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2001年11月19日 大日本スクリーン製造株式会社 株式会社神戸製鋼所
神鋼と大日本スクリーン、超臨界流体技術を用いた
次世代半導体製造装置を共同開発 大日本スクリーン製造株式会社(本社:京都市上京区、社長:石田 明、以下:大日本スクリーン)と株式会社神戸製鋼所(本社:東京都品川区、社長:水越 浩士、以下:神鋼)はこのほど、超臨界流体技術を応用した次世代半導体デバイス製造装置ならびに製造プロセスを共同開発することで合意しました。 大日本スクリーンは洗浄・フォトリソ用半導体製造装置の世界大手メーカーであり、半導体製造に関する装置およびプロセスについて高い技術開発力を有しています。一方、神鋼は超臨界流体プロセス技術、高圧下(2000気圧以下)におけるパーティクル・コンタミネーションフリーな装置技術を持つ高圧装置の世界最大手メーカーです。両社はこうした知見やノウハウを組み合わせ、通常の気体、液体とは異なるユニークな特徴を持つ超臨界流体(注1)の半導体製造分野への応用、実用化を共同で行う運びとなりました。
メモリーやMPU(マイクロプロセッサユニット)に代表される半導体デバイスでは、技術の絶え間ない進歩によって製品の集積度が年々向上しています。これに伴い、加工線幅も微細化しており、現在の主流である0.18ミクロンから2004年頃には、0.10ミクロン以下の量産が開始されると予想されます。一般に半導体デバイスの製造では、シリコンウェハ上に感光液(レジスト)を塗布し、光の照射によって配線パターンを転写します。その後、現像液につけてこれを現像し、純水で洗い流した後に乾燥させます。この際、加工線幅が0.10ミクロン以下のようにきわめて微細な場合、気体と液体の界面張力(互いに接触している二相の境界面で働く表面張力)に起因する毛管力(注2)によってレジストが倒れるという現象が起こり(この現象を「レジスト倒壊」という。)、ウェハ上に正常な配線が形成できなくなります。このとき、超臨界流体技術を応用することで毛管力の影響を受けずに乾燥ができることが理論的に認められています。 |

倒壊が見られるレジスト*

超臨界流体を用いて処理されたレジスト*
(*写真はASET様よりのご提供) |
両社はこの点に着目し、配線パターンの形成時における「レジスト倒壊」の抑制という新たなプロセスの確立を狙うとともに、半導体製造プロセス全般にわたっての超臨界流体技術の応用を検討していきます。特に、加工線幅の微細化に伴い、液体を用いた従来技術による処理が困難になることが予想されるウェハ洗浄の分野において、超臨界流体を利用して洗浄力の向上を図る方針です。さらに、地球環境に優しい技術の確立が叫ばれる中、液体に比べて回収が容易な超臨界流体は、半導体工場における廃棄物の低減にも大きな役割を果たすと期待されています。なお、流体として不活性かつ無害で、臨界点が他の物質に比べて低いため扱いやすい炭酸ガス(CO2)を使用します 現在、両社ではすでに評価装置の製造に入っており、2002年4月に設置を完了します。この評価装置を用いて共同で半導体プロセス全般のサンプル評価やデモンストレーションを開始する予定です。また、共同開発で得られた技術をもとに超臨界流体技術を応用展開出来る半導体製造分野でのマーケティングや事業化にも協力して取り組んでいきます。 以
上 【ご参考】
(注1)超臨界流体 超臨界流体とは、気体と液体が共存できる限界の温度、圧力(臨界点)を超えた状態にある流体(液体と気体との総称)のことで、以下の特徴を持つ。 1. 液体に比べ、非常に高い浸潤性を有し、どのような微細な構造にも浸透する。 2. 気体と液体の界面が存在しないので、乾燥時に毛管力が働かない。 3. 微細構造から特定物質の抽出・除去ができる。 *炭酸ガスの臨界点は31.1℃、7.38Mpa(73気圧) (注2)毛管力 水面に細い管を差し込むと、ガラス管のように管内面が水に濡れやすい場合には、管内の水面が重力に打ち勝って上昇する。これを毛管現象、また、管内の水を上下に動かす力を毛管力と呼ぶ。
2枚のガラス板の間に水をたらしてから張り合わせると、ガラス板の間に水が広がる。このようなガラス板を引き剥がそうとすると大きな力を必要とする。これも毛管力が働いているためである。微細加工された配線パターンの乾燥過程において、ちょうどガラス板の間に水をたらして張り合わせたような状況が作られるため、毛管力による「レジスト倒壊」が起こる。 |