神戸製鋼グループにおける環境ビジネスの統合・強化について (2003年3月18日)


2003年3月18日
叶_戸製鋼所
神鋼パンテツク

神戸製鋼グループにおける環境ビジネスの統合・強化について

 叶_戸製鋼所(以下「神鋼」)と、神鋼パンテツク梶i以下「神鋼パンテツク」)は、両社の環境ビジネスにかかわる経営資源を集中し、総合環境ソリューション事業として更なる強化・発展を図るため、04年1月を目途に神鋼の環境ビジネスと神鋼パンテツクとの統合に向けた詳細検討に入ることで合意しました。

 神鋼の環境ビジネスを担う、都市環境・エンジニアリングカンパニー環境ソリューション本部(以下「環境ソリューション本部」)は、廃棄物処理分野と水処理分野で豊富な実績を有しています。
 廃棄物処理分野、とりわけ都市ごみ焼却施設については、鉄鋼メーカーとしての流熱技術をベースとしたガス化溶融炉・プラズマ溶融炉・流動床炉に加え、ストーカ炉・RDF(ごみ固形化燃料)設備等多様なメニューを保有しております。これまで全国各地で数多くの納入実績があり、高い評価を得ています。
 また、水処理分野では、下水処理や汚泥の焼却・溶融・貯留に強みを有しています。下水高度処理技術の開発や、CO2排出削減に貢献する「レセルシステム(下水汚泥非焼却減容化処理技術)」の実用化にも注力し、既に新潟県と共同研究を行っています。
 更には、塩化ビニール(以下「塩ビ」)系廃棄物からバージン材に近い塩ビを回収する塩ビリサイクル事業、土壌浄化事業、バイオマス事業など新たな事業分野への取組を強化しています。

 一方、神鋼パンテツクは、水処理分野に加えて、大気環境分野でも多くの実績を有しています。
 水処理分野では、上水分野における高度処理(オゾン・活性炭処理)・膜処理・脱水処理(電気浸透式)、下水・産業廃水分野における生物処理・汚泥減容化処理、膜技術を応用したごみ浸出水処理、IT分野向け超純水製造装置など特徴ある技術で官公需・民需に亘る幅広い事業展開を行っており、水処理施設の総合エンジニアリング・メーカーとして高い評価を得ています。
また、大気環境分野では様々な産業の製造プロセスで発生する排ガスの集塵・クリーン化技術で実績を上げています。
 更には、食品廃棄物や畜産廃棄物などのバイオマス事業や自社処理用途として実績のあるPCB一貫無害化システム、廃蛍光灯リサイクル処理など新規環境ビジネスへの展開も図っております。

 ダイオキシン対策に対応した都市ごみ焼却施設の新設需要が一巡し、公共事業全般も低調に推移する中で、足下の環境ビジネス市場は厳しさを増しています。しかしながら、中長期的には一般・産業廃棄物処理、上下水処理などの需要は、環境との調和による豊かな生活の実現という社会的コンセンサスの広がりと共に着実に高まると考えられます。加えて土壌浄化、PCB・ダイオキシン処理、資源リサイクルなどへの対応は社会の喫緊の課題となってきております。循環型社会の創造に向けて環境ビジネス市場の裾野が急速に拡がると共に、従来よりも更に高度で総合的な対応が必要になるものと思われます。

 これまで環境ソリューション本部と神鋼パンテツクは、それぞれの得意とするメニュー、市場が比較的異なっていたこともあり、独自の事業展開を行ってきました。しかしながら、今後環境ビジネス市場は急速に変化・拡大することが予想され、社会的ニーズがより高度化・複合化していく中で、総合環境ソリューション事業として大きく発展させていくためには、これまで両社が培った技術開発力、営業力、事業推進ノウハウなどを集約することが必要であると判断しました。

 統合により、事業拡大による経営基盤の安定化・強化を図ると共に、@メニュー、市場の相互補完による受注拡大、A重複した研究開発の効率化と新規環境分野における開発力強化、Bコスト競争力の強化、等の効果が期待されます。

 両社の強みを生かし、社会の幅広いニーズに応える神戸製鋼グループの『総合環境ソリューション企業』として、更なる飛躍を目指します。


<今後の検討スケジュール(予定) 概要>
・03年5月:統合に関する基本条件の合意。
・04年1月:統合会社発足、業務の開始。


<叶_戸製鋼所 概要(単独ベース)>
代表者 代表取締役社長 水越浩士
所在地 神戸市中央区脇浜町
設立 1911年
資本金 2,151億円(01年度末)
従業員数 9,674名(01年度末)
売上高 7,939億円(01年度実績)


<神鋼パンテツク 概要(単独ベース)>
代表者 代表取締役社長 平田泰章
所在地 神戸市中央区脇浜町
設立 1954年
資本金 40億円(01年度末)
従業員数 734名(01年度末)
売上高 344億円(01年度実績)


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