バイオマス利活用分野の強化について


2003年3月12日
叶_戸製鋼所

バイオマス利活用分野の強化について

【廃棄物の非焼却処理への取り組み】
各種廃棄物、残渣の処理問題が重要視されている昨今、従来の焼却・溶融技術のみならず、非焼却技術にも関心が集まりつつある。
当社は鉄鋼事業で培った「燃焼・溶融」に関するノウハウを各種ごみ焼却炉に適用し、豊富な廃棄物処理の実績を有している。加えて、循環型社会の構築に向け、環境により優しい「非焼却分野」にも取り組み、バイオマスを含む廃棄物の利活用に各種技術を確立してきた。

【バイオマスに関する政府方針】
日本政府が「バイオマス・ニッポン総合戦略」で、2010年頃を目処に炭素量換算で廃棄物系バイオマス80%以上、未利用バイオマス25%以上の利活用を目標に掲げている。
また、「地球温暖化対策推進大綱」では、2010年のバイオマス発電の設備容量を99年実績の8万Kwから33万kWにまで押し上げる等の目標を設定し、新エネルギーとして期待を寄せている。

【バイオマスに関する当社の取り組み】
従来より、各種バイオマス利活用技術(もしくは適正利用技術)を所有していた。(別表のA〜D)また研究所での技術開発にも取り組んできた。(別表のE)
このほど、木質系バイオマスのガス化技術において欧州で高い評価を得ているCarbona社(フィンランド)と業務提携し、同社の「木質系バイオマスのガス化発電(別表の@)」について、日本でのマーケティング活動を開始した。
これにより、幅広い未利用バイオマスや、バイオマス系廃棄物の利活用に対応したメニュー揃が完了し、バイオマスの利活用と適正処理に幅広く対応することが可能となった。

【当社バイオマス利用技術の概要】

プロセス名

対象となるバイオマス

@木質系バイオマスガス化発電プラント 木屑、建設廃材、残材、枝条、間伐材
A湿式メタン発酵プラント 食品廃棄物、家畜排せつ物 など
B乾式メタン発酵プラント 剪定枝、食品廃棄 など
C汚泥消化減容プラント 下水汚泥などの有機汚泥
Dバイオガス(消化ガス)発電プラント 下水汚泥等の有機汚泥、食品廃棄物など
E木質系バイオマスの熱加水分解技術 木質系バイオマス

【今後の展開】
当社の都市環境・エンジニアリングカンパニーでは、2001年6月に「環境ソリューション部」を設置し、「塩ビのリサイクル」や「土壌浄化」など各種ソリューション事業の構築を進めてきた。
更に本年2月からは、「エネルギーソリューション室」を新設し、改組した「環境ソリューション本部」と共に、ニーズの高まる環境・エネルギー分野でのソリューション事業の取り組みを強化している。
今後はバイオマスの利活用をソリューション事業の柱の一つとして100億円規模の売上を目指していく。

以 上


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