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2003年2月7日 自動車用特殊鋼線材・棒鋼に関する日欧間の相互技術移転について 〜Lucchini Gr.(伊)との技術提携の第1段階が完了〜 当社が、技術提携パートナーであるLucchini Gr.(以下:ルッキーニ社)との間で進めてきた自動車用特殊鋼線材・棒鋼2品目に関する相互技術移転(等価交換による)が、このほど完了しました。すなわち、当社からルッキーニ社傘下のASCOMETAL(仏)(以下:アスコメタル社)に対しては、「高強度懸架ばね用鋼(UHS1900)」を、ASCOMETALから当社に対しては「低歪歯車用鋼」を相互に技術供与し合うことで、日欧での日系、欧州系自動車メーカーの部品調達ニーズへの迅速な対応が可能となりました。 「UHS1900」は、当社が技術支援を行っている北米最大の特殊鋼線材・棒鋼メーカー REP社(Republic Engineered Products
LCC)にも既に技術移転を完了しており、99年から現地生産を開始し、北米の日系自動車メーカーにも広く採用されています。また欧州でも、昨年末より日系自動車メーカー向け(部品メーカー向け)の生産を開始しており、日米欧の三極での供給体制が確立したことになります。 一方「低歪歯車用鋼」は、今後日本での需要拡大が期待できる新鋼種として、欧州系および日系自動車メーカー向けに拡販を図っていくことになります。 今後も、グローバル供給可能な次世代製品「超高強度懸架ばね用鋼」,「高強度低歪歯車用鋼」の共同研究開発を進めるなど、更に連携を強化し、自動車メーカーのグローバル調達の動きへの対応力を強めていきます。 【技術移転の詳細】 (1)当社からルッキーニ社への技術移転「高強度懸架ばね用鋼:UHS1900」 昨年4月の技術提携契約調印と同時に、提携の一環として当社が開発した「UHS1900」をルッキーニ社傘下のASCOMETALに技術移転しました。その後サンプル製造や評価試験を経て、昨年9月に日系の大手自動車メーカーのアプルーバルを取得し、12月より「IS,S.A.(Iberica de
Suspensiones,S.A.=イベリカ・デ・ススペンシオネス株式会社)」(日本発条出資のスペインのばねメーカー)向けの量産を開始しています。 「UHS1900」は、自動車の軽量化を可能にする高強度を達成するとともに、塩害などによる腐食に対して優れた特性をもつ懸架ばね用鋼で、日本では、ばねメーカーを通じて広く自動車メーカーに採用されています。欧州においてもこの「UHS1900」の現地調達ニーズが高まっていましたが、今回ASCOMETALへの技術移転により可能となりました。 (2)ルッキーニ社から当社への技術移転「低歪歯車用鋼」 当社は03年1月にアスコメタル社からの「低歪歯車用鋼」の技術移転を完了し、神戸製鉄所でのサンプル製造を終え、大岡技研�蠹臓米端豺櫃領箚崔誕ぅ瓠璽�ー)が受注した欧州自動車メーカー向け歯車用にサンプルトライを開始しています。 一般的に歯車は、低炭素鋼または低炭素合金鋼(肌焼鋼)を鍛造,切削することで歯車の形状に成形した後、耐磨耗性および疲労強度向上の為、表面硬化処理として、浸炭(*1)、焼入れ処理を行います。この処理によって、歯車の表面は硬く、内部は靭性が高い丈夫なものとなります。 この表面硬化処理方法は、「浸炭−油焼入れ」が量産向きであり日本国内では普及していますが、硬度ムラ(*2)(表面部分の硬度が均一でない状態)や歪が発生しやすい、作業環境が悪い等の課題を抱えています。 一方、「浸炭−ガス冷却(焼入れ)」は、これらの問題が起こりにくいことから、欧州では普及しつつあります。しかしながら、「ガス冷却」は「油焼入れ」に対し冷却性能の面で不利であり、焼入れ性(*2)が低く(充分な表面硬化層=深さが得難い)なります。従い、この処理方法によるデメリットをカバーするために、従来より焼入れ性に優れた鋼が求められていました。 アスコメタル社で開発された「低歪歯車用鋼」は、材料特性として焼入れ性が良く、かつ歪が生じにくいことから、欧州自動車メーカーでのガス冷却の普及に合わせ、精密な高強度歯車や長尺シャフト用として需要が拡大しています。最近では欧州向けだけでなく日本国内においても、自動車用歯車等へのガス冷却の適用が研究開発されており、将来の需要拡大への期待が膨らんでいます。 (*1)「浸炭」は、俗に炭素むしといわれ、鋼の表面層の炭素含有量を増加させる為に適当な触媒中で加熱する操作をいう。浸炭剤には固体浸炭剤(木炭、コークスなど)、ガス浸炭剤(一酸化炭素および炭化水素を含む石炭ガスまたは灯用ガス)などがある。 (*2)「硬度ムラ」は表面全体を見渡してのムラを、焼入れ性は表面からある一定の深さの硬化層が確保出来ているか否かの指標を、それぞれ指す。 以 上 【ご参考】
Lucchini Gr.との包括的技術提携の目的と経緯について (1)目的 神戸製鋼は、世界の特殊鋼線材・棒鋼のリーディング・カンパニーとして、広範囲に渡り自動車用鋼を生産、販売しています。また、ルッキーニ社も同分野で欧州においてトップの地位にあり、規模、品質の両面において確固たる地位を築いています。本提携によって、両社の自動車分野におけるプレゼンスをより一層高めると共に、自動車メーカーのグローバル化のニーズにより迅速かつ的確に応えていくことを目的としています。ルッキーニ社との提携によって、神戸製鋼は、北米のREPとあわせ日系自動車メーカーの期待する日米欧3極での高品質な特殊鋼線材,棒鋼の同一品質での供給体制を確立したことになります。 (2)包括的技術提携に至った経緯 両社は、01年4月に自動車用特殊鋼線材・棒鋼の分野における包括的な技術提携を前提とした交流を開始することで合意した後、01年5月から神戸製鋼,ルッキーニ社の幹部レベルを含む技術交流を年2回実施してきました。この交流を通じ、同分野における双方のポテンシャルの高さを認識し合い、かつ技術提携によって相互にメリットを享受できると判断したことで01年12月に提携合意に至り、02年4月の第3回技術交流会の場で正式に調印しました。
| <経緯> |
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| ・ 2001年 4月 |
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提携を前提とした交流を開始することで合意 |
| ・ 2001年 5月 |
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第1回技術交流会を実施 (於神戸) |
| ・ 2001年10月 |
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第2回技術交流会を実施 (於欧州) |
| ・ 2001年12月 |
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包括的技術提携に合意 |
| ・ 2002年 4月 |
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第3回技術交流会を実施 (於神戸) |
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包括的技術提携契約調印 |
| ・ 2002年10月 |
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第4回技術交流会を実施 (於欧州) |
(3)包括的技術提携の活動内容 �ゝ蚕儻鯲� ・特殊鋼製造技術や独自製品,新製品開発に関する交流 ��技術移転 ・お客様のグローバル調達への対応 ・双方のビジネスチャンス拡大 �6ζ姥Φ羈�発 ・研究開発の効率化,迅速化 ・グローバル供給可能な次世代製品の開発 �い�客様のグローバル調達への支援 ・自動車メーカーや自動車部品メーカーの現地調達調査への協力 ・同一品質の特殊鋼線材,棒鋼を供給する為に必要な情報開示,相互技術移転,相互技術支援 【懸架ばね】 懸架ばねとは車軸と車体の中間にあり、路面からの衝撃を吸収することで乗り心地を良くし、また衝撃による損傷から車体を守る部品です。 懸架ばねには、平鋼を使用するリーフスプリング、線材、棒鋼を使用するコイルスプリング、トーションバースプリングがありますが、乗用車はコイルスプリングが主体となっています。 コイルスプリングの市場規模は、日米欧の3極で約3万�邸新遒反簑�されますが、神戸製鋼は日本における同分野のトップメーカーです。北米では当社の提携先であるREPがトップメーカーであり、欧州では今回UHS1900を技術移転するASCOMETALがトップメーカーです。 【高強度懸架ばね用鋼とUHS1900について】 神戸製鋼は、懸架ばね用鋼のトップメーカーとして80年代初頭に対へたり性に優れた高強度懸架ばね用鋼「SRS60」を開発し販売を開始致し、SRS60はその優れた特性から世界的に普及致しました。神戸製鋼は89年にUSS/KOBE(現REP)を設立致しましたが、日系自動車メーカーが北米での現地生産を拡大する中で、SRS60の現地調達の要請が高まってきた為、設立と同時にSRS60の技術移転を実施し、現地生産を開始いたしました。 90年代後半から自動車の更なる軽量化が要請される中、神戸製鋼は97年に次世代高強度懸架ばね用鋼として「UHS1900」を開発し販売を開始いたしました。「UHS1900」は、自動車の軽量化を可能にする更なる高強度化を達成するとともに塩害などによる腐食に対し優れた腐食耐久特性をあわせ持ったばね鋼あり、販売開始後ばねメーカーを通じて自動車メーカーに広く採用されるに至っています。 神戸製鋼は、「UHS1900」についても北米での現地供給を可能にすべく99年にUSS/KOBE(現REP)に技術移転と特許、商標ライセンスを実施しており、現状北米の日系自動車メーカーに広く採用されています。 2002年4月、神戸製鋼はASCOMETALにも同鋼種の技術移転と特許、商標ライセンスを実施致しました。尚、「UHS1900」の特許は、日本、及び米国、欧州3地域全てにおいて取得済みです。 【自動車用歯車用鋼について】 自動車用歯車用鋼は、自動車のトランスミッション(変速機)やディファレンシャルの歯車用に使用されるもので、優れた疲労寿命と熱処理で発生する歪が少ないことが要求されます。 【LUCCHINI GROUPの概要】
| 設 立 |
: |
1957年 |
| 本 社 |
: |
イタリア・ロンバルディア州・ブレーシャ(ミラノの東約100km) |
| 代表者 |
: |
Giuseppe Lucchini(ジュゼッペ・ルッキーニ)(CEO) |
| 事業内容 |
: |
特殊鋼線材・棒鋼、レール、鋳鍛造品他 |
| 主要工場 |
: |
Piombino製鉄所(伊)(ピオンビノ/ルッキーニ本体) |
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Ascometal(仏)(アスコメタル) |
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Huta L.W(ポーランド)(フタ・ルッキーニ・ワルシャワ) |
| 従業員 |
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約11,000名 |
| 売上高 |
: |
約20億ユーロ(約2,200億円/ユーロ=110円)(2000年) |
| 資本金 |
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約6億ユーロ(約660億円) |
| 粗鋼生産 |
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約480万�邸診�(2000年) |
【ASCOMETALの概要】
| 設 立 |
: |
1984年 |
| 本 社 |
: |
フランス・パリ |
| 代表者 |
: |
Alain Gevaudan(アラン・ジバウダン)(CEO) |
| 事業内容 |
: |
特殊鋼線材・棒鋼他 |
| 従業員 |
: |
約3,000名 |
| 売上高 |
: |
約7億ユーロ(約770億円)(2000年) |
| 資本金 |
: |
約7,000万ユーロ(約77億円) |
| 出資比率 |
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1999年にルッキーニ・グループが買収(100%) |
| 粗鋼生産 |
: |
約138万�邸診�(2000年) |
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