神戸製鋼の「組み込みソフトウェア事業部門」分社化ならびに東京電力への譲渡・子会社化について


神戸製鋼の「組み込みソフトウェア事業部門」分社化ならびに
東京電力への譲渡・子会社化について

平成15年7月30日
東京電力株式会社
株式会社神戸製鋼所

 東京電力株式会社(以下「東京電力」)と株式会社神戸製鋼所(以下「神戸製鋼」)は、本日、神戸製鋼が分社する予定である「組み込みソフトウェア(注1)事業部門」を東京電力へ譲渡し、東京電力の子会社とすることで合意いたしました。
 具体的には、神戸製鋼が分社型会社分割によって本年10月31日(予定)に新たに設立する「株式会社エム・エム・ピー(仮称)」の株式の95.1%を、設立と同時に東京電力に譲渡いたします。今後は、8月上旬を目途に両社間で株式譲渡契約を締結するとともに、会社設立までに新会社の社名を変更する予定です。

 神戸製鋼は、経営資源の集中による事業収益基盤の強化を目的に、事業の選択と集中を進めております。組み込みソフトウェア事業は、今後も市場の成長が見込まれているものの、神戸製鋼グループの中では、他事業とのシナジーも比較的小さい状況にありました。こうした中で、会社分割による株式譲渡の検討をした結果、当該部門における経営の意思決定を迅速化することで、事業を取り巻く環境の変化に柔軟に対応できると判断しました。また、当該部門がこれまで培ってきた技術力と豊富な実績をベースに、東京電力グループの組み込みソフトウェア会社として事業展開を追求することが、同事業の一層の飛躍に繋がるとの結論に至りました。

 東京電力は、高成長が見込まれる組み込みソフトウェアの分野において、その技術力をスピーディに獲得できるとともに、優良かつ安定した顧客基盤を保有することが期待できます。加えて、新会社がこれまでに蓄積しているノウハウを活かし、すでに業務で活用している小型携帯機器・電子制御機器のさらなる小型化や新機能の導入をはかるとともに、テプコシステムズなど情報・通信関連グループ企業が保有する技術力と融合したシステムを一括して開発することが可能になるなど、ユビキタス社会(注2)において総合的な情報サービス事業への展開が実現できるものと期待しております。
 東京電力は、これまで約20件の新会社や新事業を自ら立ち上げてまいりましたが、今後はこのようなM&A(企業の合併と買収)による事業開発にも取り組んでまいります。

 新会社の概要は別紙のとおりです。

以 上


「組み込みソフトウェア事業」新会社の概要
(1)会社名 未定
(2)所在地 東京都(予定)
(3)社長 月原 つきはら まさる (神戸製鋼所情報通信部担当部長)
(4)事業内容 組み込みミドルウェア(注3)製品、組み込み製品開発ツール、組み込みデータベース関連製品の開発・製作・販売業
(5)設立 平成15年10月31日(予定)
(6)資本金 2億円
(7)株主構成 東京電力株式会社 95.1%
株式会社神戸製鋼所 3.0%
月原 優(神戸製鋼所情報通信部担当部長) 1.3%
山内 敏弘(神戸製鋼所情報通信部担当部長) 0.6%
(8)従業員数 約30名(予定)


(注1) 組み込みソフトウェアとは、電子機器に内蔵されているマイコンに組み込まれているコンパクトで機能を制御しているソフトウェアのこと。デジタルカメラなどの情報家電やエアコン、カーナビをはじめ、産業機械やオフィス機器などに幅広く採用されている。今後、情報ネットワークがさらに進化すると、データ伝送を制御する組み込みソフトウェアの役割はますます重要になり、2010年には5,000億円規模の市場に成長するとみられている。

(注2) ユビキタス(Ubiquitous)とは、ラテン語で「いたるところに存在する」という意味があることから、いつでも、どこにいても、誰でも、情報ネットワークにアクセスできる環境を備えた社会のこと。具体的には、パソコン、デジタル情報家電、携帯電話・PDAなどがネットワークで接続され、いつでもどこでもコンピュータを利用できる環境のこと。

 
(注3) ミドルウェアとは、OSとアプリケーションソフトの中間に位置し、OS単体では不足する機能を補うソフトウェア。(例えば通信やデータ保存など)


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