2003年5月14日 株式会社神戸製鋼所 代表取締役社長 水越 浩士 (東証1部 証券コード5406) 神鋼パンテツク株式会社 代表取締役社長 平田 泰章 (大証2部 証券コード6299) 会社分割による環境ビジネスの統合について (株)神戸製鋼所(以下「神鋼」)と神鋼パンテツク(株)(以下「神鋼パンテツク」)は本日、両社の環境ビジネスに関わる経営資源を集中し、「総合環境ソリューション事業」として更なる強化・発展を図るため、本年10月1日に神鋼の環境ビジネス部門と神鋼パンテツクを統合することに合意致しました。 本年3月18日に、2004年1月を目処に両社の環境ビジネスを統合する方向で検討を開始することを発表させていただきましたが、その後の詳細検討の結果、事業統合によるメリットが確認でき、かつ、事業の拡大・発展に確信を得ることが出来たことから、前倒しで実施することにしたものです。 事業統合の方法は、神鋼パンテツクを母体とする「分社型吸収分割」方式を採用致します。また、統合を機に、社名を「神鋼パンテツク株式会社」から「株式会社神鋼環境ソリューション(英文名称;Kobelco Eco-Solutions
Co.,Ltd.)」へ改め、神鋼グループの環境ビジネスの中核を担う企業として更なる発展を目指してまいります。 これまで、両社は各々の得意とするメニュー、市場で独自の事業展開を行ってまいりました。神鋼では、汚泥焼却を含めた下水道分野に特化した水処理分野と都市ゴミ焼却を中心とする廃棄物処理を事業の核としてきました。一方、神鋼パンテツクは上下水、産業用廃水処理、純水・超純水製造装置など、官需・民需を合わせた水処理分野で高い評価を得てきています。 昨今の環境ビジネスは、従来の設備・装置供給ビジネスから、PFI事業、民間による公共設備の維持管理事業など、新しい形態へのニーズが高まっています。こうした環境ビジネスの市場・技術・形態の変化に迅速に対応していくためには、両社が培ってきた営業力、技術開発力、事業推進ノウハウをひとつに集約させていくことが重要であると判断しました。 この統合により、水処理分野においては、高度処理・汚泥減容化技術の開発強化を、また、廃棄物処理では処理業をベースにした新しい環境ビジネス(PCB・ダイオキシン処理、土壌浄化、塩ビリサイクルなど)への参入を図るなどして、「総合環境ソリューション事業」として大きく発展させていくことが可能になります。 【統合新会社の概要】
■社 名 |
株式会社神鋼環境ソリューション
(英文名称;Kobelco Eco-Solutions Co.,Ltd.) |
■本 社 |
神戸市中央区脇浜町1−4−78(現神鋼パンテツク本社) |
■資本金 |
60億円(予定) |
■社 長 |
平田泰章(現神鋼パンテツク社長) |
■従業員数 |
約800名 |
【統合新会社の事業計画】
■ |
ビジョン |
@水処理、廃棄物処理技術をコアとした循環型社会創出に貢献する |
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A神鋼グループの環境ソリューションビジネスの中核を担う安定的・高収益事業体を目指す |
■ |
重点戦略 |
@上水道、下水道、浸出水、純水・超純水、産業用・廃水等の水処理 |
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事業分野 |
A廃棄物処理(都市ごみ焼却、リサイクル) |
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B新規事業(土壌浄化、塩ビリサイクル、PCB無害化処理、バイオマス利活用技術等) |
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02年度 |
⇒ |
03年度
(新会社) |
⇒ |
目 標
(5年後) |
単
体 |
売上高 |
239 |
470 |
800 |
経常損益 |
△12 |
10 |
60 |
連
結 |
売上高 |
274 |
510 |
1,000 |
経常損益 |
△12 |
10 |
80 |
※03年度数値は神鋼の下期分および神鋼パンテツクの通期分による ※5年後の連結売上高の内、約15%が新規事業 【詳細データ】
1.会社分割の要旨
(1) |
分割の日程 |
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分割契約書承認取締役会(両社) |
2003年5月14日 |
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分 割 契 約 書 調 印 (両社) |
2003年5月14日 |
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分割契約書承認株主総会(神鋼パンテツク) |
2003年6月下旬 |
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分 割 期 日 |
2003年10月1日 |
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分 割 登 記 |
2003年10月1日 |
(2) |
分割方式 |
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@分割方式
神鋼を分割会社とし、神鋼パンテツクを承継会社とする分社型吸収分割です。
尚、神鋼は商法374条ノ22第1項の規定により、商法374条ノ17第1項の株主総会による承認を得ずに本分割を行ないます。 |
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A当分割方式を採用した理由
本分割は、両社の環境ビジネスの統合により経営資源を集中し、総合環境ソリューション事業として更なる強化・発展を目的として行なうもので、可能な限り迅速な方式をとるべく検討した結果、分社型吸収分割方式を採用することとしました。 |
(3) |
株式の割当 |
|
@株式割当交付数
神鋼に神鋼パンテツクの新株55,700,000株(普通株式 40,700,000株と議決権のない種類株式15,000,000株)を割当交付します。 |
|
A株式割当比率の算定根拠
神鋼と神鋼パンテツクは、神鋼パンテツクが吸収分割により対象事業を承継するに際して 発行する新株の割当比率に関しては、その公正・妥当性の観点から第三者機関(神鋼:みずほ証券 神鋼パンテツク:UFJつばさ証券)による算定結果を参考にし、両社協議の上決定しました。 |
(4) |
分割により増加する資本の額等 |
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分割により増加する神鋼パンテツクの資本金及び資本準備金の額は以下の通りです。 |
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資 本 金: |
増加しません。 |
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但し、分割期日に先立って、神鋼パンテツクは資本準備金の資本金組み入れの方法により、60億円に増資する予定です。 |
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資本準備金 : |
神鋼から承継する資産の額から、承継する負債の額を控除した額 |
(6) |
承継会社承継する権利義務 |
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神鋼パンテツクは、承継事業に関する、売掛金、受取手形、棚卸資産、有形・無形固定資産、前受金等、主要な資産・負債、知的財産権、主要な契約関係及びこれに基づく権利義務を承継します。尚、神鋼の他の事業と共用する有形固定資産、投資有価証券(子会社株式)、買掛金、退職給付引当金は除きます。
また、承継事業に従事する神鋼の従業員は、対象従業員の同意を得られることを条件に、原則として分割期日で神鋼パンテツクへ転籍する予定です。 |
(7) |
債務履行の見込み |
|
神鋼に於いては、本分割が物的分割で純資産に変動はなく、神鋼パンテツクに於いては承継される資産、負債の内容を鑑みると、分割日以降に弁済期が到来する債務につき、両社共に履行の見込みがあるものと判断しました。 |
(8) |
分割会社から承継会社に新たに就任する役員 |
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分割に際して就任する取締役は以下の通りです。
取締役:鈴木富雄、中沢良博、山本徹 |
2.分割当事会社の概要
(1)商号 |
株式会社神戸製鋼所
(分割会社)
(平成15年3月31日時点) |
神鋼パンテツク株式会社
(承継会社)
(平成15年3月31日時点) |
(2)事業内容 |
鉄鋼・溶接、アルミ・銅、都市環境・エンジ、機械、不動産等 |
環境装置、気熱装置、プロセス機器の設計、製造及び販売 |
(3)設立年月日 |
明治44年6月28日 |
昭和29年6月1日 |
(4)本店所在地 |
神戸市中央区脇浜町2丁目10番26号 |
神戸市中央区脇浜町1丁目4番78号 |
(5)代表者 |
取締役社長 水越浩士 |
取締役社長 平田泰章 |
(6)資本金 |
218,163百万円 |
4,020百万円 |
(7)発行済株式総数 |
2,974,549,861株 |
24,900,000株 |
(8)株主資本 |
315,828百万円
(平成14年9月30日現在) |
11,502百万円
(平成14年9月30日現在) |
(9)総資産 |
1,441,686百万円
(平成14年9月30日現在) |
34,728百万円
(平成14年9月30日現在) |
(10)決算期 |
3月31日 |
3月31日 |
(11)従業員数 |
9,122名 |
639名 |
(12)主要取引先 |
鋼材、溶接棒、アルミ・銅圧延品、各種プラント、機械類等を広く国内外の需要家に販売 |
水処理設備及び装置、冷却塔・大気環境装置、化学工業用機器類等を広く国内外の需要家に販売 |
(13)大株主及び持株比率 |
日本生命(相)
(株)みずほコーポレート銀行
(株)三井住友銀行
三菱信託銀行(株) |
5.58%
4.69%
2.16%
1.89% |
(株)神戸製鋼所
(株)みずほ信託銀行
(退職給付信託:神鋼商事口)
神鋼パンテツク従業員持株会
(株)みずほコーポレート銀行
日本生命(相) |
54.41%
4.82%
3.97%
2.01%
2.01% |
(14)主要取引銀行 |
(株)みずほコーポレート銀行
(株)UFJ銀行
(株)三井住友銀行 |
(株)みずほコーポレート銀行
(株)UFJ銀行
(株)三井住友銀行 |
(15)当事者の関係 |
資本関係 |
神鋼は神鋼パンテツクの発行済株式総数の54.41%保有 |
人的関係 |
神鋼は神鋼パンテツクに監査役を派遣している |
(16)最近3決算期の業績
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株式会社神戸製鋼所(分割会社) |
神鋼パンテツク株式会社(承継会社) |
決算期 |
12年3月期 |
13年3月期 |
14年3月期 |
12年3月期 |
13年3月期 |
14年3月期 |
売上高(百万円) |
837,745 |
816,877 |
793,952 |
35,813 |
39,641 |
34,407 |
営業利益(百万円) |
56,636 |
54,277 |
30,410 |
△1,078 |
465 |
△709 |
経常利益(百万円) |
8,221 |
14,648 |
△4,010 |
△679 |
252 |
△759 |
当期純利益(百万円) |
△15,198 |
△60,588 |
△20,991 |
△3,439 |
395 |
△367 |
1株当り当期純利益(円) |
△5.36 |
△21.36 |
△7.39 |
△138.15 |
15.86 |
△14.75 |
1株当り配当金(円) |
− |
− |
− |
8.00 |
8.00 |
8.00 |
1株当り株主資本(円) |
129.49 |
108.25 |
108.93 |
531.08 |
542.22 |
519.25 |
3.承継事業の内容 (1)承継する事業の内容 承継される神鋼の都市環境・エンジニアリングカンパニー/環境ソリューション本部(除く土木機械Gr)は都市ごみ焼却施設を中心とした廃棄物処理関連、下水処理、汚泥の焼却・溶融・貯留等の水処理関連、加えて土壌浄化、塩ビリサイクル、バイオマス事業等の環境関連ビジネスを行なっています。 (2)承継する事業の業績 同事業の売上高規模は約500億円で、営業利益率は5%程度です。 (3)承継する資産・負債の帳簿価格 分割期日に承継する資産は約70億円、負債は約50億円を想定しております。
以上 |