イラン・アルダカンペレットプロジェクトの契約発効について


2003年3月14日

イラン・アルダカンペレットプロジェクトの契約発効について


 当社が丸紅(株)、三菱商事(株)と共同で、イラン国営鉄鋼公社の傘下にあるチャドルマル社から受注していた「鉄鉱石ペレット製造プラント(年産340万?)」の契約がこのほど正式に発効致しました。契約金額は約67億円で、主要役務範囲は基本設計、主要機器供給、指導員派遣、トレーニング、操業指導となります。また、契約金額の85%は各国の制度金融(日本の場合は国際協力銀行=JBIC=によるバンクローン)が付与されており、残り15%は客先が自己資金として手配することになります。プラントは2006年半ばには建設を完了し、同年末には商業運転を開始の予定です。

 本プラントサイトはイラン中央部のヤズド州にあり、当社が施工したチャドルマル社の選鉱プラント(1991年受注)からの精鉱を原料にしてペレットを製造し、製品ペレットはモバラケ製鉄所の還元鉄プラント(当社が施工/1984年受注)の製銑原料として供給されます。
また、本プロジェクトでは電気・計装を担当する「ABB社(スイス)」ならびに、マテハン(原料搬送)設備を担当する「TAIM社(スペイン)」と国際コンソーシアムを組成しており、外貨ポーションの合計契約金額は約100億円となります。

 当社のペレットプラント案件の受注は、チリCAP社向け(1978年完工:年産350万トン)、バーレーンAISCO社向け(1985年完工:年産400万トン)およびベネズエラFMO社向け(1994年完工:年産330万トン)に引き続き海外で4件目、国内向けを含めると8件目となります。イランでは本プロジェクトの他にも、鉄鋼生産能力増強計画の一環として数件のペレットプラント建設プロジェクトが計画されています。当社は、今回の受注を契機に引き続き受注活動を行なって参ります。


【契約概要】
(1)買主:
    イラン国営製鉄公社(National Iranian Steel Company)傘下の
    チャドルマル鉱山社(Chador Malu Mining and Industrial Company)

(2)サイト:
    アルダカン(イラン中央部/Yazd市西方約50km)

(3)輸出者(日本 portion):3社 Consortium(Leader:神戸製鋼所)
    株式会社 神戸製鋼所
    丸紅株式会社
    三菱商事株式会社

(4)契約形態:
    主要機器の納入(粉砕機、造粒機、焼成設備、冷却設備、集塵設備など)・コミッショニン
    グまでのS/V・Management Service(テクニカルアシスタンス)

    ※別途欧州ポーションあり(欧州のConsortium Member)
    ABB Switzerland Ltd. (スイス) --- 電気・計装品納入
    TAIM-TFG,S.A.(スペイン)--- マテハン設備納入


(5)契約金額: 67.2 億円(日本ポーション)/ 欧州ポーション 約30億円

    Finance(67.2億円の内訳): 15% 客先自己資金/85% JBIC Bank Loan
        JBIC貸付金額 \ 5,716百万 (円建)
JBIC分 (60%) \ 3,429百万
市中銀行分 (40%) \ 2,287百万
        協調融資銀行 東京三菱銀行・UFJ銀行
        借入者 Bank Sepah(イラン国営銀行)


【ペレットプラントプロセス】
ペレットプラントには次の2つの代表的プロセスがありますが、当社はAのキルン焼成プロセスを採用しています。今回の受注も同プロセスの優位性が評価されたものです。

 
@ グレート方式
ペレットを製造する際にグレート(grate)と呼ばれる火格子箱に原料をのせて焼き固めるプロセス。
A キルン方式
原料は初めの炉で予熱された後、回転炉(ロータリーキルン)の中で転動しながら焼き固められていくプロセス。同プロセスには、ペレットがむら無く焼き固められるという大きな利点があります。


【イランの鉄鋼生産計画】
 本案件は鉄鋼消費量が年間 約800万?に対し生産能力が年間 約700万?という需給のギャップを埋める鉄鋼生産能力増強の根幹をなす重要案件と位置付けられています。また併せて鉄鋼原料・製品の輸入を減らし、外貨流出削減(年間 56百万?と試算されている)を図る効果も期待出来ます。
 イラン政府は将来的に、鉄鋼生産能力を更に拡大するとの意向を表明していますが、本件は同計画の一環として能力増強を進めているモバラケ製鉄所向けのペレットを生産するプラントであり当該計画に不可欠なプロジェクトです。
 尚、プラントサイトのアルダカンはハタミ現大統領の出身地でもあり、イラン政府としては早期の実現を目指していくことになります。

以 上


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