トヨタ自動車殿 北米現地生産車向けシート部品用100kg級ハイテンの納入開始について


2003年3月17日

トヨタ自動車殿 北米現地生産車向けシート部品用
100kg級ハイテンの納入開始について

 当社はこのほど、鋼材メーカーとして初めて、北米シート部品メーカー殿向けに100kg級ハイテン(980Mpa級の超高張力鋼板)の量産納入を開始致しました。本ハイテンは、トヨタ自動車殿が米国にて本年1月より生産を開始した「シエナ(SIENNA)」の新モデルに搭載されたシート部品に使われています。これにより、高い加工性と高強度を同時に実現させることで、軽量化及び安全性の向上に大きく貢献していくことになります。

 当社の冷延100kg級ハイテンは、成形性の厳しい自動車部品用途として、1984年に世界で初めて量産を開始したもので、高い衝突安全性能を求められるピラーなどのボディ骨格部品やバンパー、ドアインパクトビームのような機能部品に広く採用されています。また、シート部品用についても2001年7月に他社に先駆け本格的に販売を開始しました。今では国内の大手シートメーカー殿向けを中心に納入実績を有し、「ハイテンの神戸」としての地位を強固なものにしています。中でも、トヨタ自動車殿のアジャスター部品(シート摺動部のレール部分)では特に高い評価を得ており、一昨年来発売される同社の新車種のシート部品向けに、随時、当社より100kg級ハイテンを納入しています。

 自動車シート部品には、曲げ加工、伸びフランジ加工、張り出し加工が、更にストッパー部品には難易度の高い局部的な張り出し加工が必要となります。一般的に鋼板の加工性は、高強度化するほど低下しますが、このような多様かつ複雑な加工を要求されるシート部品に100kg級ハイテンを適用させる為には、より高いレベルの複合加工性が求められることになります。

 当社は、高い複合加工性能を有し、尚且つ軽量化、安全性の向上を実現させる超高張力鋼板の製造を、独自の製造技術によって可能なものとしました。すなわち、水冷方式の急冷能力を利用したミクロ組織制御技術を有効に活用することで、高いレベルで品質を安定させ、量産体制を構築しました。
 
 今後は、国内のみならず北米を中心とする海外にも適用範囲を広げ、グローバルな視野に立った「超高張力鋼板」の開発、量産化を進めて参ります。

以 上


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