属製品に、優れた抗菌性・防かび性・防藻性を付与できる特殊合金めっき処理技術「KENI FINE(ケニファイン)」を開発し、このほど販売活動を開始しました。
当社では、すでに食品関連施設などでの実機モニタリングを通じて長期間にわたる抗菌機能の持続性を確認しており、その他にも人体への安全性の確認や、加工工程におけるプレス成形性・溶接性などについても良好な結果が得られたことから、当処理技術の本格実用化を決定したものです。
今後は、医療や食品、衛生関連などの分野を中心とした「KENI FINE」の市場開拓および販売を行うとともに、他の素材メーカーとのライセンス契約についても積極的に検討していきます。
近年の感染症や食中毒などの流行に伴い、抗菌機能を付与した各種材料のニーズが高まっており、これまでに様々な抗菌材料が製品化されてきました。しかしながら、抗菌作用を備えた銀や銅などを表面に塗布した従来の抗菌処理では、細菌を死に至らしめるまで24〜48時間程度必要であり、また、酸化チタン粉末を塗布して光触媒作用を利用した従来法は、光が当たらない場所で十分な効果が発揮出来ないなど、使用範囲も限定されておりました。
そこで当社は、独自で抗菌技術の開発に取り組んできた結果、抗菌機能を有するニッケルに複数の微量元素を添加することによって、ニッケル単体に比べて100倍以上の抗菌効果を発揮させるとともに、金属アレルギーなどの原因となるニッケル自身の溶出量を無害なレベルにまで抑制することに成功しました。
「KENI FINE」は、対象金属の表面に形成された抗菌層から抗菌作用を持つイオンが溶出して、大気中の細菌を死に至らしめるメカニズムです。また、優れた抗菌機能のほかにも様々な特性を有する画期的な高機能表面処理技術であります。
「KENI FINE」の特長は以下のとおりです。
@抗菌性
・従来の抗菌処理材よりも10倍以上のスピードで、ほぼ100%の細菌を死に至らしめる、
極めて速効性に優れた抗菌効果を有する。
(KENI FINE処理材:2〜4時間程度、従来抗菌処理材:24〜48時間程度)
・速効性だけでなく、長期間にわたる機能の持続性も兼備。
・(光触媒作用を必要としないため、)暗所でも100%の効果を発揮できる。
A防かび性、防藻性
・従来の抗菌処理材では困難であった、各種の"かび"の発生や、クロレラなどの単細胞藻類の
生育をほとんどゼロに抑制できる。
・藻の付着を抑制できるため、それを土壌とする大型の藻類や、それらを餌にする貝類の付着
も抑制にも有効。
B成形性、溶接性
・「KENI FINE」でプレコートした各種金属材料は、後工程でのプレス加工や溶接が
可能。
・加工部および溶接部近傍も変わらず高い抗菌性を発揮する。
C安全性
・急性毒性試験やヒト皮膚貼付試験などの結果から、安全性に問題がない。
D耐久性
・従来製品に比べて高硬度なので、表面に傷が付きにくい(従来の抗菌ステンレス材に比べて
4〜5倍程度の優れた耐久性を有する)ため、機能も長期間持続できる。
さらに当社は、「KENI FINE粉末」の作製にも成功しており、これを塗料に添加することによって、従来の抗菌塗料の10倍以上の抗菌性を有することも確認しております。
「KENI FINE」は、アルミニウム、チタン、鋼、ステンレス、銅、黄銅などの各種金属素材に幅広く対応できます。
なお、「KENI FINE」については、国内で現在特許申請中です。
今回開発した「KENI FINE」は、
○「抗菌性」が要求される医療・福祉関連施設や食品・衛生関連施設
(例:厨房製品・食品製造工程・病棟および病室内など)
○「防かび性」が要求される電化製品
(例:洗濯機の洗濯槽、乾燥機内のドラムなど)
○「防藻性」が要求される船舶および工業施設
(例:船底やスクリュー部品、発電所の配水管など)
その他、外装・内装建材および手摺・ドアノブ等、様々な分野への適用が見込まれます。
今後は、他の素材メーカーとのライセンス契約も視野に入れて、幅広いユーザーニーズへの対応を目指していきます。
以上 |