放熱性薄鋼板『コーベホーネツ』の開発・商品化について


2002年1月15日

放熱性薄鋼板『コーベホーネツ』の開発・商品化について
〜世界初〜あらゆる電子機器、家電製品の高性能化を可能に〜

当社はこのほど、放熱性に優れた、高機能表面処理鋼板『コーベホーネツ』の開発に成功し、販売を開始致しました。『コーベホーネツ』は、従来の電気亜鉛めっき鋼板の7倍以上で、地球上で最も放射率が高いとされる"炭"と同等の放熱性(放射率によって比較)を有しています。その為、DVD、液晶、PDPなどの各種電子機器、家電製品の密閉された箱内で発生する熱を放出することで、箱内温度を約4℃低下(当社測定値)させることが出来ます。大手電子機器メーカーの評価では装置内温度を4℃下げることで発熱量を40%程度吸収(当社測定値)できる為、@モーター容量アップ、A積層回路の多層化、B冷却ファンモーターの容量ダウン若しくは省略、等の効果が見込まれ、結果として、@装置設計の自由度拡大(高速化・高機能化・小型化)、A省電力、B低騒音化、を可能にします。本商品は電子機器、家電製品にとって必要不可欠な「高い放熱性」を世界で初めて素材レベルで実現させた画期的な商品です。既に複数の大手電子機器メーカーから高い実機評価を得ていることから、今後早い段階で幅広く採用されるものと確信しております。

近年、電子機器(DVD、液晶、PDP等)の高性能化に伴い、IC、半導体、モーター等の発熱量が増大する傾向にあります。装置内部の発熱は精密部品の寿命、性能を損なうため、温度上昇を抑制する必要からファンモーターによる強制冷却、熱伝導性に優れるアルミ材の使用、装置そのものに穴を開けて熱を逃がす、等の対策を講じてきました。
しかしながら、素材費、加工費が高い、部品点数が増える、気密性確保が困難(水分、ほこり、電磁波などのシールド性)等の問題を抱えており、課題克服への市場ニーズが急速に高まりつつありました。当社は、この様なニーズに応える手法として放射率に着目し、鋼板レベルで熱の透過性を高めるための研究開発を進めてきました。その結果、当社が得意とする特殊皮膜に放熱性に優れる添加剤を適性配合し、鋼板表面にコーティングすることによって放射率を極限まで向上させることに成功し、商品化するに至りました。

本商品は、高い放熱性に加え、@導電性に優れ、簡単にアースがとれる。A加工性に優れ、保護フィルムなしで曲げ・絞り・張出し加工が可能。Bつやを抑えた落ち着いた色調で、意匠性が高い。C屋内使用に耐える耐食性を有するなどの特徴を有しており、これらを盛り込んだ特許を既に出願しています。

当社は、電機分野向けの表面処理鋼板(コーベジンク・グリーンコート等)、自動車分野向けの高張力鋼板(ハイテン)、建材分野向けの高耐食性鋼板(スーパーガルファン等)の3分野を柱として薄板事業を展開してきました。中でも電機分野向けでは、当社の得意とする特殊皮膜処理の技術を駆使し、幅広い分野で高い評価を得てきました。
また、かねてよりユーザーの潜在的なニーズを的確に汲み取り、迅速に課題の克服を図ることによって、提案型の営業スタイルを確立してきました。『コーベホーネツ』は、その技術力の蓄積、着眼点の斬新さ及び提案型営業活動が結実したものとして、大きな可能性を秘めた商品であると自負しています。今後は薄板事業における主力「高機能商品」の一つとして、またユーザーニーズ直結型商品として、拡販・高性能化に努めて参ります。

以 上


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