voestalpine Stahl社との自動車用鋼板に関する技術提携について


2001年11月14日
株式会社神戸製鋼所
フェストアルピーネグループ

voestalpine Stahl社との自動車用鋼板に関する技術提携について
〜中東欧最大の鉄鋼メーカーと提携〜

株式会社神戸製鋼所(以下神戸製鋼)とフェストアルピーネグループのvoestalpine Stahl GmbH社(以下voest社)の両社はこのほど、主に自動車用鋼板の技術に関して協力関係を構築することで合意しました。2002年1月下旬に基本契約を締結する予定です。本提携により、自動車業界向けの高張力(ハイテン)鋼板や表面処理鋼板に関して、技術やノウハウの相互移転、共同研究開発を実施します。

神戸製鋼、voest社は、各々が従来から自動車メーカーと密接な連携を図りながら、ユーザーニーズに的確に対応しています。このため、高い品質とサービスによって信頼すべきパートナーとして評価されてきました。中でも、今後需要増が見込まれているハイテン、表面処理鋼板、塗装鋼板の分野に注力してきましたが、本提携により、両社が技術の相互移転を行い、共同で研究開発を行っていくことになります。

今回の提携は両社にとって非常に意義深いものであり、両社の自動車分野向けの事業拡大につながります。同時に、このパートナーシップは自動車メーカーのグローバル化に対応するとともに、自動車メーカーのニーズに応えるものであります。

なお、本提携は技術提携であり、相互に出資する計画・予定はありません。

以  上

 

【補足資料】

1.提携に至った背景とその狙い
自動車メーカーでは近年の生産拠点のグローバル化に伴い、同一品質の材料を現地調達するというニーズが高まっています。つまり、鉄鋼メーカーにとって、高水準かつ同一品質の鋼板をグローバルに供給できる体制を確立することが急務となっています。
こうした中、欧州では日本の主な自動車メーカーが生産拠点の増強・新設を図っており、今後飛躍的に生産台数が増加する見込みとなっています。従って、神戸製鋼にとって欧州の有力鉄鋼メーカーとの提携は、自動車メーカーのニーズに応え、ひいては鉄鋼事業の競争力強化のために不可欠であると考えていました。一方、voest社でもこれまでの欧州自動車メーカー向け鋼板の供給実績をてこに欧州の日系自動車メーカーへのアプローチを模索していました。
今回の包括提携はこうした両社の戦略が一致したために実現したものです。
今後、自動車用鋼板における両社のプレゼンスをさらに高めることで、鉄鋼事業の発展につなげることを狙いとしています。

2.提携の概要
両社では、自動車用鋼板における連携強化を目指して、ハイテンや特殊表面処理等の技術の相互移転を推進します。対象範囲としては、ハイテンを含む鋼板の品質設計および工程設計技術、製造プロセス技術、加工および加工性評価技術を予定しています。さらに、新商品についての共同研究開発を実施します。
また、欧州に拠点を持つ日系自動車メーカー、中国を中心としたアジアに拠点を持つ欧州自動車メーカーへの材料供給を目標とした技術サービス補助等の相互支援や自動車メーカーでのプレゼンス向上につながる諸活動を実施します。

3.提携の運営体制
具体的な活動の遂行のために、経営者会議(Management Committee)、実務者会議(Project Committee)をそれぞれ設置します。第一回の経営者会議は、2002年1月下旬に東京で開催し、提携の進め方、内容等についての具体的な協議を行う予定です。

4.神戸製鋼の自動車用鋼板の取り組み
神戸製鋼では、地球環境問題を背景とした自動車の軽量化ニーズに対応するためにハイテンの技術開発に積極的に取り組んでいます。こうした活動が実を結び、国内自動車メーカー各社による品質コンペで高い評価を得、「ハイテンの神戸製鋼」 の地位を確実なものとしてきました。昨年12月にはUSスチールとの間で、これまでの協力関係を基礎として、自動車用鋼板技術に関する共同研究開発契約に調印しています。既に、60kgf/mm2のハイテン技術は技術移転を完了し、販売活動を行っています。さらに、材料開発のみならず、加工シミュレーション技術等も含めた共同研究を行っています。

5.voestalpine Stahl GmbH社について
オーストリア最大の鉄鋼メーカーで120年の歴史を持つvoestalpine AG社(フェストアルピーネグループ)の中核子会社として、欧州の各自動車メーカーで高い実績を誇っています。同社が開発したLD転炉(純酸素転炉)法は、それ以前の製鋼過程における熱効率等の技術的諸問題を解消し、生産性の向上に大きく寄与したことから、現在では世界の主流になっています。

フェストアルピーネグループの粗鋼生産量は年間530万トン(voest社年間400万トン、2000年度)で、鋼板類が売上比率の7割以上を占めています。

両社は1990年に神戸製鋼が自動車用表面処理鋼板の技術を供与して以来、voest社より神戸製鋼が製鋼分野の技術供与を受けるなど、技術者を中心に交流を深めてきました。voest社は神戸製鋼にとって、自動車メーカーにおける実績や高い技術力を背景に高付加価値製品の開発に注力している点等において、最良のパートナーと考えています。

6.結び
両社では今後、今回の提携関係の構築により、ハイテンを始めとした高度な自動車用鋼板の開発、グローバルな供給体制の確立、新商品の開発等を通じて、自動車メーカーに対する提案型営業活動を一層充実させる考えです。

voestalpine AG社(フェスト・アルピーネグループ)の概要
本社 オーストリア、リンツ市
設立 1993年
会長 Franz Struzl(フランツ シュトゥール)
組織 voestalpine Stahl GmbH社(薄板、厚板、鍛造品等)
voestalpine motion GmbH社(テーラードブランク、自動車ボディ部品等)
voestalpine Krems GmbH社(鋼管、形鋼等)
voestalpine Bahnsysteme GmbH社(鉄道用レール、条鋼等)
粗鋼生産 年間530万トン(2000年度)
従業員 15,658名(2001年3月末)
売上高 3,166.1百万ユーロ(約3,514億円/ユーロ=111円、2000年度)
売上構成 鋼板部門76%、条鋼・鋼管部門24%(2000年度)
経常利益 247.1百万ユーロ (約274億円、2000年度)
当期利益 179.1百万ユーロ (約199億円、2000年度)
資本金 239.8百万ユーロ (約266億円、2000年度)

 

voestalpine Stahl GmbH社の概要
本社 オーストリア、リンツ市
会長 Wolfgang Eder (ウォルフガング エーダー)
事業内容 熱延・冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ・電気メッキ鋼板、厚板等
粗鋼生産 年間400万トン(2000年度)
従業員 約7,000名(2001年3月末)
売上高 2,100百万ユーロ(約2,331億円、2000年度)

以  上


   ホームへ

      一つ上のページへ